- 中央公論新社 (2021年6月23日発売)
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感想 : 16件
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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784122070837
作品紹介・あらすじ
ロンドン出身の優柔不断な中年男・アーチーと、バングラデシュ出身の誇り高きムスリム・サマード。第二次大戦で親友となったふたりの半世紀にわたる友情を軸に、地理的にはヨーロッパからインド、ジャマイカ、時間においては19世紀末から現代までを、自在に行き来しながら物語は進む。
異なる信仰や文化をもつ家族に加え、イスラム原理主義者、エホバの証人、動物愛護主義者、遺伝子工学者、園芸家、フェミニストのレズビアン、などさまざまなキャラクターが登場し、混沌としたリアルな世界を描き出す。
“21世紀のディケンズ”と称されたジャマイカ系イギリス人作家が、ロンドンの移民家族をまきこむ、歴史、信条、言語、世代、遺伝子の差違が招いた悲喜劇を、過激でユーモラスに描いた傑作長編小説。分断と不寛容の広がる時代に新たな光を放つ、渾身の大作。待望の文庫化。
みんなの感想まとめ
多様な文化や信仰が交錯する現代社会を舞台に、友情や家族の絆、アイデンティティの揺らぎを描く作品。異なる宗教やイデオロギーを持つキャラクターたちが織りなす物語は、時に混沌としながらも、リアルな人間模様を...
感想・レビュー・書評
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驚嘆すべきデビュー作「ホワイト・ティース」など小澤英実が薦める新刊文庫3冊|好書好日
https://book.asahi.com/article/14423750
ホワイト・ティース(下)|文庫|中央公論新社
https://www.chuko.co.jp/bunko/2021/06/207083.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここ数年読んだ本の中で、最も置いてけぼりを喰らってしまった作品となりました(苦笑)
様々な宗教や、科学主義、動物愛護主義などのイデオロギーが話の中に入りまじり、さらには登場人物たちの人種間の断絶、移民、移民2世の人々たちのアイデンティティの揺らぎや、寄る辺なさが登場人物の行動や思考に影響し、物語はさらに混沌とした中に突き進んでいきます。
いうなれば闇鍋に近い感覚。著者はものすごく頭がいいのか、上記したようなテーマが、物語や登場人物たちの思考や生き方にどんどんと注ぎ込まれていくので、鍋の色も味も混ざり合い、気が付けば理解しきれないものになってしまった、そんな気持ちです。
話としては文化や宗教といった教養や、小説の舞台であるイギリスの雰囲気を知っていれば、もっと読み解けたし、たぶんところどころで笑えたのではないかなと思います。そういう意味で、自分にはちょっと難しい小説でした。
ただこの小説が現代を反映しているように感じられることも確か。
宗教や人種、移民と移民の受け入れ国の国民の間での対立は、時代を経てもなお燻り続け時に爆発します。
さらにコロナによってワクチンと反ワクチンというような科学をめぐっての対立も、より鮮明に映し出されるようになりました。
理解できたとはとても言えないけれど、これほどまでに、異文化が混ざり合った小説が世界に必要とされているということは、ひしひしと感じました。 -
下巻では、上巻で活躍したアーチー、サマードの子供たちが、誰一人親の望むようには成長せず、関係し合い、主張して、対立する。
本書のキャストが全員そろってもつれこむラストまで、それぞれ全く歩み寄らない。全員とんでもなく生きづらそうではあるものの、人間臭さが魅力的で、多様性について考えさせられる。
最終章のアーチーに、結局人を繋ぐのは、理屈を超えた本能的な、あるいは偶然の結果による、人を助ける行動なのかなあと思う。上巻の冒頭で命を救われたアーチーが、下巻の最後に人の命を救う展開が美しい。
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予想を超えてサスペンスに満ちた後半。大団円になるかと思いきや…、さらに予想を超えたエンディングにビックリ。
個性的な、濃いキャラの登場人物一人一人、それぞれのその後について全部小説で読みたいくらい、各人物の歩んできた背景やその後を想像してみたくなる。 -
下巻になると上巻の二人の娘や息子が主人公になる。ジャマイカやベンガルの文化的背景だけでなくイギリスの文化の影響、青春の迷いや欲望、麻薬やアルコールなど様々な小道具で話が進む。何に向かって進むかというかより、どのように物事は展開するのかという微分に重きが置かれているように思えた。20代前半に色んな文化的背景を持つ様々な登場人物の心理をこれほどまでに巧みに描いた筆力に脱帽。
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バングラデシュ系移民とロンドン下町育ちの2人のオッサンの数十年にわたる友情を軸に,それぞれの妻(ヒンズー系とジャマイカ系)と息子,娘たち,白人(ユダヤ系)とその家族,イスラム系過激派,過激動物愛護団体が絡み合い,最後に1992年の大晦日に臨界点に達する.
