新しい学(上) (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2018年5月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784122065918

作品紹介・あらすじ

デカルトの科学主義に立ち向かい、人間の歴史の価値に光をあてるヴィーコ。古文献・風習・言語・芸術・貨幣などを読むことで、〈真なるもの〉に迫る

みんなの感想まとめ

人間の歴史の価値を再評価し、デカルトの科学主義に挑む思想が展開されている本書は、ジャンヴァッティスタ・ヴィーコの独自の視点を通じて、文明の根底にある神話や風習の重要性を探求します。国家制度は宗教から始...

感想・レビュー・書評

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  • 17世紀イタリアの思想家、ジャンヴァッティスタ・ヴィーコ。
    デカルトの機械論に対抗し、反合理主義思想を掲げる。

    本著では、神話をベースに次のように主張されている。

    ・すべての国家制度は宗教とともに始まった
    ・自分たちの民族が全文明の母と信じるのは、甚だ傲慢である。それは人類共通の自然本性から個別に生まれている
    ・宗教、婚姻、埋葬が遵守されるべき習俗であり、古代から異なる民族ごとに厳重に執り行われた


    ヴィーコを知ったのはバーリンからだ。
    バーリンはモンテスキュー『法の精神』における、「法とはそれぞれの民族や地理ごとに適したものである」という主張とともにヴィーコを取り上げたが、その理由はよくわかる。
    いずれかの文明が優れている、或いは先行しているということではないのだ。

    神話に基づく文明の発展について読むうち思い浮かんできたのは、戦後日本の思想家・吉本隆明の『共同幻想論』だ。
    そこで吉本隆明は、民話・伝承・神話に基づいて、日本の国家の成り立ちを説明しようとしていた。

    また最近読んだカントも、理性の概念などについて通じるところがある。
    時代はカントの方が100年ほど後になり、ナポリのヴィーコの著書がケーニヒスベルクのカントに届いていたかはわからないが、間接的にでも何らかの影響はあったのだろう。

    読み進めるほどに、ヴィーコが独学と地力で新しい学を生み出していることが感じられ、熱量と聡明さがよい。
    下巻の展開が楽しみでもあるが、不信心な自分には、神話のくだりはあまり楽しめるものではないのが正直なところ。
    しかし本著を入手してちょうど一年。
    昨年は読み進めることもできなかったものを今理解できることは、純粋に嬉しく感じる。

  • デカルトの科学主義に立ち向かい、人間の歴史の価値に光をあてるヴィーコ。歴史・神話・風習・言語・芸術・貨幣などを読むことで、〈真なるもの〉に迫る。

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