- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122066335
作品紹介・あらすじ
「ひぐま」こと樋口まりあは23歳。学業優秀だったにもかかわらず、人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗し、冴えない日々を過ごしていた。
そんなある日、祖母の紹介で、商社の面接を受けることに。そこは、米、粉、砂糖などを扱う、「コメヘン」という小さな食品商社だった。食品商社なら、大学で学んだ応用化学の知識を生かせるのではないかと意気込むまりあだったが、採用はよもやの社長秘書。
入社したまりあは、通常の秘書業務に加え、ときに取引相手に、ときに社長の友人に、料理をふるまうことになる――。
感想・レビュー・書評
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全体的にほのぼのしていて、ストーリーはちょっと物足りないけど気軽に読める点がとても良かった。食べ物に関連したお話ばかりなので、興味も持ちやすい。最後はこれで終わり?と思ったら、続編があるのですね。
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人見知りが原因で就活を失敗したまま大学を卒業した、樋口まりあ(通称「ひぐま」)は、祖母の紹介で面接を受けた会社に採用されるが、人見知りなのになんと配属は秘書課!
小さな会社だから、社長の夢や気配りが、直接従業員に届く。
そんな温かい会社の中で、自分でも思いがけない一面を発見して成長していくまりあの物語。
登場する、取引先のお客さんたちと社長のエピソードや、会話が深い。
思い出をとても大切にする作品。
「人間は記憶でできている」
本当にそうですね。
食べたものは「肉体」という容れ物を作り、体験したことや考えたことは「魂」として中に入る。
人の出来上がりです。
『商社コメヘン』
社長が米田だから、会社の名前は「コメヘン」
『引き継ぎのお好み焼き』
前任者の吉沢ゆかりがとても良いキャラで!
一ヶ月の引継ぎ期間が過ぎると、もう退場?と寂しくなってしまった。
『苦しまぎれのTKG』
しかし、ゆかりはそう簡単には退場しませんでした。
なんというかもう、「黒幕」?
和菓子屋の岡本さんは、羽二重餅の材料を変えようか迷っているが…
『愛しのオムライス』
北川さんは、米田社長の大手商社時代の同期。
出世頭の米田の退職にとても驚いたと言う。
オムライスが好きだけど、奥さんにリクエストできない理由とは…
『つめたいおにぎり』
後ろ向きな気持ちじゃない、人を笑顔にすると決めた、と言われてもやはり、つめたいおにぎりは悲しい。
人は生きていれば悔いの一つや二つはあるのかもしれない。
『ふるさとの鬼まんじゅう』
鬼まんじゅうは作る人の数だけある!
イケメンシェフの作る鬼まんじゅうとは?!
祖母への恩返しの食事もプレゼントできた。 -
樋口まりあだからニックネームはひぐま。。これ大丈夫なだけでも明るいいい子なんじゃないかな。就活に疲れきって自己評価が低くなってるけど、社長や吉沢さんはちゃんと彼女の努力できる才能を見抜いていたんですね。続編も楽しみです。
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ひぐまこと樋口まりあ23歳。
学生時代は優等生だったのに、就活に失敗して数カ月。
祖母からの紹介で「コメヘン」という会社の社長秘書となることに。
そこでの日常をコミカルに書かれた明るく楽しい小説。
ちょっとリズムやペースが私には合わなくて、飛ばし読みでリタイア。
楽しい、明るいかわいい小説なんだけれど、私には合わなかった。 -
もう直ぐ社会人になる私にとって春からの新社会人のイメージを膨らませるものとなりました。
こんな上司に恵まれたらいいなって思うくらい出てくる人が穏やかで素敵でした。
オープンキッチンのアイディア、シンプルによいなと思いました。私は作りたくはないけど笑
いい職場環境はこういうアイディアと美味しい料理と笑顔で作り出せますね!「働き場改革」!あと社長さんの懐の深さ! -
なかなか
次作も出たから中古で買って読んでみよう
これから良作をだす作家さんのような気がする -
NetGalleyと中央公論新社様のご厚意で読了させて頂きました。
一言で言えば、大変幸福な小説。読後感の非常にいい、気持ちのいい小説でした。
ひぐまのキッチン?あの熊さんの?って一瞬思いますが…そうではなくて。まず、そのネタバラシはまだ内緒で。ご本でどうぞ。
祖母の紹介で、コメヘンという会社に就職した樋口まりあ。彼女は秘書としてコメヘンに入るのですが、のっけからお茶を淹れたり、会社にあるとは思えないキッチンでお好み焼きを食べたり…。なかなか彼女としては波乱のスタート…というところから始まります。
ジャンルとしては食べ物を扱う、お料理小説×お仕事小説。秘書のお仕事なのに、お料理小説なの?というところは、実際にお読み頂きたい推しポイント。ここで多くは語りませんが…。
この、コメヘンという商社、非常にいい会社で、嫌な人が出てきません。まずこの会社に、まりあと一緒に惚れ込むところから読者は惹かれていくはずです。
料理小説の真髄である、手と心をかけて、人を大事にする営み。その幸福感とか、充足感は料理以外の場面でも、全編に溢れています。
お好み焼き・卵ごはん・手作りのお菓子。他にも他にも…身近でおいしそうなお料理が満載で読み終わると、自分もきっと料理がしたくなるはず。
私は夕飯のメニューに影響が出ました(笑)
美味しいお料理と、こんな会社に勤めたい!って思わせる人物描写。まりあの成長も読みどころ。
読み終わる時、最後のページを、まだ先があると思って、何度もめくろうとしてしまったのが、この小説の魅力をよく表していると思います。読み心地はすこぶるいいですが、終わることを意識しないほど、夢中でページを繰ることになるでしょう。
期待以上の佳作でした。
この方の、他の食べ物が登場する小説も、ぜひ読みたいものです。きっと美味しいに違いありませんから。 -
食品商社での秘書として採用された主人公が、会社のキッチンで料理を作りお客様に振る舞うという話。
美味しいものや気遣いで人を幸せにしたいという気持ちは共感したけれど、前任の秘書の吉沢さんの優秀ぶりや主人公の頑張りが、読んでいただけなのに少ししんどく感じた。 -
食べ物を絡めた、ほのぼの系小説。粉を扱う商社に入った女性の話。食べ物の描写に力を入れているわけでもなく、ストーリーはあってないようなものなので、リラックスしたいときにはオススメ。