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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784122068834
作品紹介・あらすじ
「朝、目が覚めると戦争が始まっていた」
キノベス!2018第1位、アメトーーク!「読書芸人」で紹介
読売新聞、毎日新聞など各紙誌で賞賛の声!
全体主義の恐怖を描く傑作、待望の文庫化。
近未来の島国・R帝国。人々は人工知能搭載型携帯電話・HP(ヒューマン・フォン)の画面を常に見ながら生活している。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。だが何かがおかしい。国家を支配する絶対的な存在”党”と、謎の組織「L」。この国の運命の先にあるのは、幸福か絶望か。やがて物語は世界の「真実」にたどり着く。
みんなの感想まとめ
全体主義の恐怖を描くこの作品は、近未来の島国・R帝国を舞台に、戦争の始まりと国家の支配構造を探求しています。特に、民と同調圧力が国家を形成する様子が描かれ、現実の問題を反映したディストピアが展開されま...
感想・レビュー・書評
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教団Xほどじゃないにしろ、この作家はやはりけっこう理屈っぽいが、こういう実際のできごとを元にしたSFはわりと好みなので楽しめた ただし、おわりかたは個人的にはイマイチ
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近未来のR帝国という島国で戦争が始まった。その国は全体主義を徹底したディストピア。国民は戦争に前向きだが、この戦争に違和感を持つ者もいる。そんな抵抗者たちと圧倒的な支配を誇る''党''の物語。
政治、集団心理、宗教、AI、統治など様々な観点から研究しがいがありそうな作品。理想の国家とはなにか、現代日本との違いはなにか、考えさせられる物語でありつつ、ハラハラする展開で読み手が引き込まれる。結末は想像していたようなハッピーエンドではなかった。 -
『人々が欲しいのは、真実ではなく半径5メートルの幸福なのだ。』(引用、352頁)
〈要約〉
舞台は近未来の島国・R帝国(サイエンス・フィクション)。人々は高性能のAIを搭載したHP(ヒューマン・フォン)を持ち、HPは私たちにとって恋人であり、友人であり、相談役であり、欠かせない存在となっている。
この国は与党(国家党、通称“党”)が絶対的存在であり、表面的な民主主義を与え、国民をコントロールしている。
その世界で登場人物たち(戦争に巻き込まれた男【矢崎】と、形として存在しているだけの野党の秘書【栗原】)は、”党”と戦争の思惑、世界の真実を知ることとなる。
謎の組織【L】とは何か?
この国が向かうのは幸福か絶望か?
真実、幸福、偽善。
人にとっての希望や幸せはいったい何なのだろうか。一緒に考えてみませんか?
〈おすすめの人〉
・人の幸福とは?について考えるの好き!
・社会(世の中)、人の本性の真実の姿をしっかり見つめたい!
・科学や文化の進歩、その先にあるものを考えたい! -
いやー重くてしんどい本だった。元気のない時には読めない。爽やかな朝にも似つかわしくないから読めない。
21世紀における「1984年」。扱ってる内容も重く絶望に満ちたトーンも、大きな類似性を感じる。舞台が半世紀ほど下り、ネットやAIなど現代的なギミックが加わりより深みを増した後継者的作品と感じた。
ジョージ・オーウェルがソ連を強く意識して全体主義国家“オセアニア”を描いたように、この作品のR帝国をはじめとする国々はどれも現実の我々の世界の国々がモデルとなっている。R帝国は戦前・戦後両方の日本の悪いところを寄せ集めてデフォルメしたような国だし、他にも現実の世界問題がモデルとなっていると思われるものがチラホラ。
戦争、テロ、政治、宗教、軍需産業、マスコミ、ネットの誹謗中傷、移民難民問題、差別、スマホ依存など現実に存在するあらゆる問題が扱われていて、こんなに詰め込まれているのにごちゃごちゃせずすっきりと読める文章力がすごい。
終盤に黒幕により明かされる衝撃的な事実、その異常性、絶望感・無力感はまさに「1984年」のオブライエンを彷彿とさせる上に、それを大きく上回る。
