百鬼園戦後日記I (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 31
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122066779

作品紹介・あらすじ

暫らく振りに蝋燭の明かりにて日記を書き続ける。こはいけれど空襲よりはいいだらう――ロングセラー『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十一年十二月末までの記録。掘立小屋にも編集者がおしかけ、毎日の酒の入手に苦労する日々を具体的かつ飄然と綴る。巻末付録・谷中安規「かをるぶみ」。(全三巻)

感想・レビュー・書評

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  • 日々の天候と金の工面と借金。
    そして、麦酒と酒の算段。
    麦酒に酒。本当に美味そうに飲んでいる。

  • 大好きな作家、内田百閒の日記。

    戦後間もなくのころから昭和21年の12月31日までの日記。

    戦後の雰囲気を感じるというよりも、百閒先生が書き記したその日その日の天候、その日飲んだお酒を知る。

    毎日記す天気。冬の所では、暖かな日が続いた後、寒くなるというところでは、素人ながら、気圧配置などを考えた。


    しかし、この日記は、誰かに読まれることを意識して書いたのか、否か。

    ともかく百閒先生は、日記を書くのである。


    「日記の記入の遅れたメモがたまつて限りが無いから今日(引用者註:昭和二一年十一月一日)から間に余白をあけてこの帳に記入する。間の余白は大体の見当なれば書き込みで行くと足りるか否か解らない。六月三十日以来、七八九十の四ヶ月分がメモに書きためてある。 」(274ページより)


    余白にメモを残し、後日(上記のように何ヶ月後のこともあれば、数日後もあるが)しっかり書き記すのである。


    ともかくも小説とは違う、内田百閒の魅力があふれた日記(の一部)である。

  • 『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十一年十二月三十一日までを収録。掘立て小屋の暮しを飄然と綴る。〈巻末エッセイ〉谷中安規(全三巻)

  • 内田百閒の日記が全3冊で文庫化。
    『この作家の最高傑作は、作家本人なのではないか?』と思わせる人物はなかなかいないものだが、内田百閒はそのなかなかいない1人である、少なくとも私にとっては。
    小説も勿論面白いのだが、随筆もこれまた面白くて、どちらも面白いのだから、日記も矢張り楽しい。原稿の依頼を何故か断ってみたり(妙に断るという記述が目につく)、晩酌のネタが無くて文句を言っていたり(その気持ち、解るよ……)、何というか、内田百閒は愚痴を書いていても何処か明るいのだ。
    読者が内田百閒を読んでいて楽しいのは、本人がなんやかんや言って人生を楽しんでいたからなんじゃないかな〜ということを考える。眉間に皺を寄せて歯軋りしている内田百閒なんて、想像つかないしねぇw

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著者プロフィール

明治二十二(一八八九)年五月二十九日、岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。旧制第六高等学校を経て、東京帝国大学独文科卒業。在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などで、ドイツ語を教えた。『冥途』『旅順入城式』『百鬼園随筆』『東京焼盡』『阿房列車』『ノラや』など著書多数。昭和四十二年、芸術院会員推薦を辞退。本名、内田栄造。別号、百鬼園。昭和四十六年四月二十日没。

「2019年 『百鬼園 戰前・戰中日記 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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