三千円の使いかた (中公文庫 は74-1)

  • 中央公論新社 (2021年8月20日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784122071001

作品紹介・あらすじ

垣谷美雨さん 絶賛!


「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」




就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?



知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

感想・レビュー・書評

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  • 祖母、母、娘2人と三世代の、お金にまつわる6話の連作短編集。

    初著者作品。
    書店徘徊中、本作文庫本の表題名が目にとまった。

    【三千円の使いかた】

    やがて、猛烈に内容が気になり、1,000円を握りしめて購入するに至った作品。

    貯金然り、浪費然り、節約然り、投資然り。

    お金の貯め方使い方が、それぞれ登場人物の年代や環境ごとの悩み・考え方から、マネーハックまで描かれていて楽しめた。

    冒頭で祖母は言う。
    『三千円の使い方で人生が決まる』と。

    今の私の三千円の使い方はというと
    1,800円→本
     700円→子どもの物資
     500円→貯蓄

    ふむ。自己投資もあり、善き按分な使い方ではないだろうか。

    ちなみに1年3ヶ月前の私の三千円の使い方はというと
    2,500円→酒
     500円→子どもの物資

    はあ。無趣味が相まった、愚かな使い方であった。

    ラストで祖母は言う。
    「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。」と。

    同意。目的は明確に。利活用は計画的に。

    • akodamさん
      おのぴーママさん、はじめまして。
      こちらこそ「いいね」とコメントまでいただきありがとうございます。
      おのぴーママさんのレビュー、いつも拝読す...
      おのぴーママさん、はじめまして。
      こちらこそ「いいね」とコメントまでいただきありがとうございます。
      おのぴーママさんのレビュー、いつも拝読するたびに本が好きで楽しんでらっしゃる気持ちが伝わってくるので私も楽しませていただいてます。特に阪急電車のレビューは私も大阪出身で利用してたので「おっ!」と思いましたσ^_^;

      私の本棚の愛しい作品たちを、是非連れて行っていただければ嬉しいです。また、私のレビューに楽しみを感じていただき嬉しいです。またいつでも遊びにいらしてください。

      「鎌倉うずまき案内所」はブク友さんにご紹介いただいたもので、私はまだ通読に至っていないのですが、私も気になっています。こちらこそこれからよろしくお願いします^ ^
      2022/05/17
    • おのぴーママさん
      akodomさん
      お返事ありがとうございます♡
      「阪急電車」素敵なお話ですよね。阪急電車だからこそのシチュエーション、久しぶりに映画も観てみ...
      akodomさん
      お返事ありがとうございます♡
      「阪急電車」素敵なお話ですよね。阪急電車だからこそのシチュエーション、久しぶりに映画も観てみたくなりました。
      実は、ブクログへの投稿はムラがあって、なかなか書けない時もあり…なので、気長にお付き合いください。
      また、読書する楽しみがひとつ増えました。これからもよろしくお願いします(*´˘`*)♡
      2022/05/17
    • akodamさん
      おのぴーママさん
      こちらこそありがとうございます♪

      引き続きワクワクするレビューにお付き合いさせてください。こちらこそ今後ともよろしくお願...
      おのぴーママさん
      こちらこそありがとうございます♪

      引き続きワクワクするレビューにお付き合いさせてください。こちらこそ今後ともよろしくお願いします!
      2022/05/17
  • 原田ひ香さんの作品は初めて読みました。マハさんは何冊か読んだんですが(笑)

    発売からかなり時間が経ちすでに文庫版も出版されているのに図書館で予約数が多く人気だったので予約後、数ヶ月待ちようやく読めました。

    新NISAなんかも始まったり、老後資金が気になる年代にもなってしまったりで個人的にいろいろとマネーのことを勉強しています。そんな事情もありタイトルにも惹かれました。

    御厨家の若き姉妹、美帆と真帆と姉妹の母智子、父方の祖母琴子を中心とした市井に生きる人たちのお金にまつわるストーリーです。

    劇的なことが起こるわけではないですが、長い人生を歩んでいるとなんだか実際に起こりそうなことが作中描かれています。妙にリアルさを感じたのは著者の筆力のなせる技なんでしょう。

    私は男性ということもあり、主人公の四人の女性はさることながら気になる存在は小森安生ですね。学歴はそこそこ高く教養はそれなりにあるのに定職につかずほぼプー太郎。バイトで貯めた金で国内外を放浪し安く生きる男。なぜだか女性からモテる。
    私とはほぼ共通点がない。だからこそ少し羨ましくもある。安生のその後が気になってしかたありません。きなりとはその後どうなったのか。ひ香さんには安生のその後のスピンオフとか書いてもらいたいぐらいです。

    ま、たかがお金、されどお金ですね。今後の人生プランを立てる上で参考になりました。




  • 私は今、簡単な家計簿をつけている。
    お金を節約しながらも効果的に使うためである。
    子ども達が小さい頃からそうだった。
    給料はさほどなくても、北海道をはじめ旅行に出かけた。子ども達に広い世界を大自然を見せたかったから。早い時間に出発したり、時期を外したプランを探したりして、時間もお金も効果的に使おうと努めた。もちろん今も同じだ。
    でも、この小説はあまり響かなかった。『73歳のハローワーク』は面白かったけど。
    最後の話もよかったな。「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。」たかが3000円、されど3000円。娘達も、それが分かる人をパートナーや友人に選んでくれてら嬉しい。

