代理母、はじめました (中公文庫 か86-3)

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  • 中央公論新社 (2023年10月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784122074279

作品紹介・あらすじ

底辺女子が人生逆転!? 不遇な家庭に育った17才のユキが、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う〝代理母ビジネス〟の賭けに出る。

義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた16才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだしたユキは、自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。

みんなの感想まとめ

現代の社会問題を鋭く描く物語が展開されます。2040年の東京を舞台に、貧困層の増加や格差社会が進行する中、主人公のユキは義父の策略で代理母としての運命を強いられます。彼女はその経験を経て、同じ境遇の女...

感想・レビュー・書評

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  • 自然災害が重なり荒廃してしまった、2040年の東京が舞台の話です。貧困層が、AIの発達により仕事を失い、格差も助長されています。テレビでみたことがある、海外のスラム街をイメージしながら読み進めました。

    そんな格差社会の中で、ユキは代理母ビジネスを始動させます。代理母の是非は、知識も豊富ではないので判断できないと思いました。ただ、あまりにビジネスライクにしてしまうと、女性が食い物にされるイメージが容易くできてしまいます。

    今作は、舞台設定も代理母というテーマも、身近ではなかったためか、楽しみきれませんでした。こんな悲惨な未来がこないことを祈るばかりです。

  • 代理母がビジネスに。近い将来こんな時代が来るのかな?
    子どもを持つ人も持たない人もみんな幸せな生き方ができる世の中であってほしい。

  •  なかなかな内容でした。
    2040年の日本が舞台。自動運転や店舗の無人運営が可能となり無職の人が増えてしまう。さらに、大きな地震や富士山噴火によって荒れ果ててしまう。

     そんななか、主人公のユキは義父に騙されて代理母を引き受けてしまう。16歳、未婚、恋愛すらした事ないのに。逃げなければ何度も代理母をさせられてしまうってとこから始まります。

     不妊治療、代理出産、結婚、未来の日本について考えるきっかけとなりました。

  • 設定は2040年の日本。
    相継ぐ災害で荒廃した東京。
    お金持ちは安全な地方へ移動し、空いた場所に貧困層が住み着く。
    格差は激しくなり、お金を得るために義父はユキに代理母をさせる。
    義父は働かず、ユキの代理出産で稼ぎ続けようとしていた。
    たまらずユキは幼なじみのミチオと逃げ出す。
    そして、どうにか自分達で稼げるビジネスはないかと考えた結果、なんと代理母ビジネスを始める。
    あんなに嫌悪していた代理母をユキはなぜビジネスにしたのか。
    今後の日本の姿を浮き彫りにするような展開にいろんなことを考えさせられる。

    2025.10.16

  • 二〇四〇年、相次ぐ地震と富士山の噴火で荒廃した東京。十六歳のユキは義父に騙され代理母として出産させられる。苦い経験を糧に、ユキは女性教師、ゲイの友人たちとタッグを組み、子どもを切望する人々と貧困に苦しむ女性をつなぐ「代理母ビジネス」を始める。依頼人、代理母、そして生まれてくる子どもが幸せになるためには?

  • 代理母には肯定的だと思ってたあたし。金銭は発生するけどWin-Winならいいと思ってたし、ユキたちの活動がないと日本の制度が変わらない。

    でもやっぱり細かいところが気になる。
    日本でまだ認められていない今、代理母になった人は産休は取れるのだろうかとか、代理母から産まれても依頼者の戸籍にちゃんと入れるのだろうかとか、整備しなければならないところはたくさんあるんだろうな。
    そのうち、出産が嫌だから代理母頼もうとか言う人出てきそうだよ。
    子どもが欲しいのに何かしらの正当な理由で産めない人にとって、良い制度になって欲しいと願ってやまない。

  • 作品の感想というよりは、それを受けての「私のブログ」かも

    不妊治療の渦中にいる私には気持ちが揺さぶられすぎるお話だった。

    ずっと「男はいいよなぁ、(肉体的にも社会的にも)大きな負担なく子供が持てるもん」と思っていた。で、その気持ちに対して「でも、男は生まれた子供が確実に自分の子供という確証は普通はなく(DNA検査等しないかぎり)、そのなかで子育てしなくちゃならないから…」というところで、なんだか性格悪い感じだけど、自分のなかで折り合いをつけていた。