綺麗事を一切削ぎ落とした生々しい一般市民の本音。その筆致力。
後書きでR帝国のRが何を表すのかが示唆されていて、とても納得。
20世期初頭にはオセアニアが、次の世紀にはR帝国が現れ、次には何が現れるのだろうか…。
『R帝国の人民の“84%”が貧困層』という設定が出てくるけど、これはオマージュなのかな。気になる。 -
中村文則『R帝国』中公文庫。
近未来の島国『大R帝国』のコーマ市を舞台にした物語。内容にオリジナリティが感じられず、結論も、結末も無いつまらない小説だった。やはり『掏摸』の成功はフロッグだったのだろうか。
国民の殆どが人工知能搭載の携帯電話HUMAN Phoneを持ち、過剰な情報に過敏に反応する近未来。移民、少子化、ネットリンチ、右傾化と左翼思考、ヤラセなどなど、誰もがスマホを持ち、ネットでしかコミュニケーションを取れない人間であふれた現代の日本を諷刺しているかのような描写が目立つが、せいぜい高校生のお遊び程度といったところ。
現代日本の諷刺小説には全くオリジナリティが感じられず、百田尚樹の『カエルの楽園』の真似物といった感じがした。
そろそろ中村文則には『掏摸』を超える傑作を書いてもらいたいのだが。
本体価格720円
★★ -
世界は悪くなっていくだろうかについて考えさせられた。
・戦争は誰の為に行われているのか?無くならせる事は出来なくても少なくする方法はあるだろうか?
・日本の民主主義は優れているだろうか?自民党の長期政権、スポンサーに配慮するメディア、政治に取り憑く各種団体、選挙の在り方、数が強さに比例する民主主義
・他人を傷つける事で精神的に優位に立とうとしたり、自分のストレスを解消したりする醜さ、辞められない苛め
・他国を卑下する事で自国の価値が高まっているように感じる誤解
・AIが人間よりも知性的に考えられるようになるであろう未来
・娯楽の多様性による堕落
中村文則さんの小説で久しぶりに読んで良かったと思えた!
それと、小説の中の世界と現代が似ている事に不気味さを感じる・・・
近未来の島国R帝国
国民はAI搭載の携帯電話の画面を常に見ながら生活している。
そんなある日、R帝国は隣国と戦争を始めていた。
国家を支配する【党】と謎の組織【L】
ジョージオーウェルの【1984年】を思わせるような世界観は読み手に不穏な空気感と不安を感じさせる・・・ -
最初の方はおもしろかったけど、だんだん話が複雑になってきて、読み進めるのがしんどかった。
戦争の話、ウイルスの話、未来のスマホのようなものの話が、近い将来起こり得るのではないかと思った。
偶然に起こっているようで、必然に起こっていることがこの世界にはあると思う。
また、情報化社会で、真実である情報とそうでない情報を個人が判断するのは難しく、情報操作の恐ろしさも感じた。 -
悪とそれに虐げられる弱者を描いている。。
いつもの中村文則の作品、ややディストピア要素多目って感じ
悪と衆愚性、閉塞による幸福など、これまで同様の作品で扱ってきたテーマを詰め込んだ繰り返しになる
それも含めてリピートですね
初めて中村文則さんの本を読む人にはお勧めです、読みやすいし
今まで著者の他の作品を読んできた人にはやや単調なsf小説かもしれません -
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⚫︎感想
「人々は、小さな嘘より大きな嘘に騙されやすい。
アドルフ・ヒトラー」
現在の世界情勢(監視社会、ポピュリズム、情報戦)を色濃く反映し、**「もし日本が全体主義国家になったらどうなるか」**を疑似体験させる物語。
国家の暴走をさまざまな視点(読者視点を含む)描くことで、自分はどのような立場や考えで生きていくか、生きていきたいかを読者に自分の頭で考えさせる余白を残している。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
近未来の島国・R帝国。人々は人工知能搭載型携帯電話・HP(ヒューマン・フォン)の画面を常に見ながら生活している。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。だが何かがおかしい。国家を支配する絶対的な存在"党"と、謎の組織「L」。この国の運命の先にあるのは、幸福か絶望か。やがて物語は世界の「真実」にたどり着く。 -
楽しい。
現代の話ではないのに炙り出ししているかのよう。皮肉が効いている。
