占領神話の崩壊 (中公文庫)

  • 中央公論新社
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  • 本 ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122075405

作品紹介・あらすじ

日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。

 フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。

 駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。

 本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史にせまろうとするものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片政策とそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。

 戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。

感想・レビュー・書評

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  • 西 鋭夫、岡﨑匡史『占領神話の崩壊』/極秘史料を解読し、日本近代史の争点を徹底的に掘り下げる | 小説丸(2021/10/13)
    https://shosetsu-maru.com/recommended/book-review-871

    西鋭夫・岡﨑匡史著『占領神話の崩壊』 – 歴史認識問題研究会(2022-09-28)
    http://harc.tokyo/?p=2966

    <読んでみた>占領神話の崩壊:北海道新聞デジタル
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1043728/

    占領神話の崩壊 -西鋭夫/岡﨑匡史 著|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/07/005453.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 占領下の日本で収集され米国に持ち出された多くの公文書が、70年間地下室で眠り続けていた。これら極秘文書の調査から、隠蔽された歴史の真実を炙り出す。

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著者プロフィール

1941(昭和16)年真珠湾攻撃の5日後、大阪市住吉に生まれる。岡山県の山間の城下町備中高梁へ疎開。関西学院大学文学部卒業直後の1965年7月、シアトルのワシントン大学大学院へ留学し、博士号PhD(国際政治・比較教育学)を取得。留学初期、授業料稼ぎのため肌が切れるほど寒いアリューシャン列島サケ缶詰工場(イクラ製造)やニューヨークのJ. Walter Thompson広告代理店に勤務。シアトル大学大学院客員教授、麗澤大学教授、日本大学大学院教授、モラロジー研究所教授、滋慶学園教育顧問などを歴任。現在、スタンフォード大学フーヴァー研究所「Tadahiro Ogawa Fellow」。著書に『國破れてマッカーサー』『富国弱民ニッポン』『アメリカ帝國 滞米五〇年』などがある。懸賞論文「美学の國を壊した明治維新」で第九回最優秀藤誠志賞を受賞。

「2021年 『占領神話の崩壊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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