身もこがれつつ 小倉山の百人一首 (中公文庫 す32-1)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 中央公論新社 (2024年5月22日発売)
4.00
  • (7)
  • (6)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 143
感想 : 10
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784122075191

作品紹介・あらすじ

中山義秀文学賞受賞&「オール讀物」誌「時代小説、これが2021年の収穫だ!」――傑作和歌ミステリー、待望の文庫化

鎌倉初期の天才歌人・藤原定家の恋と「百人一首」の謎に迫る


平安時代の最高権力者・藤原道長に連なる藤原北家ながら傍流の御子左家は、歌壇ではそれなりの実力を発揮しているものの、公家の出世レースではパッとしない家柄。当家の次男に生まれた藤原定家は、病由来の難聴を克服し、侍従時代の同僚で親友の藤原家隆らとともに「新古今和歌集」の選者を務めるなど、歌壇でめきめきと頭角を現す。鎌倉幕府に押され気味の朝廷の権威回復を狙う後鳥羽院は、そんな定家に、三代将軍・源実朝に京への憧れを植え付けるため「敷島の道(和歌)」を指南せよと命ずる。後鳥羽の野心は肥大し、ついには倒幕の兵を挙げんとするが……。
知らぬ人のいない「小倉百人一首」には、なぜあの100首が選ばれたのか? 同じく藤原定家選の「百人秀歌」より1首少なく3首だけ異なる理由とは?――「承久の乱」前後の史実をきらびやかに描きながら、その謎を解き明かす。

目次
一の章 還御の噂
二の章 いとしの友よ
三の章 菊花の王
四の章 はかなき鎌倉将軍
五の章 勅勘と大乱
六の章 嵯峨山荘の障子和歌
附 記

 解 説 大矢博子

みんなの感想まとめ

和歌を通じて鎌倉時代の人々の思いや歴史のうねりを描いた作品は、藤原定家や家隆、後鳥羽上皇の複雑な関係性を巧みに織り交ぜています。特に「百人一首」に親しんだ読者には、馴染みのある歌が物語に深みを与え、感...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 藤原定家、家隆、後鳥羽上皇をめぐり錯綜する思いや歴史のうねりを和歌を通じて描いた傑作です 当然大部分の和歌は百人一首で馴染みのある歌ばかりです

    ネタバレになるので詳しくは書きませんが、人によっては拒絶反応に感じるかるかもしれませんが、全体を通じて流れる空気感は見事に鎌倉時代の社会を生き生きと描いており小説として完成されておりオススメです

  • 最後まで読み、また初めの方を読んだ。
    小学生の頃に覚えた百人一首の物語、鎌倉殿の13人を観たからこそ、よりまざまざと思い浮かぶ。とても引き込まれた物語だった。

  • 百人一首がどう成立したのか、家隆との友情と恋、それに後鳥羽院も混ざっての三角関係という著者の想像力と、幕府との関係や承久の乱などいろいろな史実としてのイベントを絡めてその過程を描いている。終わりのほうは本当に泣ける。いい小説だし、和歌とは何かとか、当時の朝廷と幕府の関係とか、あまり今まで意識してこなかったこともよくわかった。鎌倉殿の十三人でなんとなく名前は知っていた人物たちも、立体的に浮き上がって捉えることができるようになった。宇都宮蓮生がまたいい味出している。坂東武者でありつつ京の文化も理解しながら、いろんな人のアイディアを踏まえて独自の文化というか趣向のようなものを造りだしているところ尊敬。
    和歌とは、神代の昔に始まる敷島のやまとの国の心そのもの。歌の心とは、この国に一千年積もり積もったみやび男みやび女の思いの重畳であり、その幾千万の思いのいちばん上におのれの思いをひとひら載せて、そっと水面に浮かべることである。逆に言えば、おのれのひとひらの思いの下に、幾千万のみやび男みやび女の思いを踏みしめることである。和歌についてもっと真剣に学んでみたいと思った。

  • 百人一首の本をまた読み直したくなった。

  • 百人一首の編纂、、、そして、謎、、!。

  • 周防柳さんの作品を読むといつも、思いもしなかった歴史上の人物と自分の近さを感じ陶然とする。

  •  藤原定家の一代記。和歌といえば百人一首、百人一首といえば定家というくらいの有名人、華々しい人生かと思いきや、本作の定家は才能はあるものの華やかさとは程遠い、努力の人という感じ。実際はどうだったのか分からないが、和歌だけで位を上げたいという意志の強さと京文化への誇りが気持ち良い。後鳥羽院の鎌倉府への怒りの過程も丁寧に描いていてその点も興味深かった。
     また、隆家との対比も良い。感覚の隆家と理論の定家。両方が併存しうるのも和歌の素晴らしさであるし、私は定家の考え方に共感するので、過去の良作に触れることの大切さを感じた。
     ただ賛否が分かれるであろう、後鳥羽院・定家・隆家の恋の三角関係。確かにこの時代、男色は日常であり、それを描くこともリアルを追求する点では良いと思う。ただ、生々しすぎるし、この設定がなくとも三者の関係性は描けたのではないかと思う。BL小説やドラマが流行っているこの時勢にこのテーマというのも少し商業的な匂いがして嫌だった。朝ドラ『虎に翼』でも同性愛を描いているが、あれくらいあっさりで良かったと思う。

  • 百人一首にはなぜあれらの和歌が選ばれたのか? 承久の乱前後の史実を煌びやかに描きながらその謎を解き明かす、中山義秀文学賞受賞作。〈解説〉大矢博子

  • 2025年5月9日購入。

  • 【請求記号:913.6 ス】

全10件中 1 - 10件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1964年生まれ。作家。早稲田大学第一文学部卒業。編集者・ライターを経て、『八月の青い蝶』で第26回小説すばる新人賞、第5回広島本大賞を受賞。『身もこがれつつ』で第28回中山義秀文学賞を受賞。日本史を扱った他の小説に『高天原』『蘇我の娘の古事記』『逢坂の六人』『うきよの恋花』などがある。

「2023年 『小説で読みとく古代史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

周防柳の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×