叡智の図書館と十の謎 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2019年2月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784122066984

作品紹介・あらすじ

どこまでも続く巨大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者は神に等しい力を手に入れる図書館があるという――長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人が謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!? 知の冒険へ誘う傑作長篇!
文庫オリジナル

みんなの感想まとめ

知識と愛が交錯する冒険の物語が展開される本作は、広大な砂漠の果てに位置する叡智の図書館を舞台に、旅人が扉を開くために挑む十の謎を中心に描かれています。各謎は、旅人の持つ魔法の石板に映し出される短編物語...

感想・レビュー・書評

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  • 『煌夜祭』が面白かったので、多崎礼さん二冊目です。
    (図らずも、“ファンタジーウィーク”になっていますww)

    広大な砂漠の果てにあるという、<叡智の図書館>。そこにたどり着いた旅人が、その扉を縛る“10本の鎖”を解く為、“守人の乙女”が投げかける“10の謎”に挑みますが・・。

    “謎”といってもミステリではなく、旅人の所有する<魔法の石板>に映される物語が、謎(というより“問”)への答えを示唆するというものです。
    その10話の物語は、まさに“古今東西”。中世モノから和モノ、さらには近未来SFモノまでバラエティーに富んでいて、それぞれ作中作なのにちゃんと読み応えがあるのは流石ですね。
    第二話(第二問)と第五話(第五問)のリンクは“おっ!”と思いましたが、他の話の関連性はほぼない感じでしたね(近未来パートはちょっとリンクしている感がありましたが)。
    個人的には第九話(第九問)「愛と平和(ラブ&ピース)」がお気に入りで、ロボット(?)とネコの交流に癒されました。
    と、いう訳で短編集的な感じで楽しませて頂きましたが、全体的なまとまりにはちょいと欠けるかな・・というのが正直な印象です。
    とはいえ、1つの話で10話分楽しめるので“お得な”1冊かと思います~。

  • とても良かった…!満足感のある本です。本筋となる話の中で小話が10話ある感じ。その話は温かい話だったり悲しかったり寂しくなったりと感情は様々だが、全てにおいて他者への愛があるなぁと思った。だからどれも読んでて感動できるものがあった。最後、全ての文字が明かされて繋がっていたとわかったとき、すごすぎて鳥肌がたった。SF、ファンタジー、ヒューマンドラマ…いろんな要素があって味のある本です。読んで良かった〜。

  • 叡智の図書館。知識、思想、記憶、歴史、思考。あらゆる全てが記録されているという伝説の図書館。
    そこに辿り着いた者は神に等しい力を得ることができるという。
    そこには十の問いと物語がありその謎を解かねば命を落とすことになり叡智を得ることもできない。
    それに挑む一人の男と魔法の石版が一つ。。
    短編なのにこんなに重厚で心を揺さぶる物語を落とし込んでいる所がすごいし、物語のジャンルも様々ですごく面白かったです。
    もっとこの先を読みたい〜と毎回思いながら読みました。
    素敵な読書体験をさせてもらったなぁ(っ ॑꒳ ॑c)✨

  • 13:あーめちゃくちゃ面白かった……。趣味嗜好がどこからかだだ漏れてるのでは?ってくらいツボでした。
    これから書きたいモチーフがいくつか登場してンンッてなりつつも、幸せな気持ちで本を閉じることができました。知識は、情報は、人を幸福に導くだろうか。

  • 砂漠にあるという叡智の図書館。
    それを守る乙女の像が一体。
    乙女の問いに答えていくと、次第に乙女は実態を持ち始める。

    塔をしばる10本の鎖と、10問の謎。
    10のストーリーから、その謎の答えを導いていく。

    RPGのような世界観から物語はスタートする。
    問いに答えると、少しずつ変化していく状況も魅力的だ。
    次はどんな問いで、どんな物語が語られるのかとワクワクした。
    ただ、この旅人や乙女の設定は、わかるようなわからないような、ふわっとした理解で終わってしまった。
    再読したら変わるかな…?

  • 十話の短編で構成されている本書。一つ一つの短編が綺麗だったためか、最後のまとまりより、それぞれの短編の続きを読みたかったなという気持ちが強くなった。

  • 期待はずれ
    哲学的 なのか?
    私には理解できなかった。

  • ファンタジー好きには堪らない仕様ではないでしょうか。
    何しろ10編の異なるファンタジー(一部SFですが)が味わえて、それぞれの話が長編書けるというレベルで濃厚な内容になっていますから。
    ファンタジーと言っても、中世ヨーロッパ風のものから和風伝奇もの、未来が舞台のものまで実に多種多様。
    流石「図書館」収蔵作品の内容が半端ないと思わせる物語ばかりでした。
    それでいて、通して読むと一つの長編になるという摩訶不思議な作り。
    しかも、それぞれの物語が導き出した「答え」から、更なる「答え」が導き出されるというのも凄い。
    あの感動は是非本編を読んで感じて欲しいです。
    全ての答えから一つの答えに辿り着いた彼女の思い描いた未来は、もしかしたら既に自分たちがどこかで目にしているのかもしれないななんて思うと、読後も楽しめる……そんな余韻も素敵な作品でした。
    こんなに内容たっぷりな話が1冊で読めてしまうのって、本当に最高の贅沢ですよ。
    凄いや(語彙力が尽きた)

