賤ヶ岳の鬼 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2022年4月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784122072046

作品紹介・あらすじ

柴田勝家の甥にして、鬼玄蕃の異名を持つ猛将・佐久間盛政。戦に幾度敗れても折れぬこの男を、信長は「諦めの悪い奴」と称した。柴田側として参戦した賤ヶ岳の緒戦では羽柴軍に大勝するも、やがて秀吉の調略により形勢は逆転。誰もが敗北を覚悟する中、盛政の眼だけはまだ死んでいなかった――。「戦国一諦めの悪い男」の鮮烈なる生き様!

みんなの感想まとめ

戦国時代の賤ヶ岳の戦いを背景に、佐久間盛政の視点から描かれる物語は、敗者の側からの新たな視点を提供します。柴田勝家の甥である盛政は、勇敢でありながらも戦局が不利に傾く中でも諦めず、彼の闘志が際立つ様子...

感想・レビュー・書評

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  • 表紙カバーのイラストが、如何にも古い時代の武士という感じだが、正しくこういう画の感じの主要劇中人物が活躍する物語である。大変に愉しく読了した。
    戦国時代の戦いに関して、色々と知られているモノが在ると思うのだが「賤ヶ岳の戦い」に焦点を当て、敗れた陣営の側から描く物語というのは、類例が思い浮かばない。そういうことで作品に興味を覚えた。
    本作は「柴田勝家VS羽柴秀吉」という争いであった「賤ヶ岳の戦い」を軸にした物語であるが、柴田陣営の主要な指揮官であった佐久間盛政と、一部に羽柴秀吉を視点人物として展開する物語である。柴田勝家の甥であり、陣営の主軸を担った佐久間盛政が不在の場面も在るが故に羽柴秀吉を視点人物とする場面が在るのだと理解したが、本作は「賤ヶ岳の戦い」という有名な合戦を描く物語としては、殆ど“決定版”という迫力と魅力とを持っていると思う。
    本作では、「正統派」な感じの柴田勝家陣営に対して「意表を突く」を旨とする羽柴秀吉陣営との違い、両者の激突が詳しく描写されていると思う。羽柴秀吉の陣営というのは、「他所の人達の想定を超える機動作戦」というのが陣営の礎で、「賤ヶ岳の戦い」という中でもその「機動作戦」が奏功している。
    そういう様子ではあるが「武士の誇り」を前面に押し立てながら、対立陣営の意表を突き、勇戦する佐久間盛政の闘いの様が際立つ本作に描かれる「賤ヶ岳の戦い」である。何か、佐久間盛政の勇戦に惹かれていた間に陣営が敗れてしまっていて、何となく拍子抜けだった…こういう流れが、或いは「戦国の末期」であったのかもしれない…
    何か独特な味わいが在る物語で、読後に静かな余韻を感じる。こういう感じも時には好い…

  • 佐久間盛政の話。柴田勝家に似てはいるが、彼ほど直情型ではないイメージ。
    この時代の感覚としては当たり前なんだろうけど、「差別」意識が滅びの要因となっていることがある。出自や容姿など、それだけのことで相手を侮り下に見る。結果、恨みを買ったり足をすくわれたりする。もちろん、差別されている側も、それを多分に意識はしているのだが。相手も人間。感情もあるし、考えもする。

  • 柴田勝家と羽柴秀吉の賤ヶ岳の戦いを佐久間盛政の目から見た一冊。信長横死から清洲会議をへて賤ヶ岳まで。短い期間をたっぷりと描く。
    清洲会議だけを描いた映画が有ったが、清洲会議から賤ヶ岳まではホントに面白い。
    映画にしたら面白いのでは。

  • 柴田勝家の後継者、佐久間”鬼玄蕃”盛政。戦に幾度敗れても折れぬその姿に、信長は驚嘆し、秀吉は恐怖した。「戦国一諦めの悪い男」の鮮烈なる生涯!

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著者プロフィール

吉川永青
一九六八年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。二〇一〇年「我が糸は誰を操る」で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、翌年に刊行。一二年、『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で吉川英治文学新人賞候補。一五年、『誉れの赤』で吉川英治文学新人賞候補。一六年、『闘鬼 斎藤一』で野村胡堂文学賞受賞。近著に『新風記 日本創生録』『乱世を看取った男 山名豊国』などがある。

「2023年 『憂き夜に花を 花火師・六代目鍵屋弥兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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