新装版 フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life (中公文庫 も25-18)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 中央公論新社 (2022年11月22日発売)
3.76
  • (6)
  • (12)
  • (10)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 166
感想 : 8
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784122072862

作品紹介・あらすじ

上司のクサナギ大尉やトキノと戦闘機に乗り、空を駆けるクリタ・ジンロウ。地上ではすべてが粘土みたいに溜まって腐っていくように思えてうんざりしている。だが、クサナギの幼馴染みの科学者や、彼女を追う新聞記者と出逢ったことから――永遠を生きる子供たちの物語、急展開!〈解説〉荻原規子
巻末著者インタビュー〈聞き手〉清涼院流水

みんなの感想まとめ

極限の状況で生き残ることの緊張感と、待機時間の退屈さが交錯する物語が展開されます。主人公クリタ・ジンロウは、戦闘機に乗り、空を駆ける中で、クサナギ大尉やトキノとの出会いを通じて、永遠を生きる子供たちの...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 生きてることがつまらない。相手が殺しにかかってくる空では、こちらが先に堕とさなければ、生き残れない。そういう極限にいる。それ以外はただの待機時間であって、その待機時間ほどつまらないものはない。
    その感覚って、ゲームのネット対戦で、対戦相手を待っているときの時間を無駄な時間だと思ってる時と似てるのかもしれない。確かにただ待つだけの時間は退屈だ。戦いが終わったらすぐに次に行かなければいけない。
    このシリーズは、見えている景色が夢なのか現実なのかはさておき、「僕」から観察できる世界のみを記述したものだ。それ以外は徹底して描かれない。
    もう折り返しに来てしまった。結末を知っているのだ。

    全然関係ないが、英語で言うキャットウォークは、日本語だと犬走りという。

  • スカイクロラシリーズ4作目、時系列的には3作目。
    草薙の主観視点だった前2作から変わって、今作は栗田が主人公。
    ドッグファイトの描写は少ない代わりに、心理描画が多い印象。一方で、ティーチャーの鬼のような強さがみられる(前作までは草薙との対戦だから、あまり目立たんのよね)。
    スカイクロラでは第3者の回想でしか登場しなかった栗田の正体や、さらに草薙とキルドレの秘密といったシリーズのキーになりそうなことが明かされる。
    最後、栗田が大規模な作戦に参加させられたのは、苦戦することを見越して、秘密を知った栗田の口封じを狙ったのか、と邪推したりもする。

  • 森博嗣『フラッタ・リンツ・ライフ』レビュー

    つむぎ:おじさん、また昼間からカーテン閉めて部屋でゴロゴロしてるの? ミステリ作家志望なら少しは外の空気でも吸ったら?

    おじさん:(たべっこどうぶつを食べながら)外は...眩しくて...それに今ちょうど良いアニメの再放送が...

    つむぎ:はぁ...そういえば、森博嗣の『フラッタ・リンツ・ライフ』読んだ? スカイ・クロラシリーズの第4作目よ。

    おじさん:スカイ・クロラ? あー、なんか戦闘機のやつだっけ? 戦争ものは重くて苦手なんだよなぁ...

    つむぎ:ちがーう! これ、普通の戦争小説じゃないの。キルドレっていう永遠に成長しない子供たちが、戦闘機で空を飛ぶ話なんだけど...なんていうか、すごく静かで美しいのよ。

    おじさん:永遠に成長しない? オレみたいじゃん! 精神年齢12歳で止まってる自信あるぞ!

    つむぎ:(呆れて)それは単なる幼稚なだけでしょ。キルドレたちは違うの。彼らの思考は透徹していて、まるで天使みたいなのよ。

    おじさん:天使...! それって可愛い女の子?

    つむぎ:そこじゃない! 主人公のクリタ・ジンロウは男だし、前作までの天才的な主人公と違って、むしろ平凡な感じ。でもそれがかえって良いのよね。

    おじさん:へー、じゃあオレでも感情移入できそうだな。で、どんな話なの?

    つむぎ:作中にこんな一節があるの。「人の命は大切だ、と彼らは説く。けれど、その命よりも大事なものがある。それを知っている者が、戦っているのだ。」って。キルドレの秘密が徐々に明かされていくんだけど...読んでて、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を思い出したわ。

    おじさん:あー、あれか! クローンの話でしょ? めっちゃ悲しかったやつ...

    つむぎ:でも、キルドレたちは全然悲壮感がないのよ。むしろ地上の人間より賢くて、空での生活を楽しんでるみたい。敵のパイロットにさえ仲間意識を持ってたり。

    おじさん:なるほど...つまり、成長できないことを悲劇じゃなくて、ある種の浄化として描いてるってこと?

    つむぎ:(驚いて)お、おじさんにしては鋭い! そうなの、まさにそういう感じ。森博嗣って2001年の時点でこんなテーマを扱ってたんだから、すごいよね。

    おじさん:オレも永遠の子供として、空を飛ぶような小説を...

    つむぎ:まず地に足つけて一作でも書きなさい! あと、このシリーズは時系列が複雑だから、できれば刊行順に読むのがおすすめよ。

    おじさん:よーし! まずは『スカイ・クロラ』から読んで、オレも透徹した思考を手に入れて...

    つむぎ:(小声で)その前にたべっこどうぶつの袋片付けなさいよ...でも、おじさんが本気出してくれるなら嬉しいな。

    おじさん:つむぎ...! よし、今日から本気出す! 明日から!

    つむぎ:今日からでしょ!!

  • B913/モ/4

  • 私はスカイクロラから読み始めてしまいましたが、最近読んだ記事で、時系列的にはスカイクロラが一番最後、と言うことと、良い考察を読んだので再読したくなっている作品です。(2024.3)
    この辺りは続きを欲してひたすら読み進めていた記憶があります。笑

  • 「フラッタ・リンツ・ライフ」森博嗣

    読了。
    スカイクロラシリーズ4作目。
    時系列的には最後となる1作目で話にあがっていたクリタが主人公となる今作。
    淡々とした世界だからこそ不死の子供キルドレ達の機微が浮き上がって見える気がする。
    本編としては次が最終巻のようなので寂しいが楽しみ。

  • 戦闘機乗りのクリタは地上の澱んだ空気にうんざりしている。だが上司のクサナギの幼馴染みの研究者と出会ったことから――物語急展開!〈解説〉荻原規子

全7件中 1 - 7件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×