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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784122072312
作品紹介・あらすじ
「日本最凶」の古典怪談、ここに甦る……。
ある地方の古着屋が入手した、青海波模様の縮緬布団。以来、その周囲では血塗れの美女が出現する怪現象が続発し、ついに死人まで――読む者を虚実のあわいに引きずり込む、独特の恐怖世界。日本怪談史上屈指の名作として読み継がれる表題作ほか、現代ホラー界の先駆的存在である著者初の怪談ベスト・セレクション全七篇。
【目次】
Ⅰ
蒲団(1937)
棚田裁判長の怪死(1953)
棺前結婚(1952)
Ⅱ
生不動(1937)
逗子物語(1937)
雨傘の女(1956)
帰らぬ子(1958)
〈解説〉朝宮運河
みんなの感想まとめ
日本の古典怪談を現代に甦らせた作品集は、読者を不思議な恐怖の世界へと誘います。特に表題作の「蒲団」は、青海波模様の布団をめぐる怪現象を描き、恐怖が徐々に増していく手法が秀逸です。その他の作品も、幽霊や...
感想・レビュー・書評
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橘外男は初読。 #朝活書写 のお題に取り上げられていて、気になったので読んでみた。何でも乱歩と同時期に活躍した奇談・怪談の名手で、直木賞受賞作家。寡聞にしてその名を知らなかったのだが、最近、中公文庫から2022年、23年と立て続けに作品集が出るなど再評価されているらしい。表題作の「蒲団」が有名とのことだが、「逗子物語」の方が良かった。よくある廃寺の幽霊譚だが、本当に幽霊を見た人はかくやと思わせるストーリー展開で、佳作。ほかにも 姑にいびられ、無理やり離縁させられたことで自ら死を選んだ娘の霊魂が巻き起こす不思議と、死体と再婚する男を描いた「棺前結婚」も相当に面白い。体が弱く、7歳で夭折した子供との楽しい思い出と、その子供が幽霊となって現れるまでを描いた「帰らぬ子」も良い。
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秘境小説の作家として名前は知っていたが、怪談も書いているということは知らなかったし、本書で初めてその作品を読んだ。
長短あわせて7作が収録されているが、表題作の『蒲団』はアンソロジーにも良く収録されているらしいく、肯るかな、確かにベストの作品と思った。上州の古着屋の主人が東京で、縮緬の蒲団を掘り出し物で仕入れてきた。これは高く売れると喜んだのだが、なぜか商いは上手くいかず、家の中は辛気くさくなってしまった。そんなとき、腰を真っ赤にした綺麗な女が姿を現すなど、不思議が続き、とうとう……といった話。怪異を段々と語り、恐怖を盛り上げていく手際が見事。
合理的な解決がないのが怪談とは言え、『棚田裁判長の怪死』は、怪死の理由が全く判然としないのはどうだろうか。せっかく前半で先祖の悪業を描いているにも拘わらず、そのこととの連関もなく、読んでいて不完全燃焼の感。
優秀な若手医師と結婚したのに、派手好きな義母との折り合いが悪くなり、遂には結核で離縁を言い渡され自裁してしまった頼子であったが、死んでなお夫に大事を伝えようとする。九死に一生を得た夫の杉村は、彼女の愛情の深さを知り、ある決断をするという『棺前結婚』。ラストは感動的ではあるのだが、前半の杉村の態度に腹が立ち、その分が減点要素。
『蒲団』に並ぶアンソロジーピースである『逗子物語』、幼くして亡くした子供への切々たる愛情が哀しい『帰らぬ子』もなかなか良かった。
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橘外男の日本を舞台とした怪奇小説を集めたもの。執筆は1937(昭和12)年から1957(昭和32)年。
初めて聞く名前の作家で、全然知らなかったのだが、江戸川乱歩と生年が同じらしい。
巻頭の『蒲団』を読んで衝撃を受けた。昭和12年の作品などとは信じられない、実に素晴らしく、傑出したホラー短編なのだ。これこそが名作というものだろう。
感動しつつ、2つめの「棚田裁判長の怪死」を読んでみるとこちらは私には面白くなく、良くなかった。しかし他はなかなか良く、長めの「棺前結婚」「逗子物語」は面白かった。これらに出てくる幽霊は人を取り殺すような悪意の存在ではなく、「善い霊」なので、恐怖メインではないが、なにがしかの感情を喚起する優れた幻想小説だった。
文章は完璧というには遠く、ときどきひっかかる部分もあるものの、「語り」は実に上手く、読者を巧みに物語ストリームに乗せてゆく。人物像や台詞、情景等にはそれなりにリアリティがあり、何から何まで人工臭があってあからさまに作り物めいた江戸川乱歩の世界とは一線を画し、勝れている。
橘外男はこのような怪異小説をを中心にたくさん書いた小説家らしく、これからちょっとこの作家の本を(古書で)集めようと思う。 -
好きなホラー作家が新しくできた!
岡本綺堂作品が好きであればこちらも好きなのでは。私は情景描写から怪異のあらわれ方がとても頭の中に映像として現れる。
昔の話になるが、読んでいるうちに、自分が見たかのような映像が浮かんでくるほどの怪談はなかなかない。
あと、ホラー というより怪談、の方がしっくりくる。
蒲団 定番の怪談という感じだが、湿気の感じるような雰囲気がよい。
逗子物語 映画を見ているようで、坊ちゃん一行の映像が浮かぶ。
帰らぬ子 胸に迫る前半、後半の信彦に対する感情の起伏があたたかくも時にコミカルにも感じた。 -
文章の硬さがいい感じ。
しかし少々まだるっこしくて
最終話には飽きて手が出なかった。 -
解説・朝宮運河より
「ときに容赦なく怖ろしく、ときにもの悲しさを感じさせる七篇をあらためて通読して感じるのは、並外れた語りの上手さであった。しばしば饒舌体と評されるエネルギッシュな語りが虚実の境目をいつしか突き崩し、ありうべからざる世界を現出させている。外男は岡本綺堂や田中貢太郎、内田百閒とはまた違ったやり方で、近代の怪談小説を確立したのである。そしてその魅力は発表から半世紀以上経った今日でも、色あせてはいない。」 -
『逗子物語』は以前『怪異十三』で読んだことがあったけど、それ以外は今回初めて読んだ。
表題作の『蒲団』が一番良かった。
怖さはそんなにはないけど話として面白かった。
他の話は盛り上がるポイントがぼんやりしていたりして冗長に感じてしまった。 -
読みづらい……表題作はまあまあ怖かったですが、そのあとの短編は「それで?」という印象しか残らなかったです。
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古典
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橘外男の怪談を集めた文庫オリジナルの短編集。
表題作の「蒲団」は格安で手に入れた蒲団に纏わる話。よく出来た怪談ではあるが、今読むとまとまり過ぎな印象。
印象的だったのは「棚田裁判長の怪死」と「棺前結婚」の2作。
「棚田裁判長の怪死」ははっきりした説明も解決もない実話怪談の先駆けともいえるような話。「棺前結婚」は純愛ホラー。ホラーというより変格物? -
虚実のあわいに読者を引きずり込む、独特の恐怖世界――日本怪談史上屈指の名作である表題作他全七篇を収録した、著者初の怪談傑作選。〈解説〉朝宮運河
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