南洋通信 増補新版 (中公文庫 な56-2)

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  • 中央公論新社 (2019年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784122067561

作品紹介・あらすじ

二十八日ノ船デ暑イ所ヘ行ッテ来マス――。一九四一年に南洋庁の官吏としてパラオに赴任した中島敦。その目に映った「南洋」とは。珠玉の小品『南島譚』『環礁』に当時の日記・書簡を加えたオリジナル編集。

感想・レビュー・書評

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  • 『文字禍』で目覚め『母の友』で土方久功との交流を知り『よちよち文藝部』で意外な素顔を知った中島敦。ここに集められているのは晩年(といっても30代前半)赴任した南洋での作品・書簡類。第二次大戦が始まろうとしていた時代の空気も感じる随筆や家族への優しい手紙、土方の表紙絵とエッセイ、池澤夏樹氏の解説、何もかも素晴らしい!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      寺尾紗穂って硬派だけど、いい具合に緩くて面白いです、、、
      そうそう「南洋と私」の表紙カバー画は、土方久功『美しき日』
      111108さん
      寺尾紗穂って硬派だけど、いい具合に緩くて面白いです、、、
      そうそう「南洋と私」の表紙カバー画は、土方久功『美しき日』
      2021/02/09
    • 111108さん
      猫丸さん
      いいこと教えていただきありがとうございます。寺尾紗穂さんますます楽しみです。『南洋通信』の土方さんの表紙と比べてみたいです!
      猫丸さん
      いいこと教えていただきありがとうございます。寺尾紗穂さんますます楽しみです。『南洋通信』の土方さんの表紙と比べてみたいです!
      2021/02/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      にゃ〜
      111108さん
      にゃ〜
      2021/02/09
  • 北村薫の『八月の六日間』のなかで主人公がザックにしのばせていた本で三俣山荘で開いてたので興味が湧いて読んでみました。図書館の文庫本の棚にあったんですが一番下の床につきそうな段にありしゃがんだ姿勢で探すのが大変でようやく見つけて立ち上がった途端に立ち眩みがしてよろけてしまいました。膝より下の棚から本を探すときは要注意でした。

    ざっと、作者の概要について調べてみると。
    東大を卒業後、女子高の教師として働く傍ら執筆活動を続けパラオ南洋庁の国語編修書記として赴任を経て小説家となるが持病の喘息悪化のため1942年12月4日、33歳にて病没。少年時代から神童だったとか。教員時代の教え子に原節子がいたとか、山岳部生徒の引率で箱根外輪山や北アルプスに登ったりもしてたとか。深田久弥とも親交があり文学界デビューの後押しをしてくれたとかありました。女子高の先生してたので女性関係についてはいろいろな噂があったようですけど。

    南洋通信を読んでみると文体が古くて最初とっつきにくかったのですが慣れてくるとこれがなかなか味わい深い。
    日本の統治下にあったパラオで彼が感じた原住民の風俗習慣など、パラオは母系社会とゆうこともあるのか女子は来るものは拒まず状態で男子を迎えるようですが、そこらへんは開放的なようすで、貞操観念を持っている女子のが稀だったり、倫理観も違っているようすが面白く書かれていました。パラオに出港したのが1941年6月28日だそうっですがこの年の12月には太平洋戦争が始まるし、療養を兼ねて南洋に赴任したつもりが返って喘息が酷くなったようで翌年3月には帰国している。エッセイと家族への書簡で構成されていて楽しめました。パラオには文字がなかったそうで口頭で伝承していたとか興味深かったです。
    また、戦争が始まる1ヶ月前の手紙の中で深田氏に預けてある原稿を子供が二十歳になって文学を志すようなら渡してくれと興味なさそうなら燃やしてくれと妻に伝えてる箇所が印象的でした。
    深田久弥が預かった原稿に目を通すのが遅れたのが原因で帰国の1ヶ月前に文學会に掲載されるがそれを知ったのは東京に戻った後だったとか。
    何故目を通すのが遅れたのか、山でも行ってたのかなって、仕方ないかと思ってましたが、初恋の相手と再会して不倫してたみたいで深田さんもいろんな方面に情熱を傾けていたようでしたww

  • 当時、戦争の直前という時期なのに、感覚がわかる部分がおおくて、なかよくなれそう。
    手紙ってとてもいい、
    万人に向けて書かれていないものを読む贅沢さを思う。
    南の島に行く前に読めてよかった。

  • 中島敦が、戦前の日本統治下のパラオに官吏として勤務していたとは知らなかった。中島敦がパラオに題材をとった小説と、パラオ時代の書簡を収録。日本の統治下の南洋について、知ることはあまりに少ないが、この作品集がそれを少し浮かび上がらせてくれる。

  • 日本統治下での南洋での暮らしの様子が興味深い。内地との明らかな差異を感覚的に感じることができて面白かった。

  • 家族に宛てた手紙が良かった。

  • 日本統治時代のパラオやミクロネシアなど南洋諸島の風俗や伝承に著者の観察眼を添えて認められた短編集。ルビに現地語読みが当てられていたり、今では普通ひらがなで書かれる言葉も近代風に漢字表記のままにしてあったりなど、読みで躓くこともありそうなのに、それをほとんど気にさせないような、文章の朗々と流れる感じというか、読み心地の気持ち良さが、さすが中島敦、大した作品だと思わせてくれる。エキゾチックな題材なのも、文章の巧さに花を添えている。

    家族らとの書簡部分は長く、このメモの時点でまだ半ばほどしか読んでいないが、それを措いても小説部分の達筆さをメモしておきたくなった逸品。

  • 南洋庁国語編修書記としてパラオに赴任した中島の目に映った「南洋」とは。『南島譚』『環礁』に加え、妻子に宛てた九十通以上の書簡を収録。〈解説〉池澤夏樹

  • 南洋諸島に赴任中の中島敦が残した随筆と、家族に充てた書簡。
    南太平洋の暑さ、海の青、人々の暮らし……そういった事柄が古ぼけた映像を見ているように立ち上がる。解説で書かれているように『世界文学』かどうかは解らないが(余りこういう区分けが重要であるとも思えない)、面白い文章だとは思う。
    後半の書簡部分では、家庭人・中島敦の姿が垣間見えて面白い。基本的に宛名人以外が読むことを想定していない文章は、発表することを前提とした、『よそ行き』の文章とは違った味わいがある。
    中島敦、大方のイメージは教科書に載っていた短編なのだろうが、『山月記』ばっかり収録せずに、本書からも収録すればいいのに……(いや、〝山月記〟は好きだけどw)。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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