ゆめはるか吉屋信子 秋灯机の上の幾山河(上) (中公文庫 た28-21)
- 中央公論新社 (2023年6月22日発売)
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感想 : 3件
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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784122073784
作品紹介・あらすじ
私なりの吉屋さんをさぐりあてたい――。吉屋信子(一八九六~一九七三)を敬してやまない著者が、満を持して贈る本格評伝。栃木女子高校時代から頭角を現した信子は、竹久夢二の誘いで上京し、生きる道を模索する。岡本かの子や野上弥生子らとの出会い、『花物語』の連載。やがて長篇小説の懸賞応募を目指すが、父の危篤の報が……【全三巻】
みんなの感想まとめ
テーマは、吉屋信子の少女時代とその背景にある社会の風潮、そして彼女の成長と人間関係の描写です。著者は、信子の人生を通じて、当時の女子高の独特な環境や、同性への恋愛感情の複雑さを探ります。特に、彼女が出...
感想・レビュー・書評
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田辺聖子さんのフィルターを通して、吉屋信子さんの実像を思う。
スクールカーストという言葉がない頃でしたが、私にとって女子高は、そんなとこ行ったらなじめなくて、いじめられる・・・ってイメージでした。吉屋信子さん描く女子高の世界は縁遠いものでした。
だけど、吉屋さんの少女時代、男尊女卑で武ばったものばかりが幅をきかす風潮を思うと、それとは正反対の価値観を育むことができる、期間限定、地域限定のシェルターだったのかもと感じました。そこで出会う美しい上級生に憧れ、同級生とともに美しい物を美しいと感じ、相手と少し違うことさえ愛しく感じる、そんな少女の日々があったのでしょうか。
信子の同級生として描かれる少女の中には、美人だけどわがままで驕慢な人も出てきて、私なんぞはこんな人に近寄りたくないと思ってしまうのですが、信子(=田辺聖子さん)は仲間にそんな人がいることまでもが愛しく、優しいまなざしで見てるようでした。
同性への恋愛感情についても、この時代の風潮を思えば、お互いの真の姿を知り愛し合いたいという魂の叫びがあったからなのかもと思いました。この時代、男性が女性の真の姿・思い・考えを知り、尊重しようとすることなど、基本なかったでしょうから。もちろん、同性への恋愛感情を短絡的に一般化してはならないんでしょうけど、なんかわかる気がしました。
だけど、屋根裏の二處女のモデルになった恋愛からは、苦しみ、痛みを感じました。相手に煌めく才能を感じれば感じるほど、何者でもない平凡な自分を感じ、相手を独占することはできず、将来も見えない日々は悲痛だったことでしょう。しかも、その悲痛な思いは、どうしても相手に伝わってしまう。これを美しい小説に昇華したのはすごいことなのでしょうけど。
それから、信子の子ども時代を描くのに、足尾銅山鉱毒事件に触れられていました。権力者と自分の富を築くために何でもするという人物が共同すると、平凡だけど穏やかに暮らしている人たちにどれだけ惨いことをするかを突きつけられました。そして、これに類することは形を変えて繰り返されているのでしょうか。吉屋さんの人生との関係は薄いのかも知れませんが、この事件にページを割いた田辺さんの思いもしっかり受け止めなくてはと思いました。
ともあれ、中編、後編も楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
這真的是一部力作。相較於吉武輝子充滿熱情地描寫信子和她的戀愛的筆觸,並大量引用書信傳達當時的溫度,這部作品則顯得節制,作者的目標看來是想撰寫一個大正、昭和的世相,甚至包含當時的重大事件(光足尾銅山事件就寫了很長一大篇),還有當時的文藝界、活躍的女性們,可以說用信子來寫當時的女性史(因此也大量引用信子撰寫的關於女性的文壇史)。我非常喜愛吉武本深層地對信子的刻畫以及使作品更增色的引用技巧,但我也喜歡這本大部頭的史傳風格。作者寫這些明治出生而在大正昭和活躍的傑出女性,帶著一種敬意。之前才剛讀村山由佳氏寫的伊藤野枝也是這個時代,與吉武,和這本,三者三樣,不同人寫同一個時代感覺真的差很多,但各有其生彩及魅力,深深覺得文學真是天賜的禮物。
突然有感而發,最近讀這些時代也不過是一百年前,當時的人多麼大量地用書信傳情,多麼地勤筆...不管距離多遠,思念就是這樣用便箋繼續堆疊波濤,然而現在的人可能連讀一千字都嫌多,令人感慨。 -
大正、昭和と絶大な人気をほこった小説家・吉屋信子。少女時代から敬愛してやまない著者がその真の姿を描き尽くす本格評伝。上巻は『花物語』執筆と青春時代。
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著者プロフィール
田辺聖子の作品
