2020年の恋人たち (中公文庫 し46-4)

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  • 中央公論新社 (2023年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784122074569

作品紹介・あらすじ

母が事故死した夜から、葵の日々は一変する。遺されたワインバーを継ぐのか。同棲しているのに会話がない恋人との関係をどうするのか。仕事、恋愛、家族――。人生を見つめ直し、傷ついた過去と対峙することになったとき、三十二歳の葵が選んだもの、そして選ばなかったものは……。第一回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞受賞作。〈解説〉加藤シゲアキ

みんなの感想まとめ

人生の岐路に立たされた主人公が、自分自身と向き合いながら成長していく姿が描かれています。葵の物語は、母の突然の死をきっかけに始まり、彼女がワインバーを継ぐ決断や恋人との関係に悩む姿を通じて、愛や家族、...

感想・レビュー・書評

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  • 大人の恋愛小説といえば、な島本理生さん。
    主人公の葵と瀬名さんが行ったゴールデン街の空気感やカラオケバー、私にも思い入れがあって懐かしくてぎゅっと掴まれた。
    テイラースウィフトもよく聞いてたな。
    エモいってこのことか。

    葵の周りは男性が多いね。
    芯はあるけど恋にもたれていたい人なのかな。
    なんだかんだで松尾くんが一番理解してくれてるし安心しあえてるのにって思うけどそういう関係になれないのは仕事の仲間だからかな。
    出会い方が違っていたら、なんて思ったり。

    そして食べ物やワインの表現が秀逸で、日本酒で炊いたすき焼きとかワインの味わいとか食への愛がじわじわ感じられる。

  • 読み終わってから日が空いてしまい、そして最近全然読めていない。期末期初の忙しい時期なのもあるのか、本が読めず映像ばかり観ていたこの頃。

    描写は新宿ゴールデン街や、カラオケバーとか、東京各所の場所が映像で浮かぶ、懐かしいー。

    愛人の子として産まれた主人公、母も突如交通事故にあい、、ワインバーを継いで頑張っていく流れなのだが、、なんだか主人公はあまり好きになれない自分がいた記憶。。
    最後の最後が、え、そんなことある??感。
    (疲れすぎて、自分の捉え方が卑屈ぎみになってるのかもです、、(・・;)。。)

    次は現実から離れられそうなミステリードッカーン系にするか、ほのぼの癒しか迷い中。
    積読本だけは増えつつあります。。

  • もしかしたらとっても久しぶりの恋愛もの

    葵の自立は応援したいけど
    なんだかあまり好きにはなれなかったな
    次に会った時に
    いきなり下の名前で呼ぶ男の人ってのも
    ちょっと理解できない

    でも
    サグラダ・ファミリアが懐かしかったのと
    白ワインが飲みたくなったのは確かに

    文庫解説は加藤シゲアキさん
    さすがに読みが深い
    「赤」と「白」なんて考えもつかなかった

    失われた2020年
    コロナ禍
    失ったものの大きさを思い
    たくましくしなやかに
    歩いていきたいと感じる作品

  • 島本理生さんの瑞々しさは今も変わらない。
    女性の心の内にある言葉を丁寧に描くことに関して、島本さんは特に長けていると思う。
    主人公の葵がいくつもの経験を重ね前に進んだり、立ち止まったり、でも彼女は決して後戻りなんてしていない。
    そんな中で印象に残る言葉、
    「どうして自分の責任でしたことに、後悔しなければいけないの?」
    著者の島本さんが本作で描きたかった、伝えたかった本質がこの言葉の中にあると思う。
    物語は以外な展開に進み、最初の予想とは違った末章を向かえるけれども、それは決して葵にとって結果ではなくて過程なんだろうな、きっと彼女はこれからも色んな積み重ねをしていくんだろうな、と思うと一人の人間の重さが伝わってくる。
    物分かりが良くて人に従順な人間が良い人、なんかじゃやない。
    こうして悩んで、苦しんで人と出会うことの大切さを感じる一冊。

  • 自分の感情に正直に流される女性は
    自分をしっかり持っているからこそ魅力的
    たとえ表に出してないとしても気づく人は気づく
    ちゃんと地に足を着けて生きていければ
    ちゃんと気づけて後悔もないのかもしれない

