橘外男海外伝奇集 人を呼ぶ湖 (中公文庫 た19-6)

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  • 中央公論新社 (2023年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784122073425

作品紹介・あらすじ

アフリカで、中南米で、中央アジアで、ヨーロッパで……地球全土を覆いゆく、奇怪なる“譚(ものがたり)”の影!

虚栄の裏の差別、愛憎の果ての復讐……人跡あるところ、必ずや悲劇あり。帝国主義と植民地支配の未だ吹き荒れる二十世紀、世界各地で起こった異妖なる事件の数々。近代社会と人間心理の暗部を、日本文学史上破格のイマジネーションで鋭く描き続けた鬼才による、異国を舞台にした怪奇と幻想のベスト・セレクション全8篇。
好評『橘外男日本怪談集 蒲団』に続く、文庫オリジナル第二弾。

【目次】
令嬢エミーラの日記(1939)……コンゴ
聖コルソ島復讐奇譚(1937)……ベネズエラ
鬼畜の作家の告白書(1937)……アルゼンチン
マトモッソ渓谷(1939)……ボリビア
ムズターグ山(1947)……中央アジア
殺人鬼と刑事(1955)……スウェーデン
雪原に旅する男(1958)……アラスカ
人を呼ぶ湖(1951)……スイス
 解説=倉野憲比古

みんなの感想まとめ

多様な舞台を背景にした怪奇と幻想の物語が展開される短編集で、異国情緒あふれるストーリーが魅力です。各話は虚栄心や差別、愛憎の復讐といった人間の暗い側面を描き出し、読者に深い印象を残します。作者の独自の...

感想・レビュー・書評

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  • つらつらと語られる奇々怪々な物語の数々は翻訳ものかと思ったら、作者本人が書いたのか。書かれた年を解説で見ると、そう感じさせる手腕は見事と言えるかもしれない。ただ、ストーリーに登場する舞台はバラエティー豊かだが、どの話もたいてい美女が〇〇という展開なので、その点だけは読み進めるうちに少々飽きがきてしまったのが残念。とはいえ、もし発表された当時読んでいれば、面白さにきっとのめり込んだことだろう。あまり人にはお薦めできないが、妙に記憶に残る断片が各話に散らばる短編集だった。

  • クトゥルフ神話のような海外奇譚集。プロットの使い回しが多く既視感がずっと続くような妙な感覚に襲われる。多くの作品は戦前に書かれたということを考えると、その創造性は驚異的にも思えるが、現代に読む意義があるかと問われると首肯しがたい。
    と思って読んでいたが倉野憲比古氏の巻末解説を読み氷解する。なるほどこれは「変格ミステリ」であり論理性の欠如はロマンの一言でねじ伏せてしまい、嘘や出鱈目、使い回しなどではなくそれも含めたファンタジーなのだと思って読むとまた違う味わいがあるのだろう。万人には勧められないが、まさに奇書としての価値があり、再刊を判断した出版社の英断(暴挙)を素直に称えるべきなのかもしれない。ガグロ!

  • 世の中には色んな種類の小説があることを知った。表題の作品は面白かった。

  • 虚栄の裏の差別、愛憎の果ての復讐……鬼才による、異国を舞台にした怪奇と幻想のベスト・セレクション全八篇。文庫オリジナル。〈解説〉倉野憲比古

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著者プロフィール

橘外男
一八九四年、石川県に生まれる。厳格な軍人の家庭に育ったが中学を退学、札幌の叔父に預けられる。その後、医療器機店、書籍配給会社などの職を転々。一九二二年、有島武郎の推挽を受けた『太陽の沈みゆく時』でデビューし、ベストセラーとなる。三六年「酒場ルーレット紛擾記」で『文藝春秋』の実話募集に入選し再デビュー。三八年「ナリン殿下への回想」で第七回直木賞を受賞。五九年死去。作品に『陰獣トリステサ』『青白き裸女群像』『私は前科者である』等がある。

「2023年 『橘外男海外伝奇集 人を呼ぶ湖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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