装丁物語 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 246
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122068445

作品紹介・あらすじ

星新一から村上春樹まで――かくも愉しき装丁今昔


そのデザインの源泉は、幅広い好奇心と書物への愛着。

編集者から依頼を受け、ゲラを読み、絵を描き、文字を配し、

一冊の本を作り上げるプロセスを詳しく紹介。


軽妙な語り口にその人柄がにじむ、和田誠さんの本作りの話。

感想・レビュー・書評

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  • 和田誠が手掛けた装丁の話が豊富に入っていて、それぞれの本について、どんなことを考えてデザインしたかを読んでいると、改めて見直したくなる。

    ジャケ買いという言葉があるように、本にとってジャケットを含めたトータルデザインはハズせない。

    栞の色が絶妙だったり、紙の質感がイメージ通りだったりするだけで、高くてもハードカバー買いますうー!置いときますうー!となる。
    作家にとっては複雑な言葉だった。ごめん。

    オビの色はこちらでコーディネートするが、内容は編集者の思いの見せどころ、という言葉も面白い。
    そんな和田さんが、本のデザインを語り尽くしたところで、最後に、バーコード問題について怒りを湛え始める。

    そこで、ハッとさせられるのだ。
    この問題を語らずして、装丁がどうのとか言ってるんじゃないよ、と。
    反省した。
    というか、これだけ技術の進歩が激しい現代にあって、バーコードがあのサイズでないといけない理由って……。

    筆者以外の話をして申し訳ないのだけど、私が初めて買った全集というのが、安部公房だった。
    正直、それまで特に好きな作家でもなかったのだけれど、銀色のプレートが貼られた全集が手元にやってきた時、あああ、お金出して買って良かったあぁーと心踊った(笑)
    文庫のジャケットも同様に、近藤一弥さんがデザインされている。

    読んでいない本のタイトルを聞くと、私はジャケットで思い出す。
    ああ、こういう絵柄のとか、こういう色のとか。
    和田さんの仕事の姿勢を読んでいると、作家さんにとってはありがたい人なんだろうなと思う。

  • 書店で何気なく見かけて、気楽に読めそうと思って購入したが、意外と面白くて佇まいを直しながら読んだ一冊。

    村上春樹との共作「ポートレイト・イン・ジャズ」を手掛けるなどイラストレーターとして活躍し、昨年逝去した著者がライフワークとして手掛けた”装丁”をテーマに、様々な作品のエピソードが語られていくのだけれど、本好きの自分でも全く知らない世界ばかりで本当に面白い。

    全体のデザイン、イラストや写真の作成、フォントの選定や自らのフォント作成、紙の材質の選定など、”装丁”とはここまで奥深い世界だったのかと驚かされる。同時に、実際に著者が手掛けた無数の作品が紹介され、その作品をどう表現するかに関する工夫は、単なるプロフェッショナリズム以上に”装丁”に対する愛に溢れている。

    ”装丁”についての見方が絶対に変わる、本好きには絶対にお勧めしたい一冊。

  • 絵を描き、文字を配し、用紙を選んで一冊を作り上げる。そのデザインの源泉は書物への深い愛着。星新一から村上春樹まで――惜しみなく披露する本作りの話。

  • 気づくと、和田さんの本を手に取っていることがある。
    和田さんの装丁された本はすぐ気づくし、絶対中身も面白いだろう、となぜだか思ってしまう魔法がある。

    時代の変化でイラストレーションやデザインの周辺も色々変わっているけれど、変わらない和田さんのポリシー。本当に装丁のお仕事好きなんだなぁと。

    バーコードに対する抵抗のくだりも好き。

  • 本作りの本。本にまだバーコードが印刷されていなかった頃の装丁の話。
    紙の種類など知らないことが多く興味深く読んだ。
    筆者の本に対する愛情を感じる。

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著者プロフィール

和田誠

一九三六年生まれ。多摩美術大学卒。七七年から「週刊文春」の表紙を担当。グラフィックデザイナー、イラストレーターとして装画、装丁作品多数。デザイン、絵画の分野では文藝春秋漫画賞、講談社出版文化賞など受賞多数。さらに翻訳、映画監督、、エッセイなど幅広い活動により菊池寛賞を受賞。絵本を含む自著は二百冊を超える。二〇一九年一〇月逝去。

「2020年 『装丁物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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