新装版 五郎治殿御始末 (中公文庫 あ59-8)

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  • 中央公論新社 (2021年4月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784122070547

作品紹介・あらすじ

あの爺様はの、みなに笑うてほしかったのだ――。


人生に、そして時代に決着をつけた侍たちの「終活」とは?


『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、感動の時代小説短篇集。




激動の明治維新期。突如「武士」という職業がなくなり、行き場所をなくした岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決める。やがて訪れる最期の時。町人として明治を生きる孫に、五郎治がのこしたある遺品とは。人生、そして時代に始末をつけた、侍たちの物語。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。

みんなの感想まとめ

激動の明治維新期を背景に、時代の変化に翻弄される侍たちの苦悩と覚悟を描いた短篇集です。主人公の岩井五郎治は、武士という職業を失い、遺された孫のために命を賭ける決意を固めます。本作では、士農工商から四民...

感想・レビュー・書評

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  • 明治維新によって武士の時代は終わった、とはいえ、急に今日からいろいろ変わります、なんていわれたところで代々続いてきたものの変化についていけるわけもなく。
    外的内的変化にとまどい、価値観と自分の存在自体を扱いかねる人々の6つの物語たち。
    髷を切り、刀を捨て、着物を脱ぐ。新しい世界に早々と馴染んでいく者たちと、右往左往し続ける者たちの違いは、それまでのこの国の中心からの距離によるのかもしれない。暦や時間の感覚という多分すぐに慣れていく変化と、それまで自分という存在を支えていた核さえ捨てねばならない変化、「武士」という鎧によって強いられ守られてきた己の存在価値から解き放たれた者たちの寄る辺なさが切実に描かれる。
    「椿寺まで」で咲き続ける希望を、「五郎治殿御始末」で散る美しさに涙する。攘夷と佐幕。負けた者たちの来し方行く末が胸に迫る。

  • 江戸から明治へ。士農工商から四民平等へ。藩から県へ。
    変わったのは名称や身分だけではない。
    西暦、時刻の概念など、本作を読まなければ「そういえば」とすら気づけなかった怒涛の変化。
    そんな目まぐるしい変化に置き去りにされた侍の苦悩や適応が、短編ながらも読み応えたっぷりで描かれています。

  • 初の浅田次郎作品。柘榴坂の仇討ちを人に勧められて読んでみた。全編が維新に「置いていかれた」男たちの物語で、新しい道を探して時代に食らいついていくか、自身の矜持を胸に時代と共に去っていくかをテーマにした男の背中の物語

  • 腕時計が好きなので、暦やブレゲが出てきて嬉しかった。
    表題の五郎治殿御始末は泣きました。解説も良かったです。
    大きなことはできなくても、せめて子や孫に苦労がないようにしたい。

  • 短編集。標題作ほか6篇。
    長く続いた武士の世に見切りをつけて、開国、近代化の世へと踏み出すには、どれほどの覚悟、始末があったのか
    無私無欲を心情として身命を賭して尽くしてきた武士道の精神がかつてはありました。子や孫にこの苦労を残してはならないという武士がかつてはいて、この日本を作り上げたとしたら
    今の日本をみてどう思うのだろうか。

  • 曜日や時間になった件は、もっと知りたいです。

  • 幕末から維新の、価値観が大変動した時期に生きる武士たちを描いた短篇集。以前に「お腹召しませ」を読んだことがあったが、この価値観の大変動というのは浅田次郎お気に入りのテーマらしく、太陰暦から太陽暦、「刻」から時分秒、仇討ちから刑法へと変動する価値観に翻弄される武士の生き様をテーマに一編の小説として仕上げる手腕は流石のもの。まあ、面白いというほどのものではないが、旅のお供に調度良かった。

  • 明治維新期、武士という職業がなくなり行き場を失った岩井五郎治は、遺された孫のため命も誇りも投げ出す覚悟を決め…。人生、そして時代に始末をつけた侍たちの物語。

  • 浅田次郎ならではの文調で、読者を感動させる。
    武士の生き様を余す事なく、描いた表題は秀作である。今をときめく後書きの磯田道史氏のコメントは、日本史における武士の盛衰が理解できる。

  • それぞれの主人公達の魅力溢れる物語。良作です。

  • ※2006年?購入、これより旧版
     2006.4.14読書開始
     2017.5.6BookOff売却済み

  • 明治維新期、「武士」という職業が無くなり行き場を失った五郎治は遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を・・・。表題作のほかに全六編の時代に始末をつけた侍たちの物語。

  • 武士という職業が消えた明治維新期、行き場を失った老武士が下した、己の身の始末とは。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを収録。〈解説〉磯田道史

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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