滅びの前のシャングリラ (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2024年1月23日発売)
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  • 本 ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122074712

作品紹介・あらすじ

「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。

なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」



「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。



〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう

感想・レビュー・書評

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  • ブクトモさんの本棚で見かけ、いつか読もうと温めていた作品。

    アルマゲドンやんっ!
    私の頭の中で、エアロスミスの「I Don't Want to Miss a Thing」が鳴り出した。

    こんな柔らかな装丁なのに、アルマゲドンかぁ!

    こんな装丁なのに、思いの外人が死んだ。
    バッタバッタ死んだ。。。


    あと一ヶ月で小惑星が衝突し、地球が滅びると言う時、自分ならどう思って何をするのだろう?

    やっぱり『お母さん』としては、子供達が食べる物を必死で調達するだろうなぁと思った。

    一番先に考えたのがソレ!?
    そーなんですよ。
    私は常に家族の食事だけを考えていると言っても過言ではないかも。

    こんな日が来るのなら、庭一面畑にして、食べ物を育てないとなぁとか、略奪でしか食べ物が手に入らないのであれば、人も殺すだろうなぁとか。。。
    お風呂に入らないのもしんどいけど、食べ物が手に入らないのが一番キツいだろうなぁとか。

    最後の最後の日、お金なんてあっても役に立たないよね。
    やっぱり電池だよね!
    電池大事だよね!!!
    備えなはれやっ!!



    凪良さんの文章、好きだなぁ。。。。

    • 土瓶さん
      いや、本気で知らん???
      テキトー言ってみただけですよー。
      いや、本気で知らん???
      テキトー言ってみただけですよー。
      2025/01/04
    • ultraman719さん
      1962年の作品ですからね。
      私もリアルタイムでは観れてません。

      本多猪四郎(監督)
      円谷英二(特技監督)

      なので、初期のゴジラ作った人...
      1962年の作品ですからね。
      私もリアルタイムでは観れてません。

      本多猪四郎(監督)
      円谷英二(特技監督)

      なので、初期のゴジラ作った人達ですね。
      2025/01/04
    • bmakiさん
      土瓶さん、ウルトラマンさん

      土瓶さん、実は知っておられるのでは!?
      土瓶さんのコメントの中に答えがあるのですね!?
      どれも難しそう...
      土瓶さん、ウルトラマンさん

      土瓶さん、実は知っておられるのでは!?
      土瓶さんのコメントの中に答えがあるのですね!?
      どれも難しそうですし、あんまり現実的ではない??(^◇^;)
      2025/01/04
  • 「1ヶ月後に地球に小惑星が衝突する」これがこの本の設定です。私はこのような設定の本を初めて読んだので普通はどんな感じに進んでいくのかがわからなかったのですが最後の対談をみて、滅びることを受け入れる世界線というのはあまりないのだと知りました。
     そして、微妙なのが1ヶ月という時間です。1週間だと滅びることを受け入れなければいけないかもしれません。1年だと何か対策を考えるかもしれない。でも、1ヶ月なんです。人々は最後の一ヶ月をどう過ごすのか。

    • コルベットさん
      うたえながさん、こんばんは♪いつもありがとうございます。たしかに一ヶ月というのが微妙ですよね。いっそのこと今日の明日とかのほうが余計なこと考...
      うたえながさん、こんばんは♪いつもありがとうございます。たしかに一ヶ月というのが微妙ですよね。いっそのこと今日の明日とかのほうが余計なこと考えなくてよいかも(゚A゚;)
      2024/08/26
  • 凪良ゆうさん著『滅びの前のシャングリラ』の概要と感想になります。

    『ぼく』から始まり、『あたし』で終わる物語

    地球に小惑星が衝突すると世界中で話題となり、世界は日に日に混沌へ包まれていった。『ぼく』こと江那友樹は幼き日に出会った藤森さんに恋をして、高校生になっても美人な藤森さんを追いかけて東京へと旅をする。終末が近づく旅の中で江那や藤森、そして多くの人たちは最期の時まで幸せを探し求めていく。

    感想です。
    終末というと伊坂幸太郎さんの『終末のフール』が浮かびますが、本作は宮野優さんの『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』に近い印象を私は受けました。ディストピアだけれども小さな希望を抱いて最期まで生きようとする人々の姿、凪良ゆうさんらしい青春の描き方は世界観に浸りつつも最期の続きを求めてしまいますね。『汝、星の如く』は読みかけですが本作は様々な感情に共感できて好みでした!!

