ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実 (中公文庫 マ17-1)
- 中央公論新社 (2022年1月20日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784122071735
作品紹介・あらすじ
1943年4月のある朝、スペインの漁師ホセは、海面に人間らしきものが浮いているのに気づいた――
チャーチルの諜報チームの計略どおり、死体は敵陣に回収される。その「実在しない男」がまとっていた偽情報がヒトラーを惑わせ、やがて大戦の趨勢を変えてゆく。
トランクに眠っていた立案者のメモや、時を経て機密解除になった極秘文書により、最も奇想天外ながら最も成功した欺瞞作戦の全容が明らかに。
みんなの感想まとめ
第二次世界大戦中、巧妙な欺瞞作戦が展開された実話を描いた本書は、戦局を大きく変える「ミンスミート作戦」の全貌を明らかにします。架空の軍高官の死体を用意し、偽情報を持たせて敵を欺くという奇抜なアイデアが...
感想・レビュー・書評
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【戦争は、力と勇気と策略とで勝利するものなのだ。しかし、想像力を使って勝利することもある】(文中より引用)
第二次世界大戦中、死体に偽造文書を持たせ、英国がナチス・ドイツを欺くことに成功した「ミンスミート作戦」。偽装工作の歴史の中でも稀に見る奇抜さを誇り、戦争の趨勢にも少なからぬ影響を与えた作戦は、どのように立案され、そして実行に移されたのか。著者は、インテリジェンスに関する優れたノンフィクションを数多く世に送り出しているベン・マッキンタイアー。訳者は、同著者のその他の作品の翻訳も手がける小林朋則。原題は、『Operation Mincemeat: The True Spy Story that Changed the Course of World War II』。
ミンスミート作戦の細部を本書で知るにつけ、「事実は小説よりも奇なり」というよりも、「小説で事実が形作られていった」と言った方が適切なのではないかと思えるほど。情報がスペイン、そしてドイツに伝わってからの流れについても丁寧に描かれており、読む者の想像力をこれでもかと刺激してくれる一冊です。
ベン・マッキンタイアーの作品にハズレなし☆5つ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第2次世界大戦時、連合軍がドイツに対する反抗作成の一環としてシチリア島への上陸作戦を構想しました。シチリア島は地中海の要衝であったので、まともに上陸を試みてはドイツ軍の強力な反撃が予想されるため、ドイツ軍の注意を他の地域へ向ける必要がありました。
イギリス情報部は「シチリア島上陸は陽動で、本来の上陸目標はバルカン半島」という偽情報をドイツ軍(というよりはヒトラー自身)に信じ込ませようと企図します。そこで考案されたのが「イギリス軍高官がシチリア島上陸作戦の指示書を前線に届ける際中に飛行機事故に遭い、その死体がドイツ占領地域の海岸に打ち上げられて、その作戦書がドイツ軍の目に触れる」というストーリーでした。このシナリオを実現するため、架空の軍高官の存在を設定し、それに近い状態の戦死者の死体を確保。軍高官の軍服を着せ、いかにも重要書類を運んでいるかのような佇まいに仕立て上げ、その死体を潜水艦でスペイン沖で放流するという作戦を実行します。
死体は”無事”スペインに漂着、ドイツ軍スパイが偽情報書を入手し、その情報はマドリード、ベルリンを経由してヒトラーまで行き渡ります。
結果、ヒトラーは「連合軍の上陸目的地はバルカン半島」と信じ込み、実際にシチリア島への上陸作戦が実行されても「これは欺瞞に違いない」と最後まで偽情報を信じ切り、見事に連合軍は当初の目的を達成します。
この作戦はミンスミート作戦と呼ばれ、第2次世界大戦の戦局の分水嶺となった作戦とも言われており、まさに「戦局を左右した死体によるスパイ活動」という内容です。
インターネットやSNSのない時代の情報戦の現場の臨場感が良く伝わって来ます。「偽情報が”確実”にかつそれなりの困難を伴って敵側に伝わるように(あまり容易に伝わると、その真偽が疑われるので)」、「相手を騙しているのだが、相手が騙されていると気づかないように」と細部に気を配るイギリス情報部のメンバーのこだわりや、試行錯誤が時代を感じさせます。 -
第二次世界大戦中、ナチスドイツの重要拠点であったシチリアを奪取するという英米によるシチリア上陸作戦。しかし、シチリアが狙い目だということは明白な事実だった当時、別の場所を狙うという嘘をナチスに信じ込ませるという欺瞞作戦「バークリー作戦」が行われる。
相手に嘘をつかませ、それが真実だと信じ込ませるための作戦が「ミンスミート作戦」。作戦を主導するのはモンタギューとチャムリー。イギリス側は死体を用意し、「シチリアは偽装目標で、実際にはギリシャとサルデーニャ島へ上陸作戦を仕掛ける」という機密文書をその死体に持たせ、墜落事故に遭ったように見せかけて、スペインの海岸に流した。ドイツ寄りだったスペインはその死体から回収した文章をナチスドイツへ渡し、ナチスはその文書を信じて、シチリアの防御を薄くしたため、英米はシチリア上陸作戦を成功させた。
この壮大な欺瞞をドイツに信じ込ませるために、あらゆる知恵と工夫を凝らしており、それらが細かく描かれている。
イアン・フレミング、本当にスパイ活動していたんだな -
スパイは死体!? 推理小説をヒントに英情報部が仕掛けた大芝居が、大戦の趨勢を変える。最も奇想天外ながら最も成功した欺瞞計画の全容。〈解説〉逢坂 剛
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「OPERATION MINCEMEAT 」の翻訳(2022/01/20発売、1430E)。
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ベン・マッキンタイアーの作品
