- 本 ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122075368
作品紹介・あらすじ
子どもが創造力を発揮するとき、嘘をつくとき、自分の世界にこもるとき……。〈心の問題〉を見つめ続けてきた著者が、各界を代表する十七人とユニークな子ども時代を語り合う。その対話からは、個性豊かな個人史とともに戦後日本人の歩みが浮かび上がる。同テーマで二期にわたって行なわれた対談を合本にする完全版。〈解説〉小川洋子
感想・レビュー・書評
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分析心理学(ユング心理学)の臨床心理学者の河合隼雄さんが各界を代表する16人にその子ども時代の話を聞く対談集。
河合隼雄さんのお話を聞く姿勢や受け答えは実にスムーズでおおらかで、こんなことまで話していいのかな、と読み手が心配になるほどの内容もありましたが、時に過酷であったり複雑なものであっても何故か爽やかさや清々しさのようなものを感じられ、心が暖かになる対談集でした。
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初出「飛ぶ教室」の連続対談(1985〜1987/2005〜2006)をまとめた「あなたが子どもだったころ」(光村図書出版→楡出版→講談社+α文庫)と「子ども力がいっぱい」(光村図書出版)を合本にしたもの。80年代のものをまとめた講談社+α文庫は学生時代に買って持っている気もするが、改めて読めばまた発見やあらたに思うこともあろうと思って手に入れた。
この対談で、あるいは別の文章で読んだことのある子ども時代の思い出話はどれもなかなかドラマチック(冒頭の鶴見俊輔など壮絶としか言いようがない)で、だれの子ども時代に多かれ少なかれ似たようなドラマがあるのかもと思う一方で、こういう修羅場を生き延びたからこそ、このような人物になりえたのかもとも思える。
夏の移動のおともに少しずつ読み進めた。
鶴見俊輔のほかでは、田辺聖子、武満徹、竹宮惠子、司修、大庭みな子あたりが印象深いが、どの人のこども時代もほんとうにおもしろかった。
河合隼雄さんが倒れてしまい、中断したあとどんな顔ぶれが予定されていたのかわからないが、続きがないのが惜しまれる。ここに登場した人の中には、思いもかけないことを思い出したり、よそでは話したことのなかったことを打ち明けた人もいて、河合隼雄の聞く力に改めて敬服した。この連載に登場したかたがたはある意味運がいい。
インタビューしてもらうことはもはや叶わないけど、なんとなく自分自身の子ども時代もあれやこれや思い出されるひとときになった。 -
こんな偉大な人たちでも子どもの頃はやっぱり子どもだったんだなぁ。こんな母親でも子どもは立派に育つんだなぁ。
どんな育児書を読むよりも、育児に関して元気がもらえた笑
そしてまた、河合隼雄の対談集を読んだ時はいつもそうなんだけど、読みたい本が渋滞する。 -
■対談相手、鶴見俊輔、井上ひさし、佐渡裕氏など
16名、若き心とその後への秘めた力が語られ興味深い。 -
対談集が好きだ。河合隼雄と小川洋子の対談集を読んだあとにたまたま書店で見つけて買っておいたのだけれど読んでよかった。対談相手が本当に豪華。河合先生のすべてを受け止める相槌も読んでいてホッとする。
他にも読みたい本がたくさんあるし、かなりの読みかえすかと言うとそうではない気がするけれど読んでよかった。 -
子どものころの記憶と位置付けを引き出している。この人にそんなことが、と面白い。
聞き出してしまう心理学者というのは、すごいなあ -
臨床心理学者と各界を代表する十六人が幼少期の思い出を語り合い、浮かび上がる「私が私になるまで」。好評連載対談を全一冊にした完全版。〈解説〉小川洋子
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