  • 少し前にトークショーを拝見したものの、読んだことがなかった島本理生先生。小説はみずからラブストーリーと銘打ったものを選ぶことはあまりなかったので、とても新鮮な気持ちでこの本を手にとってみた。
    2020年、というのは、ちょっと身構えてしまうワードだ。現実世界に色んなことがあったせいで、過剰に意味がこもってしまう。作品の時間軸は主に2018年で、2020年は後日談として触れられる。解説でコロナ禍を踏まえた加筆修正があったとなっていたが、確かに時代の空気感が丁寧に織り込まれていた。この時代だからこそ、刺さる物語の着地になっていたように思う。
    島本作品は初読なのだけれど、文章の湿度が高くて乾いた肌に染み込んでいく感触があった。なんでこの気持ち良い文体を今まで読んでこなかったのだろうか……。主人公の葵は、結構ヘビーなバックボーンを持つ。その実情は紡がれる人間関係の中で、少しずつ後出しされていく。だからだろうか、自然と葵の人間性が自分に透過してきて、苦しくなるほどの一時と、終盤に向けての開放感を、我が事のように感じることができた。
    葵を取り巻く男性陣、バラエティに富んでいて、色々と考えさせられる。自立して生きていくこと、について改めて直面したような。といっても自分は葵ほど芯は強くないのだけれど。
    それにしても……急死した母のワインバーを継ぐ、という舞台設定は、お酒もお料理も美味しそうすぎてハチャメチャに飲みに行きたくなった。葵と松尾君のいるワインバー、ふらりと訪れてみたい……。

  • 初めて読む作家さんの本でした。図書館でたまたま目についた表紙と題名に惹かれて借りました。
    読み始めはいろんな主人公が一気に出てきて情景を掴むのに苦戦しましたが、内容がとてもよくて個人的に好きなジャンルでした。

  •  こんなにモテる主人公の話は初めてでした。本人は無意識なんだろうけど、異性を惹きつける何かがあるんだろうなぁと読んでいて思いました。

     育てられた境遇のせいか、幸せになること?人自体に興味がない主人公。母が亡くなっても感情的な悲しみは伝わってこない…。

     難しい主人公でしたが、面白かったです。

  • 「永遠に作っては壊していく場所だからな」
    東京とは、そういうところだ__
    変わりゆく風景と同じように葵の人生にも変化が訪れる。本物と偽物が混じり合う中で、"私"を頼りに選び手放していく。
    これは...私の中でのBest of 恋愛小説になりそう。
    読了後の余韻最高!

    するすると読めたし、展開が気になって止まらなかった!主人公がモテすぎる部分は置いといて(笑)
    恋のお相手では瀬名さん恐るべし、文字から色気と危うさが滲み出ていた。恋愛中の葛藤部分がリアルで良かったな〜(好きだけど違和感があるとか)
    あとは料理の描写も素敵で、ワイン飲みたくなります

  • 住んでいるところ、職業、家庭環境など自分とはかけ離れたところでの話だが、実年齢だけは登場人物達よりは上。こんな世界もあるんだろうなと想像、妄想しながら ちょっと羨ましいなと感じながら読んでました。
    出会った人達が意外とあっさり去っていくところがサッパリしていていい。主人公 葵 の自立していて、たまに寄っかかるところも 全体的にサッパリ感があり、ちょっと遠くから眺めている感じがして、入り込めなかったかな。個人的にはもうちょい内面の直接的な表現が欲しいと思いました。

  • 最後の加藤シゲアキの解説を含めて完結した気がする。うまく生きていくのが苦手な女性だなあとつくづく思う。

  • 恋愛はしてもしなくてもいい、振り返っても持ちたいものが無かった、というのが印象に残った。
    読み始めた時、葵は恋愛体質な人なのかなと思った、自立してるけど甘えるさじ加減がめちゃ上手い気がしたので。
    もちろん人それぞれだけど、恋愛はもういい、と思ったら10年以上恋愛しない人もいる。でも葵は気持ちのシャッター的なものを下ろさない人なんだなと思った。
    でも、私の好きなようにしたらいいんだとちょっと思えた。何事にも無意識に一歩引く癖がついてしまったのは仕方ないけど、下がった所からでも見えるのになんでしなかったんだろうなぁって、なんか少しだけ、やわらかい思考になれるような気がした。

  • 主人公がモテ過ぎてジェラシー。
    抑えたトーンの文体なのに、全体的にピンク色で主人公の心の移ろいに集中できず。
    30代ってそんなものかと、遠い記憶を掘り返してます。

  • 同棲していても、つまらなくなり、突然去られる。でもそこからまた良縁が繋がり、様々な人と交流を重ねる。2020年、居酒屋にとって大変だった年のエピソードも描かれており、まさにタイトル通り。