    で、いざ不妊治療となったときに夫の名前が記された容器に入った精子を見て、上記の気持ちが打ち砕かれたというか。もちろん夫のことが嫌いになったとかではないけど、その「夫の名前が記された容器に入った精子」という異物を体内に入れるのに非常に抵抗を感じた。(もちろん言動には出さなかったけど)

    なんで女しか子供は産めないんだろう、
    なんで人間の妊娠・出産というのは肉体的にも社会的にもこんなに大変なんだろう、
    と色んな気持ちがまぜこぜになってしまった。

    同じような気持ちのはてに、自分自信の妊娠出産は諦めて、里親制度を利用することにしたと言った知人がいたな。なんの皮肉か彼女は産婦人科医だった。
    私もその話を聞いて里親についても検討もしたけれど、「自分と血の繋がった」子供がほしいという我儘を諦められない。
    ………だから、もし代理母というシステムがあったら私は利用してしまうかもしれない。
    とんでもなく利己的な理由で。


    さてこの作品、代理母のシステムを提供または利用する、色んな人が出てくるわけですが…
    自身のキャリアを優先しつつ、自分と血が繋がった子供を持つことができる状況にたどりつけた美佐を、こんな状況の私は心底うらやましいと思った。

    あともし、未婚で子供を持つことが全くタブー視されていない世の中だったら私は結婚していただろうか。……していなかった、ような気がする、たぶん、いや分からんけど。

    垣谷美雨の作品は、前半は露悪的な感じでストーリーが進むので読んでいて、イライラしたり心がしんどくなる。ラストがハッピーエンドってわかっているから読める、って感じ。
    今回も、まさしくそういう流れです。
    さらに言えば、垣谷作品は「少しうまくいきすぎじゃ?、いやでも絶対に無理をは言いきれないか」というような着地をする。
    今作もまさにそんな感じ。

    ユキちゃんが代理母をする流れになったことの、問題は男尊女卑…もあるだろうけど、もっとも大きな要因は義父からの虐待なのでは。

    LGBTQ+、搾取子、格差社会、男女差別(じつは簡単に「男尊女卑」といえる話でもないと思う)、女性のキャリア形成(妊娠出産により閉ざされるとか、医学部受験の女子差別とか)、ヤングケアラー、子を持つとなった場合の男性の存在・立場
    めっちゃ色々詰め込んでくるやん!
    1つ1つが、それだけで1冊の本になりそうなトピックスでもあるし、もう少し長いお話としてじっくり読みたかった。

    飛躍しすぎ、かもしれないけれど……代理母と依頼主との関わりかたに、妊娠出産する女とそれが出来ない男の関係の一部を見たような気もする。

  • 垣谷さんの本のタイトル、どれも付け方がうまいなぁ、と感心する。本書もそう。「えっ、代理母ってどうゆうこと?そんなことはじめられるの?」と読みたくなる

    #代理母、はじめました (文庫)
    #垣谷美雨
    23/10/24出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3FvbJ3L

  • 垣谷美雨さんの本は、主婦目線で面白く、共感出来る作品が多いが、本作は、あまり共感出来ず、
    イマイチだった。

  • 不妊治療や独身女子云々、、、
    晩婚化、出産の高齢化でなかなか子どもができなかったり、今後の日本はどんどん子どもが減るのは目に見える、、。、

    すでに、わたしの周りでもかなり未婚が多いし、おそらく子どもも産まずにおわるだろう女性も多く、そうなると、この代理母出産、本格的に日本の未来として設定していかないと、日本人が希少価値になりそう。

    本当に。

    産んだとしても一人か二人なら、減らないけど増えないし。
    結婚も出産もしない人が3割もいたら、そりゃね。仕方ないよなぁ。
    でも、実は子ども欲しい、、、
    旦那はいなくてもいいから、子どもは欲しい。って人、結構いるんじゃないかなぁ。と、思うと、あり得る話ではあるよね。

    育てるのも楽じゃないけど、確かに出産するとなると人によっては全く動けなくなるしね。

    なんだか、日本の未来を垣間見たような一冊でした。でも、子ども欲しい!子ども可愛い!と思う人には是非子を育ててほしい。
    なぜかわからないけど、うっかりできちゃう人もいるのに、出来ない人はできないのよねぇ。
    人体の不思議。

    不妊治療もすごく大変なんだなぁ、、、、
    ってこの本や他の本でもよく思う、、、、

    わたしは、出来やすいっぽいし、出産もかなり楽だったから、もっと若かったらもう一人産みたかったかもなぁ。笑

    でも、息子の時は悪阻ひどくて、、、、
    一体いつまでこの気持ち悪いの続くんだろう、、、、と、思った、、、、
    娘の時は太りすぎて怒られたくらいだったのに、、、、

    人体の不思議。


    #柿谷美雨
    #代理母
    #子ども
    #本
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    #面白かった
    #日本の将来
    #代理母やれないなぁ
    #自分の子どもだから耐えられる
    #あの痛み
    #怖い
    #忘れてるけど他人のためは無理

  • 政治家に読んで欲しい!

