死香探偵-哀しき死たちは儚く香る (中公文庫 き 40-12)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122068506

作品紹介・あらすじ

圧倒的人気につき9万部突破!

「死香」を食べ物の匂いとして認識する桜庭潤平。潤平の特殊体質に興味を抱く分析学のエキスパート・風間。これまで未解決事件を匂いで嗅ぎ解いてきた二人だが、ある日潤平が特殊な薬品をかけられ嗅覚を失ってしまう。風間は、潤平と同じ能力を持ちながら歪んだ思想をもつ月森の関与を疑うが――。

感想・レビュー・書評

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  • 死香を嗅ぎ分ける人間なんていないだろうけど、風間が万難を排して取り組んでいる死香なんて本当にあるんだろうか。桜庭潤平の純粋な思いと風間の研究者馬鹿の様相がこのシリーズの肝だ。特に、風間の「愚問だな」の文句がいい。風間の人物造形の成功がこのシリーズを支えていると言っていい。今回も潤平を保護するために(自分の研究のため)自分のマンションに連れてきてしまうところなど、誤解を恐れぬ研究馬鹿さを大発揮。

  • 三冊目。死香を嗅ぎ分けることができる桜庭潤平、そして潤平の能力を助けに死香の分析に全力を挙げる風間准教授に最大の危機。前々作で犯人を突き止めながら逮捕に至らず逆襲に遭う。何とか乗り切った。
    しかし、その犯人と手を組むことになった風間の最大なライバル、イアン,ニューマンの登場。たぶん最終回となる第4巻はどんな展開になるか。

  • シリーズ三作目。
    久しぶりの死香探偵。二人の信頼関係が高まり阿吽の呼吸で動いてる。
    この二人がメインなのは間違いないのだけど、私は潤平の会社の先輩の樹さんが好き。人間味があって思慮深い人。樹さんがいるからこのコンビは成立してる。

    死香探偵は一話完結の連作短編なんですがこの三作目の最後は完結しないので早く続きが読みたい!

  • シリーズ、第三弾。
    死者の匂いを食べ物の香り『死香』として感じることが出来る桜庭 潤平。
    そして、潤平の能力を興味を抱く分析学のエキスパート・風間。

    さまざまな事件を解決して来た2人だが、今回は、謎の人物に、ある液体をかけられ、死香を感じる力が失われることに...

    一体誰が、なんの目的で、こんなことを。
    果たして、彼の能力は、復活するのか?

  • 死香探偵の3冊目。風間の過保護っぷりに拍車がかかっていますが、香りから犯人へとたどり着くシチュエーションがよく考えられていて変わらず面白いです。
    病院のエピソードが面白かったかな。病院は複数の死に関わる場所であり、1人の死に複数の人物が関わるところでもあります。こういった場所では香りだけでは真相に迫れない。面白い着眼でした。

  • 正直、あまり話に大きな展開はなかった。
    ただ、世の中にはもしかしたら色々な特異体質を持つ人がいるのかもしれないと思うと強ち、こんな研究も突拍子もない話ではないのではないかな?と。


  • 風間先生の研究も日に日に進んでいて、非現実的な設定を違和感なく楽しめます。
    潤平が美味しそうにご飯を食べる描写がとても嬉しいです。
    宿敵が絡んできて次作が楽しみな終わりかたでした。

  • 一巻や二巻と変わらず、一つ一つの話がスッキリ纏まっていて読みやすく、面白かった。三巻では潤平に対する風間先生の優しさと過保護さ、風間先生の期待に応えようと頑張る潤平の真面目さと誠実さが垣間見えて、続編を読むのがより楽しみになりました。

  • シリーズ第3弾。
    死香を「食べ物」の匂いに変換する体質の潤平と、
    分析学のエキスパート・風間は不審な事件を
    次々と嗅ぎ解いてきたが、ちょっとした油断で
    最悪の状態に追い込まれる潤平・・・
    ・増殖する死は、人知れず香る
    ・水辺に揺蕩う死は、野性的な香り
    ・病床の死を包む、金木犀の香り
    ・死を司る悪意は、妖しく香る
    4編を収録。
    やはりアイツが動き出していた。
    風間と面識のある海外の研究者を味方につけて・・・
    天罰が下ればいいのに!・・・と心で叫んでおく。

  • 死香探偵第三弾。

    今作も前作同様、風間と潤平のコンビが死香を手掛かりに事件を解決していきます。

    死香に関する研究が進展し、徐々に食べ物の香りを再現出来つつあると同時に、研究のライバルの登場もあり、続編に期待させられる内容でした。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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