大人になったら、 (中公文庫 は 75-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.72
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本棚登録 : 3774
感想 : 211
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122071711

作品紹介・あらすじ

三十五歳の誕生日を迎えたメイ。「いつから彼氏いないんですか?」「何が目標なんですか?」――失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど……。久しぶりの恋に戸惑う、大人になりきれない私たちの恋愛小説。<解説>渡辺雄介

感想・レビュー・書評

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  • 終盤の展開はときめいた〜〜
    すごく丁寧にメイの心理描写がしてあって、感情移入しまくり。
    向上心って言われても、だよね。わかるわかる。
    考えさせられるという感じではなく、サラッと読めるドラマみたいだった。

  • 最高の読後感でした!
    主人公のメイちゃんが悩む姿が自分と重なり、共感して切なくなったり、応援したり、自分もまるで本の中で一緒に過ごしているようでした
    大人になったら、難しくなることもたくさんあるけど‥だからこそうまくいくこともきっとある♡

  • この作者さん、この前に読んだものは今ひとつだったけど、今回は良かったな。

    葛城 命(カツラキ゛メイ)、35歳。
    父は彼女が大学を卒業した日に出奔し、母はその後に病死、親しい親族はなし。
    高校生の時から10年間付き合っていた彼に振られてから彼氏はなく、誰かを好きになることはないと思っている。
    愚痴をこぼせる友だちは高校からの付き合いの二人で、独身婚活中のみっちゃんとパソコンオタクだった(今はIT系の会社の専務の)大ちゃん。
    チェーン店のカフェの副店長で、店に配属になった新卒男子の教育に手を焼きながらも、常連さんには好かれ、仕事はまあ順調。

    そんな彼女の独白でサクサク進む話は、人を好きになる気持ち、子の親に対する気持ち、仕事に向き合う気持ちなどが語られ、自分はどうだと考えさせられる。
    そしてそこから、世の中で言われる“普通”ということとか、人生における決断やその歩き方などにも思いが飛ばされていく。
    女だからと同情されて甘えていいことではないと札幌への転勤を受け入れたり、東京を離れる前にかつて住んだ街を訪ねる気持ち、高校生のころから何も変わっていないと子どものように悩むところや『相手のいいところ以上に、悪い部分を受け入れて、支え合っていきたい。そう思えることが恋なのではないだろうか』とひとりの女性として思うところなど、私とは年齢も性別も境遇も仕事も立場も全く異なるけれど、その強さも弱さも昭和なところも彼女の気持ちになんだかとても共感した。

    羽鳥先生は常識もなくちょっと気色悪いところもあって大丈夫かなと思うけど、『メイが誰かを好きになるなんて、ないことだったから』というみっちゃんと同じ気持ち。
    メイ自身『常識的で普通とされている家族を築くことよりも、大切なことがある』という思いだものね。

    行きつけのバー・ストロボのマスターの『今も、妻に恋をしているんだ』という生き方も格好いい。

  • 本屋さん徘徊中、書影とタイトルに惹かれなんとなく手にとった作品「大人になったら、」。あらすじもちょうど同年代。
    たんたんと書かれる30代独身女性の日常がリアル。メイちゃん真面目だなぁ。
    メイちゃんとは全然違うタイプなので、終始友人の話を聞いている感覚でしたが、女性ならではの共感ポイントが詰め込まれていた。
    終わり方が良かった。穏やかな結婚生活が送れそうな二人。

  • 大人の恋愛小説だけど、おしゃれすぎないところが親近感を抱きやすくて読みやすい。
    読後感もほんのり絶妙なあたたかさと余韻が漂いました。

  • みんなそれぞれが大人であって子どもみたいなところもあるのがとても可愛らしく、気持ちに
    寄り添える感じがとても心地よかったです。

    主人公のめいちゃんの周りにいる人達も
    それぞれみんな素敵なキャラクターで
    温かくて…

    毎日毎日を頑張っていると本当にあっという間に一日1か月一年が過ぎて、気持ちの方がついていってないとき、私はこれからどうなっちゃうのかなぁ。と漠然と不安がおそってきたり、
    誰かの何気ないひと言で、
    なんとかなるわーって気楽な気持ちになったり…
    みんな同じなのかなぁって思いました。
    ちょっぴり恋で一皮むけた
    めいちゃんのこれからも、もっとみていたかったです。

  • 著者の初読。
    最近続けてミステリー読んでいたからか、
    スラスラと読めて、穏やかな気持ちになれた。

    何事にも自分だけの中の目標を持つ方が、楽しく過ごせるのかなーって感じた。
    フウくんと別れた理由だけ、なんだったのか気になりすぎる…(敢えての想像お任せなのか、もしかしたら私が読み飛ばした可能性もあり笑)

    他の作品も読んでみようかな✨✨

  • 『大人になったら』
    大人ってどういうのがおとな?
    大人の恋愛物語と帯に書いてある。
    近頃はガッツリな恋愛小説は読まないけれど手に取ってみました。

    35歳、独身女性、葛城メイ(カフェ店員)が主人公の日常の話。
    仕事のこと、結婚のこと、彼氏、恋愛のこと、友達のこと。
    35歳で独身は周りの人は色々と気になるようだし、メイ自身も色んなことを考えさせられていた。

    「35歳で独身の何が悪い。」
    「色んな考え、生き方があるんだからよいじゃないか」』と読みながら心の中で文句を言っていました(笑)
    カフェ勤務でのお客さんとの出会い、高校時代からの友達の繋がり、転勤、そんな日常の中の穏やかな恋愛の入り口で物語は終わりました。
    ドキドキ、はらはらは無かったけれど、共感出来る所もあって読みやすい作品でした。

  • 色々な部分がそうなんだよね〜と思いながら読み進めました
    年齢、独身、会社の立場
    内容にあるように、全てが重なると中途半端な立ち位置になってしまう(周りからみると)
    望んでそこにいるつもりはなくてもね

    幼馴染のテンポいい会話など関係性は、わかる!落ち着くよね〜と思った

    無理をしなくなったり、何かと年齢が付き纏ってぐっと思いっきりが出来無い主人公は、ごく一般的だと思う
    あとは読んでみてほしい
    心の変化や向き合い一歩ずつ進んでいく様子が微笑ましい

  • 畑野智美さんにはハズレはない。それぞれ違うしそれぞれ感動する。帯の8年振りの恋するとあるのでてっきりゴリゴリの恋愛純愛物語かと思ったら、ラストの札幌店に尋ねて来る羽鳥先生で終わるって、9ペースで仕上げるって、なかなか恋の出来事出てこないからどうなるのかと思ったら、メイが頭から離れないそれはもう恋でしょうが、10年引きずっている現在進行形は勘違いでしょうが先生しっかりしてよと思う、7年会話せずとか合わせる顔がないとか回り道だけ。3人の友情も羨ましいな、お別れ会の杉山君、フワちゃん登場、噛み砕く書き方好きだ

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞。13年に『海の見える街』、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる。著書にドラマ化された『感情8号線』、『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは、行けない明日』『消えない月』『神さまを待っている』『大人になったら、』『若葉荘の暮らし』などがある。

「2023年 『トワイライライト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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