  • ファンタジーをあらゆる方向から浴びることができて大満足。
    レーエンデもいいけれど、『煌夜祭』やこのお話の方が好みかもしれない。

  • 読書が好きなひとなら、『図書館』とタイトルにあるだけでドキドキワクワクするでしょう❓
    そこに、十の謎に呼応した、十の多彩な短編。
    多崎礼さんならではの、SFとファンタジーのハイブリッドの美味しいこと‼️
    短編ひとつひとつも、しっかり面白い。
    その核心を、ひとつの言葉にしてしまうのも、すごい。

    これ以上は書くまい。
    と言いつつ、短編がそれぞれの時代や世界を描いているために、いつもの作品のような作品世界の手応えはやや薄かったかも。

    贅沢な読書でした。
    文庫版なのがもったいないほど。
    表紙のイラストもとても素敵だけれど、持った手応えというか…だって、『叡智の図書館』ですよ‼️
    ぜひ、もっとずっしりと美しい装丁で、手に取りたい。

  • どこまでも続く広大な砂漠の果て。そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者が神に等しい力を手にできる図書館があるという。長い旅路の末たどり着いた旅人が鎖に縛められたその扉を開かんとし、守人は彼に謎を問いかける。

    私にしては珍しい「新刊が出たら内容は関係なくとりあえず購入する」作家さんの一人。ファンタジーの書き手として、もっと売れてもおかしくないのにな~

    十の謎に対して様々な十の短編が入っていて、豪華だな~という印象。昨今、この一篇だけを薄く引き伸ばして一冊としている本もあるというのに…ただ、各話の登場人物の間に何か繋がりがあるのかな…?と少し期待してしまったので、それぞれを楽しんだという感じで終わりました。猫好きとしてはやはり第9問目の話が泣けましたが…どの話も好きだったなぁ…ただ、叡智の図書館やローグ、石板についてサクッと終わってしまったので良い短編集、の印象で終わってしまったのが残念…最後にもう少し掘り下げて欲しかったな…と思いました。

  • 10の短編が最後にひとつにつながる構成がすごく面白かった。それぞれ50〜70ページくらいでサクッと読めるから区切りもつけやすく、気づいたらどんどん読み進めて一気に読了。バラバラだった話が最後にまとまる感じが気持ちよくて、読後の満足感もかなり高かった。これはかなり好きなタイプの作品で、思わず著者のほかの本も読んでみたくなった。

  • 10のストーリー。
    それぞれ違う味がして面白い。
    そこが1つに繋がっていくわけです。
    そこはファンタジーが効いていながら、どこか現代の人間に刺さってくるのではないでしょうか。
    結末としては物足りなさがありました。
    10の短編がしっかりしていたからかもしれません。
    特に4~7問目が好きです。
    7問目はリドルストーリーながら満足感がありました。




  • 10問の短編が読みやすくまとまりがよかったのでどれも楽しめた。
    どの話もみな生命のエネルギーに満ちていて、信念があり必死に生きている感じが伝わってきた。
    納得のいく終わりもあればいかない終わりもあった。うまくいかない中で足掻く人たちそれぞれの人生を見せられて、人の面白味を味わえた。

  • 図書館の守人の問いに答える十の物語。
    趣向を凝らした十の物語が、問いに対する答としてどう展開するか。それを楽しみつつ、背後に秘められた物語を読む。
    これは物語を摂取する意味を示したものかも。古今東西の知識を編むもの。それが物語の役割なのかも。

  • 2025年5月26日、東京大学のセッション帰りの電車内で。座った優先席の正面に立ってるおばさんが立ち読みしてた本。文庫版だと思う。おばさんは、私が飯田橋駅で乗った時には先にいて、私より先に「早稲田駅」で降りていった。

  • https://booklog.jp/item/1/4120057895
    ハードカバー 単行本で読みました。

  • 「本の姫」「夢の上」と同様に、挿話を重ねつつ、物語の真相に迫ってゆくスタイルが作者は好きなんだな、と感じました。いくつもある階層を潜りながら、事の真相を探り出すという。
    好きです。

    いわゆる冒険譚ではないけれど、冒険している感じがすごく出るんですよ、読んでいて。絶望の先にある希望を見せてくれる人だと思っています。

  • 面白かった!

    元々連載だった10の短編。単なる連作短編ではなく、各物語は繋がりがほとんどないどころか世界観や時代、地域背景もバラバラだけど、それを包む外枠で繋がり長編になっているという初めての構成。1作1作で完結するから読みやすかった。

    話が進むにつれて、世界観は異なるけど時代や文明が過去から未来へと進んでいって、あらゆるファンタジーを同時に摂取できてお得感があった。

    基本的にはファンタジー要素が強いけれど、7話目がちょうど現代日本で、知らないところでこういう話があってもおかしくないと思わされて、よりその後の物語を自分ごとに落とし込んで読むことができた。

    かなり時間をかけて読んだから最初の方は忘れてるも多いけど、短いお話の中で都度都度考えさせられる内容だったという印象。

    人間とは、自己とは、愛とは、理想郷とはみたいな哲学好き人間には刺さると思う。

  • ファンタジー小説として読みやすくて面白かった。多崎さんの話は、比較的分かりやすい設定のため、ストーリーに一気に入り込める良さがある。次は別の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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