この色を閉じ込める (中公文庫 い 127-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.04
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本棚登録 : 108
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122068100

作品紹介・あらすじ

恐怖度&驚愕度No.1

『ため息に溺れる』大幅超えのラストがあなたを待ち受ける。



立川署の刑事である薫と赤川は、管轄内で死亡した神田歩美の日記を見つける。そこに記されていたのは我が子の成長記録。歩美の息子・春樹は、日記が書かれる十年前に死んだはずなのに――。不審に思った二人は、歩美が暮らしていた二荘村を訪れる。だが滞在中、村内で殺人事件が発生。住人たちからは「犯人は春樹だ」という声が……。



文庫書き下ろし

感想・レビュー・書評

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  • 立川署の刑事2人が自然死と判断された女性の日記の内容が気になり、休日を利用して動く。

    女性は、離婚していたが息子がいてその成長を喜んでいるかの内容が記されていた。
    だが彼女の息子は幼い頃に亡くなっていたのだ。
    身寄りのない彼女の死を残された人に伝えるべく、2人が行った先は、西多摩郡にある二荘村である。

    村ならではの伝統や風習、そして言い伝えなど。
    まさに一昔前のサスペンスドラマでも見てるかのよう。
    人を喰らうという噂のある村。
    亡くなっているはずの息子を監禁しているという村の三役やその彼が逃げたという後に次々とおこる殺人事件。

    終幕での語りにいったいこれは…となる。





    2人の刑事、バツイチで三十路を超えている愛想も趣味もない薫と貢いだ後に捨てられた金はあるがモテない冴えない赤川のコンビというのは面白くて楽しめた。

  • シリーズ第2弾。

    閉塞的な村で10年前に起きた事故死とされている少年の死の真相を追うお話。

    その村で50年前、15年前、10年前と起きた出来事と村に言い伝わる祭りの秘密事。
    村人が隠している事。
    謎の老婆。
    などなど・・・・

    出だしから最後までずっと気になることだらけで一気読みしました。
    終始読み心地は村の風習がテーマなだけに、暗くゾクっとするような雰囲気で、読了後もけっしてハレバレスッキリ爽快ではないが、きちんとまとまっている一冊。

  • 色々グッチャグチャで忙しかった
    火曜サスペンスのよう

  • あらすじから想像していた内容とは少し違ったけどコンビの刑事のキャラも好ましく謎を解くテンポもいいから一気に読み終えた。ヒロインと同じ目線で最後まで謎解きができたからスッキリするはずが…オカルト、迷信、呪い、あまり好きではないけれど現実との対比で明かされていくのはゆっくり理解できて楽しめた。ラストは背筋がゾッとしたけれど。

  • 孤独死した一人暮らしの女性。事件性はないように思えたが、彼女の遺した手記に疑問を覚えた刑事が個人的に捜査をすることに。そして訪れた村で起こる凄惨な連続殺人。過去にいったい何があったのか。サスペンス感溢れるミステリ。
    閉鎖的な田舎の村で連続殺人、という魅力的な筋書きだけれど、そこに至るのは半分くらいになってから。しかしそれまでの謎部分でも充分に引っ張られました。死んだ子の成長を見守るかのような手記は、ただの想像や願望と捉えてしまえばそれだけなのに。その違和感に食い下がっていく刑事の執念(というか、単なる好奇心のような気もしますが)にも魅せられます。そして思いがけないところからのあの真相にはぞくりとさせられました。タイトルの意味もそういうことだったのか。

  • 休暇を過ごすにはしてはハードすぎる。優生保護法について調べたくなった。

  • 刑事の薫と赤川が休みの前に確認した現場に残されたノートから続く、奇怪な話。結論はさておき東京にそんな街があるかどうかだが、ありそうな雰囲気もあり、結構怖そうなところもあるが最後は直球、カーブなんでもアリで怒涛のラスト。でも最後に秘密が。ああ、、、終わり方がちょっと感動に欠けるので、3つ。

  • 殺害された女性が書いていた日記をもとに、ある村の真相を探っていく話。ミステリー物。
    最後まで読んで、タイトルの意味がわかった。そう考えると怖いな。
    うーん、村人のみんながみんな嘘ついてるけど、本当の悪役はあの人しかいなかったんじゃないかなと思う。タイトル通り、色を閉じ込めてしまった人しか。でも、村の重役はいなくなったし、これからどうなることやら。……むしろ、それが最初から狙っていたなら怖って思った(唯一生き残った家族だし)。

  • 人食い伝説を残す村で殺人事件が発生。住人の口から上がった容疑者の名は、十年前に死んだ少年のものだった。恐怖度・驚愕度ナンバーワン・ミステリー。

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著者プロフィール

1985年神奈川県生まれ。25歳のときに書いた『グレイメン』で2011年に国際的小説アワードの「ゴールデン・エレファント賞」第2回大賞を受賞。’12年に同作品が日米韓で刊行となり、26歳で作家デビューを果たす。『エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守』は、経済学を絡めた斬新な警察小説として人気を博した。また’18年に『60(ロクジユウ) 誤判対策室』がドラマ化され、『20(ニジュウ) 誤判対策室』はそれに続く作品。その他の著書に『小鳥冬馬の心像』『法廷外弁護士・相楽圭 はじまりはモヒートで』『ため息に溺れる』『キリングクラブ』『第三者隠蔽機関』『本と踊れば恋をする』『この色を閉じ込める』『断罪 悪は夏の底に』『いたずらにモテる刑事の捜査報告書』『私はたゆたい、私はしずむ』『闇の余白』など。現在は医療系企業に勤めながら、執筆活動に励む。

「2022年 『ゾンビ3.0』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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