寄り添って老後 (中公文庫 さ 61-2)

著者 :
  • 中央公論新社
4.13
  • (3)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 128
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072077

作品紹介・あらすじ

去年女優業の店じまいを決めた。八十一歳。多少の残りを大切に、自分自身に恥ずかしいことのないように、明るく楽しく暮らしたい――。四十年余り住んだ東京の家から海辺に引越した最晩年の日々。誰しも不安を抱く「老い」を冷静に見つめ、ユーモア溢れる筆致で綴る。永六輔との対談「お葬式を考える」を増補。〈巻末エッセイ〉北村暁子

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 80を超えたご夫妻の、終わりへ向かう穏やかな暮らし。文庫版の後書きには単行本発行時に掲載された旦那さんの後書きと、旦那さんの逝去後に書かれた文庫版後書きが掲載されています。この本は互いに向けた熱烈なラブレターだと思いました。もちろん50年近い人生をともにする道は平坦ではなかったと思いますが、お互いを労わりあって、相手がいなくなったあとに手を握って思い切り泣けるような伴侶を得られたことが羨ましい。

    あと、沢村さんのお母様の、お父様への想いが書かれた話は毎回ぐっときます。

  • 晩年の日々を、老いを感じながら、明るく幸せを見つけ選び取りながら暮らす先輩の姿に、励まされたし背筋が伸びた。
    美しく、かわいらしく、芯があり、しなやかな強さを持った方。
    読んだことで、わずかでもいい影響を受けて変わりたい。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00626345

    八十一歳で女優業を引退した著者が、自身の「老い」を冷静に見つめユーモラスに綴る。永六輔との対談「お葬式を考える」を増補。
    (出版社HPより)

  • 何年か前迄著者については名前を聞いた事がある程度だった。
    その後、テレビドラマ「関ヶ原」でまつ(前田利家の妻)を演じ、ねね(豊臣秀吉の妻)を演じた杉村春子との素晴らしい掛け合いに感じ入り、またNHKで著書「わたしの献立日記」の鈴木保奈美による朗読を聞いて、次第に惹かれる様になった。

    兄に澤村國太郎、弟に加東大介、甥に長門裕之と津川雅彦(という事は南田洋子と朝丘雪路もマキノ一族も伊東深水もだ)という芸能芸術一族に生まれ、当時珍しかった日本女子大学に進学も左翼活動で逮捕されそれが原因で最初の夫と離別。藤原釜足と再婚するが夫婦の仲は覚めたのか妻子ある男性とW不倫(この男性が本書に出て来る家人)。
    波乱万丈な一生だが本書の著書は酸いも甘いも噛み分けた穏やかな筆致。

    ただ本書の途中で東京の一戸建てから葉山のマンションへ引っ越すというイベントを起こす。ここが個人的には白眉の部分で将来の参考になりそうな所だった。また読み返す事もあるだろう。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

  • 八十一歳で女優業を引退した著者が、自身の「老い」を冷静に見つめユーモラスに綴る。永六輔との対談「お葬式を考える」を増補。〈巻末エッセイ〉北村暁子

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1908年(明治41年)東京・浅草生まれ。俳優・エッセイスト。本名大橋貞子。日本女子大学在学中に新築地劇団に参加。前衛演劇運動に加わって投獄を経験する。34年、日活太秦現代劇部に入社、映画俳優としてデビュー。小津安二郎監督作品をはじめとした映画、舞台、テレビで名脇役として活躍した。生涯で出演した映画は100本以上。78年には、半生をとりあげたNHK連続テレビ小説「おていちゃん」が放送された。89年に俳優を引退。文筆にも長け、77年『私の浅草』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか『貝のうた』『わたしの台所』『わたしの献立日記』など著書多数。96年(平成8年)没。

「2023年 『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢村貞子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×