受難華 (中公文庫, き49-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.93
  • (3)
  • (8)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 85
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122070165

作品紹介・あらすじ

【壇蜜さん推薦!】

「時に奔放、時に貞淑。今も昔も、女はしたたかで刺激的な生き物なんです。」



井の頭公園で〈秘密の結婚〉に及ぶ照子、道ならぬ恋に胸を焦がす寿美子、結婚後に夫の秘め事を知る桂子。女学校の仲良し三人組の波瀾に満ちた恋愛と結婚、そして受難の果てに訪れる悟りとは――。大正末期に婦人誌で連載されて絶大な人気を博した、『真珠夫人』と並ぶ代表作。〈解説〉酒井順子

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 菊池寛ってなんとなくお固い作家なのかなーと思っていたけど、こんなドラマチックかつ可愛らしい恋愛小説を書いていたとは!
    3人娘の大正ロマンな言葉遣いを読んでいるだけで、エレガントな気分になって心地よい。
    寿美子が「恋愛以外にも、生活はあり、生活のあるところ、どこにでも欣びはあるのだ」という境地に至った後での「終曲」のエピソードが、一波乱ありそうでニクイ。これからも続く3人の人生に思いを馳せてしまう。

  • 結構展開もりもりなのに面白すぎて無理なく一気に読めた。女性雑誌に連載されていただけあって、一途に相手を求めるのはイケメン男性側。
    普通に当時の小説として読めば面白いんだけど、美人で、紳士なイケメンから愛されて、昼間ッから金使いまくって、現代に生きる女としての立場から見るとただただ羨ましくはある。でも彼女たちから見れば私の生活のほうが羨ましいんだろうなあ。
    途中若干寿美子が嫌いになりそうになった笑
    林の旦那、あんたが一等賞だよ

  • 女学校の仲良し三人組の恋愛と結婚に、思いもよらぬ試練が次々とふりかかる――。『真珠夫人』をしのぐ大正エンターテインメントの傑作。〈解説〉酒井順子

  • 女子校の仲良し三人組が女学校卒業後、幼なじみの許嫁との結婚、青年実業家と見合いで結婚、既婚者との道ならぬ恋を胸に秘め…と、三人それぞれが順風満帆とはいかない「受難」を経てたどり着いた先は――

    婦人誌に連載されてただけあって「最後はこうなるだろうな…」という予想通りの方向に向かいつつ、途中それぞれに襲いかかる不幸な出来事がドラマチックで、「えっ、どう解決するの? 落とし所は??」と思わせてくる演出と、スイスイ読ませる文章で面白かった。

  • 帯が「真珠夫人」をしのぐ!とうたっているので、もっとドロドロしたものかと思ったけど、全然そんなことはなく読みやすかった。
    登場人物がみな、少し滑稽で可愛らしくて読みやすかった。
    林さんが報われていちばん嬉しい。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

「2023年 『芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

菊池寛の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×