吾輩はライ麦畑の青い鳥-名作うしろ読み (中公文庫 さ 73-2)
- 中央公論新社 (2019年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122066953
作品紹介・あらすじ
漱石の『吾輩は猫である』や、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の驚愕のラストを知っていますか? 時代を越えて愛されながら、意外と知られていない名作のエンディング。世界の文学一三七冊をタイプ別に分析し、お尻の一文から、文豪たちのセンスや生き方を鋭く批評する。斎藤美奈子流・切れ味抜群のブックガイド!「極楽ももう午に近くなったのでございましょう。」「……ったく、……この、未熟者めが!」「自由というのは、もはや、不自由の反対語ではないのです。」楽しくてタメになる文学案内シリーズ最終巻。『名作うしろ読みプレミアム』を改題。
感想・レビュー・書評
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日本と世界の名作を「最後の一文」に注目して語る。一作につききっちり見開き2ページ、時にバッサリと斬る近現代ブックガイド。
未読作品で面白そうだったのは、鶴見和子『南方熊楠』、中島らも『カダラの豚』、チェペック『ロボット』、藤枝静男『空気頭』、バルザック『ゴリオ爺さん』。ゴリオ爺さんってこんなリア王みたいな話なんだ。
既読の作品では、三大奇書が続くところと武田百合子・須賀敦子・米原万里が並ぶところがアツい。個人的には〈虚無への供物〉って、ミステリー小説というエンタメの一ジャンルのことというより、〈物事に意味や物語を求める行為〉そのものを指していると思っているけど。
斎藤美奈子さんの文章はなんとも言えず懐かしい感じがする。山田詠美とかと同じノリ。ある種の軽薄文体というか、昔のanan感があるよなぁ(笑)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
納得できる結末も、腑に落ちない結末も含め、ラストに注意を向けることは、表面の細部に目を凝らし、物語全体を吟味し直すことに通じる。
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読んでない本を読んだふりするのによい。
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[図書館]
読了:2020/1/2
1作品2ページしかないのに面白く読める。 -
設定の勝利と言うべきか。とりあえず面白くは読ませるが、本当の「最後の一撃」はそうはないので、拍子抜けの面もあった。
2019/8/10読了 -
意外や意外、「ボッコちゃん」に興味をもってしまった。
素敵な企画だがこれにて終わりなのだとか。 -
名著の?急所?はラストにあり。意外と知らない唐突、納得、爆笑!? な終わりの一文。世界の文学137冊をうしろから味わう型破りなブックガイド第2弾。