日本のマスコミや国の中枢の政治家や官僚に不信感を持ったり、三権分立はどうした?なぜみんな投票に行かないの?そう思った事がある人は楽しめるのでは。
世論誘導なんてお手の物だし、遥か上空から民を見るかのように戦争を起こし、軍事産業で儲ける僅かな富裕層。悪人をしっかり悪人として書いている。洗脳されても生きる価値はある世界なのか?私たちはこのままでいいのだろうか。
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2週間前に読み終わっていて、メモを見ながら感想を書こうと思っているのだが、意外と覚えていない…
HPという人工知能付きのヒューマン・フォンが出てくる。
この手のものは近未来を描く作品では付き物と言っても過言ではないが、改めて
・自分のことをわかってくれる
・知恵を貸してくれる
・自分が言いにくい事を代弁してくれる
・人間以外
の存在が欲しいのだな、とそこばかり気にしてしまった。 -
ヤバい内容だと思うが、現代の少し未来を書いている場面を読むと、救われた思いがした。
今、この社会はなんとなく生きづらい、と思っているのかもしれない。
信じられるものを信じ、裏切られても起き上がり、理念に生きている人は、現実にもいるのではないか。安全なところから見ている自分が、この小説を読むことは、彼らの助けになるのか、妨げになるのか、全く想像できない。
知性が、普通の幸福を遠ざけることもあると思う。そんな人も受け入れられるように、とにかく、多様な喜びが自然に存在する世の中になってほしい。
愛。
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途中まで読んで、
しばらく放置してしまった作品
すらすらっと読めるタイプではなく、
ドッシリと腰を据える必要があるため、
いつの間にか埋もれてしまいました。
読書好きな人向けなので、
あまり簡単には薦められませんが、
ハマる人には堪らないと思います。 -
「いざという時、お前達の国は、個人を見捨てる傾向がある、ということだ」
出版されたのは2017年だけれど、この描写に随分近付いてきたな現在が…と思いました。
面白かったです。描写やキャラは造りすぎな気がして重厚さは無いのですが、これくらい軽く書かないとバランスが悪くなるのかな。
最近、「ああ…こういう人ばかりだとそりゃあやりやすいだろうな……」って、加賀の言ってる事を実感する出来事がありました。決して荒唐無稽な話じゃないなこの本。。 -
架空のR帝国が周辺諸国と開戦する。しかしそこにはR帝国幹部の陰謀と思惑が渦巻いている。
受け入れる国民、「抵抗」する人々…。
政治や戦争の歴史に疎い私には難しい内容でしたが、現代人の抱えている問題にリンクした部分が多々あり面白く読めました。
スマホを連想させる「HP」は人工知能が人類を越えて暴走するし、SNSにあふれる匿名の暴言により人々は流される…、
「教団X」でも言及されていたことですが、今も飢餓や貧困で人々が死んでいく世界を遠くから眺めて、我々は仕事に愚痴を言ったり恋に悩んだりしながら世界を肯定して笑っている。誰かの幸福は誰かの不幸により成り立っているという問題がくり返し出てきます。それゆえの陰謀だったり戦争だったり。人間の存在そのものが、そういうふうに(物理的な流れとして)出来上がっている。という説…
決してハッピーエンドではなく(ハッピーエンドになりようがない…)バッドエンドではあるが、だからこそ我々が大切に守っていかねばならないことが浮き彫りになっているように感じました。
文庫本あとがきで作者本人が「R帝国」の「R」について言及してくれているのだけど、読み終わってからその意味を知り、ぞっとしました。
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最後の展開、リピートするという加賀の言葉、どんな時代も多種多様な喜びの息を、ここで面白いなと思ったが途中まではラノベを読むような退屈さを感じた。
あえて分かりやすいように風刺したと作者はいうが、現実はこんな単純な陰謀がまかり通ってるのか?
色んな考えがあっていいと思うが、あまりに悪を単純化しすぎているし、20%のチンパンジーと揶揄されてるのはむしろそういった陰謀を信じてしまう人の方なのではないかと思う。
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