  • 御厨家の女性たちの6編の短編で全てお金にからむ話。

    人生のそれぞれの段階で直面するお金の話で、考えさせられる場面が多かった。

    しかし安生はなぜモテるんだろう?
    まあ、それが分からないから今の自分なんだろうけど。

  • 想定とは違っていた。
    お金にまつわる6編からなる短編連作。
    御厨家の祖母、母、娘がそれぞれの世代で、身近なお金の問題をそうだよな。って思いながら読み進みました。

    ■三千円の使い方
    独身の美帆の物語。
    三千円をどう使うか?
    節約に目覚める話ですね。
    8×12の魔法の数字で年間100万円をためる。なるほど!

    ■七十三歳のハローワーク
    祖母の琴子の物語。
    老後の費用、年金、そして、仕事へのモチベーション。
    とてもポジティブなおばあちゃん(笑)

    ■目指せ!貯金一千万!
    主婦の真帆の物語。
    主婦としての節約、早くして専業主婦となった彼女の悩み。その悩み、あるあるって思います。

    ■費用対効果
    安生の物語
    こんな男と娘を結婚させたくはない!って思います

    ■熟年離婚の経済学
    母、智子の物語
    熟年夫婦の悩み。病気、老後の心配。そして、離婚した場合のお金の分配。

    ■節約家の人々
    美帆の結婚をめぐる物語。
    結婚相手は奨学金で500万もの借金を持つ男。そして、経済観念がちょっと違う家庭。
    結婚するのか?両親は許すのか?

    さて、自分自身振り返って、やっぱり気になる今のお金。老後のお金。貯金と今の生活のバランス。これからかかる様々なお金。

    こうして、本書を読むことで、我が家の経済を一度振り返るのは良かった!

  • いつもはダイレクトに感想をここに書くのですが、ふと手もとのノートに書きつけてみたところ、いつもと違う感覚、感想がするすると出てきてびっくりしました。その感想はここには秘しますが、大変良い連作短編集でしたね。うまく話がまとまって、それでも工夫して、日常を生きて行こう、となってよかった。解説の垣谷さんのおっしゃる通り、ときおり再読した方がいい1冊でした。

  • キャッチーなタイトルに前々から惹かれていて、手にとって読むことにしました。
    「人は三千円の使い方で人生がきまるよ」
    この本を買って大正解、折に触れて読み返したい本でした。

    この本には、老後の資金、結婚、育児、就職など様々な場面で具体的な数字をあげて、いくら必要で、どう選択して生きていくのがよいか登場人物に突きつけます。時に悩み時に決断しながら生きていく姿が描かれます。
    自分事として身近に感じられ、身をつまされる思いになります。もうドキドキで読みすすめていきました。
    そんな私ですから細かなお金の計算が苦手で、妻が長けているので助かっています。

    幼い頃から自分でご飯を食べれるようになりたいと思ってきました。また、大ケガもしたので人生いつ何があるかわからないと思ってきました。
    だから、自分で人生を選んで生きてきました。
    学生時代のよかったことはお金があんまりなくても人生を楽しく生きられることがわかったことです。
    釣りやピアノ、柔道は初期投資すればあまりお金がかかりません。読書は最高の趣味です。
    これは大きかったです。

    そんな私の20代は、たくさんの専門書を読んで勉強し、小説よりもノンフィクション。休日は柔道の町道場でボランティアでコーチをして過ごしていました。独身実家なのに貯金はあんまりありませんでした(汗)コスパわるっ(大汗)
    でも、いまが将来に繋がってると思うと、自分が「何者」かになっていくためと考えるとコスパ度外視で自分に投資していた……と思うことにしています。
    完全に本書からは逆行していますね(汗)。

    そして結婚して子どもができても、折に触れて読書は続けています。時に他人と比べて、焦ったり、羨望の眼差しを送りたくなることもありますが、実は他人の庭の芝は青く見えることもまた真実だと思います。みんないろいろなことを抱えている、自分だけじゃないと思える。そうすると「自分は自分」だと揺らぎながらも何度もこの気持ちにたち戻ります。

    また、本書ではこうも言います。「お金や節約は人が幸せになるためのもの。それが目的になってはいけない。」そうした日々の幸せを考えながら人生の様々な場面について考えられたので、すごくよい本でした。

  • 「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」
    この言葉をきいてまず、「私だったらどう使うだろう?」と考えました。多分、本に使うと思います。
    三千円は子供の私からしたら高い金額だけど、これが安いと考える人もいる。
    この本は時々思い出してぱらぱらと読んでみるといいかもしれません。一生とっておく価値のある本です。

  • お金は切っても切れない物ですからねぇ…
    ってお話です

    お金が全てじゃないけど
    お金が解決したり
    お金が人を助けたりするのは事実

    問題は使う人間次第ですもんね

    読んでて、色々勉強にもなり、色々反省も出来ました

    本棚に入れといて損は無い一冊です(/ロ゜)/

  • 原田ひ香さん(1970~)の作品、ブクログ登録は2冊目。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    垣谷美雨さん 絶賛!

    「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」


    就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?

    知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

    ---引用終了


    現実的すぎる作品ですねえ。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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