桂馬の高跳び 坊っちゃん講釈師一代記 (中公文庫 か92-1)

  • 中央公論新社 (2020年12月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784122070028

作品紹介・あらすじ

私は心底から講釈が好きなのです――。多彩な趣味と遊興に明け暮れた明治生まれの「若だんな」が、芸の道へと飛び込んだ。貞山・伯鶴・初代山陽ら名人の教えを胸に大戦を生き延び、戦後は講談界再興を目指して柔軟な改革と挑戦を重ねた。講談を愛し、講談に尽くした「革命児」二代目神田山陽の破天荒な一代記。〈解説〉六代目神田伯山/長井好弘

みんなの感想まとめ

講談師の二代目神田山陽の自伝は、彼の多彩な人生を通じて、講談界への情熱と改革の姿勢を描いています。若だんなとしての遊興から、戦後のアマチュア講談師としての活動を経て、講談界の風雲児となった彼の一代記は...

感想・レビュー・書評

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  • 講談師の二代目神田山陽の自伝。

    戦前、戦中はダンス講師、家業の書籍取次業等を経験し、戦後はアマチュアの講談師として活動開始してから、講談界の風雲児となり、その後多くの弟子(特に女流)を育て、講談界に大きな足跡を残した一代記は、単なる読み物としても面白い。

    著者も本書の終わりの方で記しているが、著者の大きな功績として古色蒼然とした講談だけでなく、艶話や立ち回りを取り入れた変わり種講談を広く認めたこと、女性を含む多くの弟子を育てたことが挙げられる。

    ちなみに、最近テレビでも見かける講談師、六代目神田伯山は著者の孫弟子にあたり、伯山の師匠(つまり、著者の直弟子)は人間国宝の三代目神田松鯉となる。

    そして文庫化した本書の発刊にあたっては、六代目伯山の尽力もあった模様。巻末に解説も書いていて、兄弟子の三代目山陽へ早く講談界に復帰して欲しい、と訴えかけているところに伯山の講談界をさらに盛り上げようとする意気込みが感じられた。

  • 二代目神田山陽の自伝 面白かった 伯山先生が後書き 満足した

  • 自分が好きなことをとことんやり抜く。それでも自分勝手にならず、受けた恩を忘れず、周りのことも考え行動する。
    こんな気持ちのいい人が講談で長年活躍して後進も育てていたんだなと知りました。桃李成蹊という言葉がぴったりな人だと思います。

  • 著者は、こんなにおもしろい人がいるのか、と思うほど魅力的な方。確かに六代目神田伯山の宣伝を聞いてこの作品を手に取ったけれど、好きな講談師が薦めてるからそう思うなんて範疇を超えた魅力的な人物一代記である。「芸能人」って本当にいるのね、と思える。特に若い頃の豪遊、散財っぷりの気持ちよさは不思議なものだ。お年お召してから書かれたからかもしれないけど、若い時のメチャクチャな生活の描写にもおっとりとした上品な雰囲気があって、惹かれるかわいらしさがある。男女、時代を問わず生き方に憧れを感じさせる方だと思いました。本当にこういう本が文庫で読めて良かったと思う、蔵書としよう。

  • 神田伯山さんがラジオで紹介されていたので読んでみた。面白かった。当時は、豪快な生き方をした人がたくさんいたのだなぁと思った。また、神田山陽(二代目)さんがいなかったら今の講談界はなかったのだということもわかった。

  • 講談と将棋に由来する(桂馬の高跳び歩の餌食)書名、今のわたしにピッタリだ。
    二代目山陽、おそるべし。書店の若旦那から身代を食い潰して講談を今に繋いだ人。この本を読んで昔と今を地続きで感じることができた。いつか本牧亭ならずとも講談定席の復活を切に願います。

  • p72=もともと下手の横好きの将棋熱がこうじ、店にあった定跡本や将棋新聞を見ているうち、本職の棋士に指してもらいたくなり、当時「将棋研究」という進歩的な個人雑誌を出していた人気棋士の金子金五郎七段(当時、大森在住)のもとに週いっぺん通うほど、夢中になり、それにあきたらず、牛込の山本樟郎七段や、芝の斎藤銀次郎八段らの自宅稽古から、ついには出稽古を依頼するまでになりました。
    そのうちに、ふとした機会で奨励会の少年を知り、店の奥座敷へ呼んで稽古してもらううちに、その少年が友達の棋士の卵を続々と連れてくるようになりました。
    そこで盤と駒をたくさん買って、奥の広間に盤をならべ、対局を見せてもらうことにしました。
    もちろん、全員に定額の車代を出し、勝った人同士トーナメントで優勝を競うのです。私は6級という資格でこのなかに参加しましたが、いつも二段くらいの人に角落ちならいい勝負するのに、トーナメント戦となるとだれも彼も強いこと。そこで初めて本職の実力を身にしみて味わわされました。

  • 芸人に節度を求める現代はつまらない
    平均的な芸しか生まれない
    一時代前には人間としてダメでポンコツな
    でも愛すべき職人的人々が楽しませてくれたのだと
    豊かな世界を見ることができます

  • 明治生まれの若旦那、張り扇片手に芸の道へ。講談を愛し、講談に尽くした「革命家」二代目神田山陽の痛快な一代記。孫弟子・六代目神田伯山による解説収録。

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