ここだけのお金の使いかた (中公文庫 あ 98-1)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 562
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072916

作品紹介・あらすじ

給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は、1円だって払えません! 誰しも余裕のない時代だからこそ、何にいくら使うかで人生はきっと変わるはず。ゲーム課金はいくらまで? 百万円の宝くじが当たったら夫に言う? どうすれば働かずに生きていける? 7名の人気作家が「お金」にまつわる悲喜こもごもを描く、短篇小説アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 7人の著者によるお金にまつわる短編アンソロジー。7人のうち、原田ひ香さんと大崎梢さん以外は初読みの作家さんだったが、いずれの作品もどんどん読み進められた。短編のため、良いところで終わってしまい、長編で読みたいな…と思わされる作品も複数。改めて「お金」とは、人生や生活に直結するものだと実感した。大事なものであることは確かだが、極端に価値を置きすぎると周囲と調和できなくなったり、家庭崩壊を招いたり、依存したり、幸せがかえって遠ざかってしまう。作中、大型犬を多頭飼いし実は飼育代の元も取ることが難しい報酬しかもらえないタレント犬の飼い主や、報酬は発生しない土いじりの緑化ボランティアをする人が登場人物として出てきたが、いずれもお金ではなく行っていること自体に幸せや癒しを感じており、やはりお金が全てじゃないな…と考えさせられた。これからもお金とは適度な付き合い方をしていきたいものだ。

  • 2022年12月中公文庫刊。新津きよみ百万円分の無駄 、原田ひ香一生遊んで暮らせる方法 、大崎梢12万円わんこ、永嶋恵美廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?、福田和代わらしべ長者のつくりかた、図子慧塾に行かない子どものための五つのクリンプス、松村比呂美二千万円の差額 、の7つのお金にまつわる書き下ろしアンソロジー。テーマがお金だからか、辛辣な話が多く、後味が悪い。その中にあって福田さんのわらしべ長者のつくりかたが唯一の前向きな話だが、対比の部分に無理やり感があり、話としては嘘っぽい味がした。

  • あまり期待していなかったけど、
    面白く読めました。

    女性作家の短編集だからか、
    主人公はほとんど女性。

    だから、「あるある」というのではなく、
    「へぇー」という感じでした。

  • 短編で出てくる金額も具体的で
    読みやすかった。
    今まで読んだアミの会の本で
    1番面白かったかも

  • お金の使い方のアンソロジー。
    一言でお金の使い方と言っても色々あって、お気に入りは新津さんと松村さん。

    「百万円分の無駄」
    確かに宝くじ百万円当選なら私も黙ってるかもなぁ。主婦の発想がリアルでした。思い切り使い切るのが爽快でした。

    「二千万円の差額」
    タイトルの意味がとても切なかったです。残された方もその意味が判った時の「お疲れさまでした」がじわりとしました。

  • 原田ひ香さん以外初読の作家7人の短編。どれもお金にまつわる話だが短編で読みやすく楽しめた。新年のスタートに(遅い)良い本だった。

  • 面白かった。
    色々考えさせられる。
    大崎梢さんが好きで読んでいるアミの会。未読の作家さんを知ることができ、楽しい。

  • 作家さんのお金にまつわる短編集
    お金への考え方が実際にありそうなエピソードを加え解りやすく面白く書かれていて一気に読んだ

  • お金をテーマにした7人の作家さんの短編集。
    2000万円や、FIREなどここ数年でよく耳にした
    話題なんかもあり興味深かったけど、
    わんこにかかるお金(12万円わんこ)や
    趣味に費やすお金(廃課金兵は買い物依存症の
    夢を見るか?)なんかが自分と違う目線で
    書かれて疑似体験ってわけじゃないけど
    心に残ったし、買い物依存症って案外
    だれでも陥る沼だよなぁ~なんて思いました。

    個人的には「わらしべ長者のつくりかた」が
    興味深かったかな?物事に付加価値を
    付けるだけで今までただそこに合ったものが
    他人からすると全く違った物に見えるって
    考え方から、これを人に置き換えるとたしかに
    どんなものかにもよるけど付加価値がつくと
    すごく魅力的な人になるなと読みながら
    思ったのと作中に出てくる仕事に足しての
    在り方についていい意味で「会社を利用する。
    一生学び続ける。夢中になれる仕事を探す。」
    ってのが当たり前のことだけどなんか
    あらためて考えさせられたかな。

    「お金」人によって考え方はとらえ方が
    違ってそこが面白いと思える作品でした。

  • アミの会は良い話をよく集めてくれますね。今回も楽しめました。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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