どくとるマンボウ医局記 新版 (中公文庫 き6-18)

  • 中央公論新社 (2021年7月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784122070868

作品紹介・あらすじ

「航海記」前夜、慶応医学部神経科での疾風怒濤の医局員時代を描く。没後10年に新装改版し、武田泰淳との対談「文学と狂気」を収録。

みんなの感想まとめ

医局員時代の経験を通じて、精神医学の発展や医療現場のリアルな姿を描いた作品は、ユーモアと深い洞察が織り交ぜられています。著者は大学病院での無給の徒弟奉公を経て、精神病院での厳しい現実に直面し、様々な個...

感想・レビュー・書評

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  • 著者、北杜夫さんの慶応病院神経科時代の医局のひどさ、その後の山梨県立精神病院時代の患者のことなどが書かれている。

    昔は精神病について、専門家ですら未知のことが多く、ましてや世間の理解は得られていなかっただろうし、著者自身も面白おかしく書いたつもり、読者も軽く読み飛ばしていたのかもしれないが、今の時代なら、即アウト!と思われる内容が多く、笑えない。
    でも、病院名を出して、ここまで書いていること自体、著者は勇気があるというか、ある意味、超越した存在だったのかもしれない。

  • 私は大鬱になって呼吸をするのも苦しい状態も体験した。自律神経の失調も起こし、下痢をしたり便秘をしたり、或いは急に暑くなったり逆に寒けを覚えた時もあった。しかし、どんな鬱でも時期がくれば必ず治ると確信してじっとしている。これを私は虫の冬眠と称している。これだけは世間の人は私を見習っていただきたい。なにしろ精神科医にして、同時に患者でもあるこの私が言うことなのだから。

    鬱になった人間に、これほどに説得力があり心に響く言葉は他にないだろうと思う。
    この先また鬱になることもあるだろうけど、この言葉を思い出したい。

  • 『青春記』(1968)と『航海記』(1960)の間を埋める。でも、1993年(66歳)の出版だから、著者の躁鬱も相当進んでいる。
    26歳で大学卒業、医師免許をとって、大学病院に医局員として勤務。なんのためかと言えば、勤めながら博士論文を書きあげ、ドクターをもったドクターになるため。でも無給。一種の徒弟奉公。東京の病院勤務だけかと思ったら、山梨の病院にも1年間の出向。
    時代は1950年代後半。精神医学ではやっと薬物治療が登場しつつあった頃。電気ショックやインシュリンショックも行なわれていた。それに精神分析もまだ幅をきかせていた。医師として北杜夫がそうした状況をどう見ていたか、それも興味深い。
    個々の文章はひじょうに論理的。いいことも言っているし、格言や警句にしたいものもある。ところがそれらをつなげると、?! でも、俯瞰すると、不思議なことに、全体が魅力的に輝いて見える。もちろん、登場人物たちがみな個性的で魅力的なのは言うまでもない。
    文庫の解説を書いているのは、医局の同僚のなだいなだ。彼の「正常な」文章が締めくくる。読後感がすこぶるいいのはそのせいかも。

  • 読みかけで手放しました。面白そうだけどちょっと精神科の話はあまり要らないかな、今はそう言う気分じゃない、それだけです。

  • 昔読んだことがあると思ったのだが、内容を全く覚えていなかった。それだけに新鮮に読むことができた訳であるが。
    どくとるマンボウシリーズなので、いつものユーモアあふれるエッセイを想像したのだが、本作はちょっと雰囲気が異なる。
    いや、最初の方はそんな趣で、医局にはこんなにも変人が多いのかと驚いたところである。
    しかし、山梨県の精神病院に赴任した後の話になると、俄然内容に重みを増してきた。精神病者の症状にも驚くが、彼ら彼女らに対して医師や看護師も真摯に対応するのだが、一筋縄ではいかない。なかなか大変な仕事である。
    現在の大部分の精神病院の状況は違っていると思いたいのだがどうなのだろう。それにしても、なぜ人はこうまで壊れてしまうのだろうか。
    北杜夫氏は自身が躁うつ病であることを喧伝していたが、それは世間の人に精神病者に対する偏見を除きたかったからということを初めて知る。

  • マンボウの由来が丁寧に書かれていて面白いです
    ところどころで支離滅裂に感じますが、内容と合っているので
    より楽しめました

  • 『どくとるマンボウ航海記』前夜、白い巨塔の片隅で怪気炎を上げるマンボウ氏の新人医師時代。新たに武田泰淳との対談「文学と狂気」を増補。〈解説〉なだいなだ

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著者プロフィール

北 杜夫(きた・もりお):1927(昭和2)年東京青山生れ。旧制松本高等学校を経て東北大学医学部を卒業。神経科専攻。60年『どくとるマンボウ航海記』がベストセラーとなり、また同年『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。『楡家の人びと』(毎日出版文化賞)、『輝ける碧き空の下で』(日本文学大賞)、「茂吉四部作」で大佛次郎賞受賞。純文学からユーモア小説、「どくとるマンボウ」シリーズなどのユーモアエッセイ等で幅広い読者を得る。2011(平成23)年逝去。

「2026年 『父っちゃんは大変人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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