  •  愛人の子として育った前原葵39歳OL。
    母親の突然の事故死により、母のワインバーを引き継ぐことに。

     母を愛人として囲ってた男性と、葵たち親子を忌み嫌うその息子、母の店の常連客で葵に執着する幸村、同棲してるのに会話もなく引きこもってる彼氏の港、店を手伝ってくれることになった松尾くん、試飲会で出会った既婚者の瀬名、困った時に助けてくれた海伊さん、昼の職場の上司。
      
     色々な男性が出て来たけど、職場の上司が良い人だったな。お互いに恋愛感情がないからなのか、、、。

     結婚している男性との恋愛を
    「一時の甘さの代償として、精神的な負担の借金を重ねるようなものだと思う。」って表現してて、なんか納得。確実に負担の方が大きそうだもんね。不倫して美しくなった人見たことないんだけど。そもそも周りにあまりいないから?

  • 終始悶々とした空気を感じながら最後まで読み進んでしまった。
    葵さんはすごく真面目、だけどちょっと卑屈なところもあり、彼女の過去がそうさせたのか、或いは持って生まれたものなのかは本人すら分かっていないけど、きっと真面目が故に考え過ぎなところが災いし、諸々上手く行かないのかな?そう思った。
    しかし、幸村という登場人物の嫌らしさには正直ゾッとした。
    深夜枠でドラマ化して放送したり、ネット配信ドラマ化したら結構受けそうな内容だと思う。

  • 島本理生さんの恋愛小説が好き。
    今まで読んでる本はだいたい二股だったり不倫だったり愛人だったりで、しかも私そんなん大嫌いなんだけど、何でだか島本理生さんの書く話に出てくる人たちだけは許せるんだよなぁ。

    って言っても、今回は肯定はされてない。
    (はっきり否定もしていないけど、ナラタージュとかほどではない)

    主人公を中心に色んな男の人が出て来て色んな恋愛の過程が出てくるんだけど、愛というものの置き方が違うんだろうなって。
    うまく言えないけど、自分の中で愛というものをどの位置に置くか。
    それで全く恋愛というものが変わってしまうんだろうな。
    もちろん既婚者・バツイチとかそのあたりも大きく変わってくるけど。

    港・水瀬さん・海伊さん、過ぎ去っていくそれらの恋愛を中間ポジションの松尾くんが最後バシッと締める。
    この締めがとても好きでした。

    なんでみんな恋愛するんだろうね。
    きっと恋愛しない現代人が増えてる今こそこういう本が染み渡るなと思います。




    @手持ち本

  • 葵は自立してるのか…?
    嫌っている相手に結局頼るだけ頼って跳ね除けるとは中々に自己中心的ではないかと思ってしまった。
    特に心に何か残るとかいうことはなかった。多分自分と価値観も環境も全て違いすぎてだと思う。

  • 最後に大切なものが残るなら
    冒険するのも楽しそう。
    自分の好きを選んでいけばいい。
    それが、恋でも愛でも
    友情でも家族でも
    対等ならいいね。

  • 「2020年の恋人たち」

    今年(2024)はじめての買い物はじめての読書。
    ここ数年で読んだ本の中で一番ページを捲る手が止まらなかった。一言一句留めておきたいセリフも多々。

    一冊の本を読んで私は色んなことを履き違えてた、とまとめるのも違うのだけど、でもやっぱり履き違えてたんだと思わざるを得ないというか。

    人間関係には可逆性があると思っていたけどそんなものただの理想でしかなくて、「べき像」に囚われて生きた人間が垂れ流す綺麗事なんだ、と。

    時には戻れないからこそ、不可逆だからこそ美しいこともあるし、一瞬の汚点になったとしても「それも自分だ」と受容できる力があればどうにでも解釈できるし糧にもなる。

    そこまでの境地に辿り着けるかはさておき。そんな未来ももしかしたらあるのかな、あって欲しいな、そう思った。願っている時点でまだまだなんだけど。

    感想はいくらでも垂れ流せるのだけど、この位にしておく。つらつらと文を垂れ流したい気持ちと、もっと端的に芯食った日本語の使い手になりたい気持ちと。

    「戻れることなんて、なくないですか?」

    「根拠はないけど、ピンとくるものはないの?」

    「知識をやみくもに増やすだけでなく、直感を楽しむことも(店の)個性として大事じゃないの?」

    「してもしなくてもいいのだ。誰に強いられることでもなく自分が望んだのならどちらだって。ましてや大切なものは一つじゃなくていい。」

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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