- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122068650
作品紹介・あらすじ
厚い信任を受けたポルトガル人宣教師の見た織田信長の素顔。一五六八年、初めての謁見の様子から、安土築城、八二年の本能寺の変、直後の明智光秀の死まで。戦国日本の第一級史料「日本史」から信長に関する章を訳出し、詳細な訳注と解説を加えた。文庫化にあたり新たに人名索引を付す。
〈解説〉和田裕弘
(目次より)
Ⅰ 回想の信長
第一章 信長の素性、およびその性格、権勢、富、ならびに彼が到達した顕位と公方様の複位について
Ⅱ 信長とフロイス
第六章 ルイス・フロイス師が、信長の許で援助を求めるために美濃国に赴いた次第、ならびに彼(信長)が彼に示した寵愛について
第八章 公方様と信長の葛藤、ならびに上京焼失の際、教会に生じたこと
Ⅲ 信長とオルガンティーノ
第十章 五畿内の諸事の発展、ならびに安土山の神学校について
第十一章 安土山で収め始めた成果について
第一二章 ジュスト右近殿が信長に投降した時に示した英雄的行為、ならびにその際、オルガンティーノ師とキリシタン宗門が蒙った大いなる苦悩について
第一三章 信長が荒木一族に課した厳罰のこと、ダリオの追放、ならびに三ケ殿とその息子が蒙った生命の危険のこと
Ⅳ 安土山にて
第一六章 信長がその富、権力、身分のために陥った大いなる慢心と狂気の沙汰について
Ⅴ 本能寺の変・山崎合戦
第一七章 明智が謀叛により、信長、ならびに後継者の息子を殺害し、天下に叛起した次
第十九章 明智の不運と十一日後の死去について
など
感想・レビュー・書評
-
フロイスの「日本史」から信長に関する記述を抜粋。信長を含めた戦国時代の光景が生々しく描写され、まるでタイムスリップした感覚を味わえる。特に幻となった安土城と城下町の点描は圧巻で、夜景の様子などは目に見えるかのようだった。宣教師達が居なかったら、知り得なかった世界であり、記録が後世に残る事の貴重さを改めて感じる。信長公記との共通点も散見され、両者を読み比べるのも一興。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
膨大なフロイス『日本史』のうち、信長関係の記述を抜粋したもの。信長の非凡さと苛烈さは宣教師にも印象的だったようだ。安土城の壮麗さや清潔さについても、結構記述されていた。あと、当然のことながら、高山右近の記述はとても好意的。
-
フロイス『日本史』は、他の信長物で良く目にするが、そのものを読んだのは初めてで、比較的面白く読めた。各章末にある注釈解説の中で、信長公記で書かれている内容も挙げられており、以前読んだ『地図と読む 現代語訳 信長公記』も引っ張り出してきて、その記述箇所も照らし合わせながら読んだ。
-
中公新書が品切れになっていたので、文庫での再刊は嬉しい限り。文庫版の日本史も持っているが、本書は信長との関係でまとめられているので、手に取りやすい。人物評価は、キリスト教宣教師のバイアスが分かりやすいだけに、そこに注意すれば良いと思います。
-
浩瀚な「日本史」から信長に関する記述を訳出、詳細な注と解説を付す。一五六八年の初謁見から八二年の本能寺の変、明智光秀の死まで。〈解説〉和田裕弘