    本当にこんな世界が近い将来訪れる気がしてならない。とてもリアルなストーリーだった。 

    日本の少子化対策、もっと国民や若者、子供が欲しい人たちに寄り添ったものになることを願います。
    自分たちの利益ばかりに目が眩む政治家がいなくなることを願います。

  • 義父に代理母をさせられたユキは幼馴染のミチオ、女医の芽衣子らと共に代理母ビジネスを始める。最初は「お金持ちになりたい」一心だったユキだが…そのうち女性を貧困から救う事に目覚めてゆく。最後は義父も死に母や兄弟達も一緒に代理母ビジネスを進めていく大団円に。近未来の設定だが制度や風潮の始まりは現在以前に起因するという、警鐘的な物語。

  • 舞台は近未来日本。作者にしては、珍しい舞台設定である。しかし、そこにはそれなりの意味があるのは、あとになって分かる。富士山噴火により、東京は火山灰に埋もれ、山梨に遷都。富裕層は東京を離れ、東京は貧民層があつまる街へと変貌。上空には、ドローンタクシー。外国人が数多く日本国内に流入し、相変わらず少子化社会。そこで、本タイトルの「代理母」のストーリーが展開していくことになる。巻末には、格差社会や婚活で有名な家族社会学者の山田昌弘氏による解説。

  • 少子高齢社会の近未来が見えたように思います。貧困や自然現象により格差社会が進んだ世界、人種や性別などより多くを考えさせられました。
    その中でも、前を向いて生きる主人公や周りの人達の逞しさが見えて、活力をもらいました。

  • 垣谷さんの本、いつも面白い。近未来、こんな世界が待っているのかもと思わせられる設定が多い。

  • いつもの垣谷さんの作品は、現代の様々な社会問題をユーモアを交えて物語にしてくれますが、本書は課題を題材にすれどもあまりユーモアはなかった。
    けれど、自分が知らなかっただけで、このような事は現実に存在するだろうし、今後ますます増えて行くんだろうなと勉強させてもらった。
    最初は暗い話で読み進めるのが辛かったけど、だんだん好転していき、最後にはみんなが幸せになる。
    後半はページをめくる手が抑えられませんでした。

  • 日本の少子化問題を考えると避けては通れないテーマかと思いました。

  • タイトルの通り代理出産がテーマの物語。
    一概に良い悪いと決められるものではないからこそ、色んな立場の人がより幸せになれる選択を取れたらいいな。

  • この本、すごい!

  • 超面白くて1日で読み切ってしまった!近未来の経済格差が広がった日本で、未成年のユキは義父に代理母にされてしまう。生活に困ったユキは、その経験を活かして、代理母も育ての家族もどちらも幸せになれる代理母エージェントを立ち上げる。代理母を希望するもの、依頼人の方、それぞれがいろんな事情を持っている。不妊治療の末、売春目的、子どもがいれば一人前という考え方を信じている人、妊娠・出産期間にキャリアを失うのが怖い女性、独身でも子供を持ちたい人、LGBT等。

    中絶のやり方に疑問を抱いた女医が相次いで辞められた院長先生の変わりっぷりも面白かった。掻爬手術は本当に体への負担が大きいのに、なぜいまだに行われているのか、著者の怒りがこもっているように思った。

    最初に反旗を翻した芽衣子先生、転職先の静子先生のやり方には納得。晩婚化やLGBTQ+法整備の進む日本で、これから代理母が認められていくために大切なことがギュッと凝縮されているような一冊だった。

    p.247 代理母たちは苦労して生きてきた分、若くても老成しているのかと思っていたら、そんな女はほとんどいなかった。その一方、依頼人の女たちは学校や会社の中で揉まれてきたからか、社会性があり大人だった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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