本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784122075481
作品紹介・あらすじ
日本語は本当に非論理的なのか――欧文との構成の違いを不連続の点と線、豆腐と煉瓦でたとえ、その独自の論理性と創造性を明らかにする。一方で、文学偏重の国語教育に対し、抽象論理的な思考に基づく「日本語」教育の重要さを説く。「島国考」、「知識と思考」(講演)を増補。
(目次より)
Ⅰ
日本語の論理/日本語と創造性/文章構成の原理/思考の組み立て
Ⅱ
日本語の姿/日本語点描
Ⅲ
言語と思考/外国語の学習と思考/アイランド・フォーム/エレガントな対立/外国文化三つの顔/外国語論
Ⅳ
映像と言語/映像と言語の二重文化/不同調の美学
文庫版のあとがき
*
島国考
〈講演〉知識と思考
感想・レビュー・書評
-
並行して読んでいた 谷崎潤一郎氏の文章読本と少し近い所を感じ、いつもながら面白く、勉強させていただきました。かなり古いようですが、新しく今でも課題が変わらないのではと思いました。 最後の講演の中で、フランス通信 の件 エッセイ その頃秀逸と言われてたものどんなだろう?と、中古で購入します。どんなものなのか?楽しみのような不安なような、こんなの買うものか?って事も考えながら。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心の旅は外国語の勉強。肉体的にも心にも旅が必要です。
-
「思考の整理学」著者による日本語論。1973年の本の増補改訂版である。
日本語は外国語と比べて論理性に欠けると当時(今も?)指摘されることがあるが、これは異なる言語を欧米の論理のものさしで計っているからだ。日本語が非論理的なのではなく、外国語とは違う日本語ならではの論理があるというべきだ。…というのが本旨のよう。とはいえ、欧米(またはその言語)を見習うべきという主旨の主張も織り交ぜられている。
巻末に付け加えられた講演の内容が、本書の主張を要約していて分かりやすい。
英語のパラグラフリーディングが大事とはよく言われるが、当時からこのことは著者によって指摘されていたよう。日本語の古典に段落がないことは知っていたけど、近代まで日本語に段落がなかったというのは驚いた。そういうのを聞くと、言語によって論理が違うというのにも頷けてしまう。
外国語を訳すときに、単語を文の中に入れ替えるのと同じように、文を段落の中で入れ替えて訳すことも試みられるべきだ(なぜなら、段落の中の論理構造が言語間で異るから)という主張は面白かった。
英語をネイティブと同様に学ぶことが流行っているが、それでは外国語を外国語として学ぶことによる効用が失われる。という主張も。これについては今日には馴染まないかな…。第二外国語の学習が、この外国語を学ぶ効用に相当しそう。
メモ
日本語は英語などと比べて
・動詞構文
・人間中心で物が主語になりにくい(物と物の関係が論じられにくい)
・パラグラフを意識した文の理解がない
・聖書やハムレットに相当するような、みんなが暗誦できるほど知っている名文(書くときの土台になるもの)がない
当時の国際情勢なんかも感じられた。また、最近読んだ『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』にも通ずるところを感じた。 -
2024/9/7 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
-
日本語の独自の論理性と創造性を明らかにし、文学偏重ではない抽象論理的な思考の国語教育の重要さを説く。論考「島国考」、講演「知識と思考」を増補。
著者プロフィール
外山滋比古の作品