  • 小惑星が地球に衝突し、一か月後には地球が滅びる、ということが明らかになった世界。
    学校でいじめを受ける少年、彼が思いを寄せる少女、少女が憧れる歌手、少年の母親、人を殺したヤクザ、これまで人生をうまく生きられなかった彼らの残りの時間の生き様が描かれる。

    最期の日に向かってぐいぐいと進む物語をとても面白く読んだが、いずれの人物にもあまり共感はなかった。
    なので、死を前にして何を思うかとか自分だったらどうするだろうかみたいな、まともな感想が浮かばない…。

    以下、読んでいる最中、頭に浮かんだどうでもよいこと。

    荒廃していく世界が描かれていくが、昔のSFには、小惑星が迫ってきたら、だんだん大きく見えてきて、空が暗くなってきて…という描写があったのを思い出した。本当にそのようになるのかどうか知らないが、切迫感は煽られたような。今回は、だから、ちょっと物足りなさが残った。

    荒れ果てた大阪が『とりあえずワンカップと競馬新聞と赤ペン持って、酒焼けした顔でふらふら歩いてるぶんには襲われない』って随分な言われ方。今どき、競馬場でもそんな人はいないけど。

    そんな世界でも一部のエンジニアがネットワークをダウンさせずに死守しているところが見上げたワーカホリック。だけども『なんもやることないと、おかしうなりそうやん』って、なんとなく分かる。

  • 伊坂幸太郎さんの終末のフールを思い出しました!

    終末のフールは8年後に小惑星が衝突すると発表された5年後の物語。
    本作は1か月後に小惑星が衝突すると発表された物語。

    現実の世界では人類滅亡の危機は発表されないのではないか?と考えてしまう。何故なら働く人々の生活意欲が落ちて社会が機能しなくなる事。多くの人が自暴自棄になり犯罪が横行する事。そして、未来に絶望して多くの人が自殺してしまう事は、仮に一週間後に世界滅亡の事実を政府が知っていても、国民にその事実を伝えるメリットは無いと思われる・・・

    本作の主人公はリレーのように繋がっていきます。

    最初の主人公は小太りの高校生で同じクラスのスクールカーストが高い生徒に虐められています。
    しかし、同じクラスのハイカーストの女の子に恋をしています。そして、その子と小学生の時にある約束をしており、そんな折に世界の終わりが告げられるニュースが発表されます・・・
    そして、2章の主人公はヤクザです。
    なんでも、暴力で解決しようとする暴力マンです・・・

    凪良ゆうさんを読んだのは初めてですが、
    他の作品も読んでみたいと思いました!!!

  • 地球に隕石が落ちて人類滅亡。
    残りの人生あと1ヶ月。
    最悪な展開だ。
    誰もが一度は考えるであろう、『死ぬ前にやりたいことは?』
    人生の最期はどんなことをしていたいだろう。
    やり残したこと、たくさんあるよなあ。

    5人の主人公たちはみんな負の感情を抱えていて、死にたいとかいなくなりたいとか人生をうまく生きれない人たち。
    だけど残りの人生1ヶ月ってなると、躍起になってやりたいことを遂行しようと殻を破っていく。
    まだ生きたいって思えてくる。
    最期はみんな幸せそうに終わるんだ。
    選んだ道が正しかった、だけど悲しく複雑な結果で終わる衝撃的な作品でした。

    現実と小説の区別がつかなくなるくらい没頭してしまって、朝起きた時『あれっ隕石落ちるんだっけ?』って錯覚してしまう毎日でした。

  • 一ヶ月後に地球が滅びてしまう世界での
    最期の一ヶ月を4人の視点から描いた作品。(巻末の掌編小説を含むと5人)
    精緻な心理描写に心動かされました。

  •  一か月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。人生に不器用な5人は、最期の時までをどう過ごすのか。

     エピソードごとにそれぞれの視点で物語が進み、それぞれの人生の苦しみを味わいながら、最後の結末を迎える展開でした。

     人生の終わりがはっきり見えることで、改めて生き方を見つめ直していく人たちと、自暴自棄に走る人たち、自分だったら、どちらになるのか、深く考えさせられました。

     おそらく、どちらかの側に居続けることは難しく、そのジレンマに苦しむのではないでしょうか。

     今の私は、命いっぱいに人生を歩んでいるのか、問い続けていきたいです。

     また、ありきたりかもしれませんが、苦しいことがたくさんある中で、今あるちょっとした幸せを見逃さずに大切にしていきたいと思いました。

  • 一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する世界
    想像以上にサバイバルなお話でした

    死に向かって着実に進んでいるのに、終わりが近づくにつれて生きる喜びを見出して命の輝きを体から放つような様に心を奪われたかんじがする
    特に路子の章がすごかった!
    終わりの時が来た時の文章も良かったな…

  • あまり好みではなかったので星2つ。地球が滅びるとしたら…。登場人物それぞれが過去と今現在にどう向き合って生きていくかが詳細に描かれている。それにしても、地球が滅びると分かった時からの社会の荒れ方が恐すぎる!後半の主人公である路子の心情の移り変わりは、芸能界って大変なんだなーって少し興味を持った。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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