女が死ぬ (中公文庫, ま51-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 357
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122070707

作品紹介・あらすじ

〝あなたの好きな少女〟には、死んでもならない。清楚、母性、包容力……身勝手な幻想から私たちの心身を取り戻す50篇。シャーリィ・ジャクスン賞候補作!

感想・レビュー・書評

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  • 「週刊少年ジャンプの各漫画一話が山手線一駅分の量に設定されてる」みたいな、一つの話が短い掌編集(ショートショートよりも短い話を指すんですね)

    なので、ミントタブレットを口に入れるかの如く電車待ちの空き時間で一話ずつ読んでいく。

    掌編に馴染みがないので、瞬間芸みたいなのもあり戸惑いつつスラスラと読んでいく

    …そのうち、気軽に読むとなかなかそぐわない「言葉が先行して印象が固定されてしまうモノについて、ジェンダーのこと」などのテーマに触れてくる。(タイトルからしてそうなんですが)

    コレがなかなか頭の中に残り続ける。(お土産でもらった海外のミントタブレットでなんの味かはよくわからないけど残る…)

    表題作の「女が死ぬ」を読み、あぁコレは私も男で、このタイトルとあらすじに惹かれて買ってよんでしまったのは、もう「女性」についてのテーマの中にその時点で取り込まれているな…悪いことをしたような気分になる。

    「おじさんが死ぬ」「少女が死ぬ」「少年が死ぬ」「男が死ぬ」だったら読んでたかな…読んでたか

    そのうち出てくる登場人物の名前も、男なのか女なのか何を持って判断したらいいかわからなくなったりしてる。
    概念を逆さまにしたり、言葉の意味が変わるまで変化を加え続けたり

    巻末にある著者の「一言解説」に答えを求めてしまう自分が悲しい。でも解説が面白かったりする。新鮮な体験でした。

    「ワイルドフラワー」と「若い時代と悲しみ」が別の話なのに繋がっているように読めた。

    読んでから
    他の立場に立つことを考えてる。
    女の描く男、男の描く女、それも古くてLGBTも含めたり、白人の描く黒人、黒人の描く白人、地球人の描く宇宙人、宇宙人の…

  • シャーリィ・ジャクスン賞ノミネートということ、Twitterで紹介されていたのをきっかけに読む。あまり詳しくないのだが、アンソロジー「居心地の悪い部屋」やケリー・リンク「マジック・フォー・ビギナーズ」など最近のアメリカの小説のスタイルで書かれたショートノベルのよう。ステレオタイプを列挙してひっくり返すような、批評的要素の大きい描写で、表題作の導入部分などそういう面で面白いのだが、もうひとつ突っ込んだ「味」やオリジナリティについては、前掲のアンソロジーなどの作家と比べるとやや乏しい。スタイルに流されてしまっている面がおおきいのかもしれない。

  • 松田青子の新しい文庫が出てるわーと本屋店頭で何も考えず購入後、ふと裏表紙を見ると「『ワイルドフラワーの見えない一年』より改題」の文字。えーそれもう読んだやつ!

    まあいいや。というわけで、もう1回読む。感想は単行本のほうに結構ながながと書いてしまったので(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/4309024920)こちらでは割愛。

    文庫にはあとがき代わりに、著者ひとこと解説がついてるのでこれは嬉しかった。『無敵の未来大作戦』というマンガに「痴漢が嗅ぐと死ぬ香水」というものが出てくるそうです。読んでみたい。

  • 文庫本で松田青子が読めて嬉しい。

  • 「女らしさ」が、全部だるい。天使、小悪魔、お人形……?あなたの好きな少女?を演じる暇はない。シャーリイ・ジャクスン賞候補作含む53の掌篇集。

  • よく分からんものも多数あったけど、我々を苦しめてきたバイアスよさようなら!って感じで気持ち良かったです。

  • 松田青子さんの好きな物や人たちがちりばめられた奇想の数々にハッとさせられる。こんなに見たことないアイデアばかりの掌編集はなかなかないと思う。
    作品によっては結構フェミ感が強くて、男性には男性の辛さもあるのでは?と感じたところもある。
    だけど女性であるだけで背負わされる苦痛や屈辱の重さを晴らす目的を考えると、これくらい皮肉たっぷりに怒りをこめて、しかもひとひねりして洒脱に書いてくれる小説は絶対必要だと思う。
    特に「少年という名前のメカ」「ボンド」「男性ならではの感性」が好きだった。

  • 帯に惹かれて買ったので、読み進めるごとに面食らってしまった。
    巻末の著者ひとこと感想と共に読んだ。ふらっとした1冊だった。

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著者プロフィール

松田青子

一九七九年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。二〇一三年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、一四年にTwitter 文学賞第一位となり、一九年には『ワイルドフラワーの見えない一年』収録の「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。その他の著書に『英子の森』『持続可能な魂の利用』、翻訳書にカレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』、ジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』、カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』(共訳)、エッセイ集に『ロマンティックあげない』『じゃじゃ馬にさせといて』などがある。

「2021年 『女が死ぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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