様々なルーツを持つ人達は決して理解し合っていないのだが,それでも友情が続いて,「わかり合わなくてもわかり合える」ということがテーマになっているように思う.
同じインド系でもバングラデシュ系(イスラム)とデリー生まれ(ヒンズー)は違っており,そのあたりの微妙なすれ違いも描かれているようなのだが,残念ながら自分はそれほど深く理解していないので,作者の表現したことを100%理解しているとはいいがたい. -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50246624 -
この話を読んで、移民の苦悩に初めて想いを馳せた。
また、イギリス人の気質も知ることができて、ためになる一冊であったとともに、
ユーモアで斬新な表現の虜になった。 -
★★★★★ 当時の混沌としたロンドンがここにはある。まとめることも同化することも必要ない、そういう共同体での生活は確かに苦労をするんだけど、その苦労こそがコミュニティの意義であり強み。
(英語で読了) -
非常に面白かった。この作者の本をまた読みたい。
「行け、若いの!」アーチーは心の中でつぶやいた。 -
読む人によって注目する場所が異なる、多面性をもった作品だと思う。私は二世になってからの話がおもしろくて、ルーツやアイデンティティの話だと思った。子ども達がアイデンティティの危機を迎える時、同時に親もまたアイデンティティの危機を迎えている。
ただ、そんなルーツや、ルーツから成り立つアイデンティティを蹴り飛ばすような感じがあって、後書きにある「内にも外にも蹴りを入れるこの姿勢」とはまさに。マイノリティーとされる人々を扱うだけでなく、マイノリティー同士の差別感情や「自分たちの文化」への執着にまで切り込んでいくし、極端な人が大勢出てくるのに、みんな一生懸命なものだから、全体を通してハートフルな作品になっているから不思議。
物語自体は、日本で生まれ育った日本人にはなかなか身近な状況とはいえないのかもしれない。それでも、いわゆる自分とは異なる人々というのは、ここに描かれた人達だけではないはずで、日本でももっと読まれてほしい。 -
絶版となっていたものが2021年に文庫化されたというが、この名作が読めない状態だったのか!古さがない、というコメントを見かけたが、出版されたのが2000年。自分にとっては同時代の文学、現代の文学だ。人種に移民、宗教はイスラム教もヒンドゥー教もエホバの証人も、階級、世代、イデオロギーに過激思想、現代の社会と地続きの様々な衝突。アーチーとサマードの親世代から、マジド・ミラト・アイリーの子世代へ、複雑さは加速度的に増す。これだけ「全部入り」なのにとにかく面白い。めくるめく展開、巧みな語り口で大好き。
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九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1381218 -
なんとなく読んだ上巻に続いて、下巻ははらはらどきどきしながらいったいこの物語はどこに向かうんだろう、どうやって収拾させるつもりなんだろうと感じながら読み切ってしまいました。読み終わってみて、これはも一度、原文で読みたいなと思わせる作品でした。恥ずかしながらこの作家について全く知らなかったのだけれど、この作品は発表後20年たった今、本当の意味での多様性とか共生について語っているのだと感じました。これでいいとは思いませんけれど。
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恐らく世界的な名作。現代をこれほどうまく捉えた小説は少ないだろう。話の内容は若干付いていけないほど混乱しているが、作者の主題がハッキリしているので読んでいて迷わない。読後の印象はサルマンラシュデイの真夜中の子供たちと、かなり似ている。それだけの傑作だと思う。
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アーチーの娘・アイリーとサマードの息子・ミラトとマジドは、遺伝子工学者のチャルフェン家と関わり、新たな問題の渦中へ。多文化社会の困難と希望を描く傑作小説。
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著者プロフィール
ゼイディー・スミスの作品
