母親からの小包はなぜこんなにダサいのか (中公文庫 は74-2)

  • 中央公論新社 (2024年8月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784122075498

作品紹介・あらすじ

「こんなにたくさん。こっちでも買えるって言ってんのに!」

野菜、お米、緩衝材代わりの肌着や靴下、ご当地のお菓子など。昭和、平成、令和――時代は変わっても、実家から送られてくる小包の中身は変わらない!? 業者から買った野菜を「実家から」と偽る女性、父が毎年受け取っていた小包の謎、そして母から届いた最後の荷物。家族から届く様々な《想い》を、是非、開封してください。

〈解説〉岩井志麻子

感想・レビュー・書評

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  • 母親からの小包(宅急便)にまつわる上京物語、ママはキャリアウーマン、疑似家族、お母さんの小包お作りします、北の国から、最後の小包の6話の短編集。

    疑似家族とお母さんの小包お作りしますだけは話がリンクしていてあの話に出てきた娘さんが現在こうなのかーとわかって面白かった。どの話も気軽に読めるし面白いけど、短編集でもリンクしてて、前の話の登場人物が次の話で出てきて前の話の後日がわかったりする話が好きなので、もっと先の話が知りたくなる終わり方で消化不良な部分もある。最後の小包は主人公の女性があまりにも子供っぽくて感情移入は出来なかったけど、物語としてはどの話も、起承転結がちゃんとしていて良かったかな(結をもう少し詳しくと思わなくもなかったけど)。面白いけど図書館で十分の本かもしれない。

    親からの小包を受け取っていた自分も、娘が大学入学と同時に家を出て小包を送っている。自分が小包を送る側になるなんて!月日が流れるのは早いこと。頼まれたものを入れて、すきまがあれば思いつく限り子供がお腹すかせないようにと日持ちする食べ物などを入れている。入りきらなくなってもう少し大きい段ボールもらってきたりして・・・本末転倒。そんなお母さんの小包は子供への愛情そのものだと思う。自分が受け取っている時もださいと思うことはなく、色々なものがこれでもかと入っていて宝箱と思っていたから。

    • かなさん
      おはようございます。
      私も週末には娘への小包を送る予定です!
      隙間に何入れよう、何入れたら喜んでくれるのか??とか
      考えながら送ると
      ...
      おはようございます。
      私も週末には娘への小包を送る予定です!
      隙間に何入れよう、何入れたら喜んでくれるのか??とか
      考えながら送ると
      娘からは、こんなにいらないよぉ~とか言われちゃうんです(^-^;
      2025/05/09
    • ましゅまろこさん
      かなさん!コメントありがとうございます。かなさんもお嬢さんに小包を送っているんですねー。そうそう誘惑の隙間があるんですよね。その隙間に入れる...
      かなさん!コメントありがとうございます。かなさんもお嬢さんに小包を送っているんですねー。そうそう誘惑の隙間があるんですよね。その隙間に入れることのできる、子供の喜ぶものを探して詰め込んで、愛情を送っているけど送る方も詰め込んでいるその時間がとても贅沢で楽しい時間ですよね。女の子はダイエットとかも考えるから闇雲に食品を入れるわけにもいかなし難しいけど親の工夫のしどころですよねー。コメント嬉しかったです。
      2025/05/09
  • 親からの小包ってことで、登場する主人公たちはどこか不安定な幼さの残る社会人が多い。
    社会に出たばかりで慣れない仕事や環境に置かれた人たち。家族とのつながりが途切れたり、逆に近づいたことで距離感に戸惑ったり。
    小包の中身もそんなにダサくないし、愛情が感じられる。売り物の小包ではあるけど、ぐんまちゃんタオルはうらやましかった。

  • 長編小説と思って読みだしたら短編小説だったのでガッカリ!
    でも読み進めていくと夢中になっている自分がいた。
    これは作家の力量か。過去に何度か読んだことのある原田ひ香さんに改めて興味をもった。
    特に第三話の疑似家族
    これが最後のチャンス、今ならぎりぎり間に合う
    とても胸をうった。

  • 私も学生時代に、今は亡き母親からたくさんの小包を送ってもらった。
    確かにダサかった。
    そして、愛情がこれでもかというほどにこもっていた。

    この本はそんなお母さんからの愛情物語。
    心がホッとあたたかくなる話ばかりである。

    その中でも心に残っているのは、
    擬似家族
    お母さんからの小包お作りします
    最後の小包

    特に、擬似家族。
    あれからどうなったかな。
    彼女の気持ちが痛いほどに理解出来るから、嘘を責める気持ちになんてならなくて…
    どうか周りの人達に理解されて幸せな結婚が出来ていますように。

  • 無償の愛情表現って、カッコじゃないんだよね、、
    小さな小包の中には相手(本書の場合、娘など)を想う気持ちがたくさん、たくさん詰まっている。
    それは「価値」では測れないもの、、

    そんな中で一番印象に残ったのは、
    「疑似家族」だ、、
    愛華の気持ちも分かる、、大切と思える人に出会えて、でも自分の家族に引け目を感じてしまう。
    そんな時、「きっとこの人なら理想の家族を演じてくれそう、、、」
    めぐみさんはさすが、大人だ、、それは先の先まで考えて「貴方はこうすべきでは?」と優しく寄り添ってくれる。
    次章にも繋がるストーリーだが、自分はこの二人を応援したい気持ちでいっぱいになる。
    そう、その気持ちが小包の中いっぱいに詰まっているから、、

    大切な物語ですね。

  • ダサいのではなく、「温かい」のだろう。
    私自身毎週実家に帰ると、母が用意していた紙袋を身体に気をつけてねという言葉とともに戴いて帰ってくる。
    その袋の中身が笑える。だいたいが綺麗に洗われた野菜だが、他に栄誉ドリンク、ビール、柿の種、おにぎり、ヨーグルト、サバ缶(笑)

    そんな私としてはすごく解るお話。
    なかでも母の理想と自身の生活様式の考え方が違う物語はぐさぐさ来た。
    話しても話しても平行線をたどる母の理想の娘像にそぐえない娘。
    むちゃくちゃ解る。
    いろんな親子の形はあれど、ダサいけど温かく、娘の幸せを祈る母の、そして、そんな母に対する迷惑そうな顔をするも感謝しかない娘。
    温かいお話でした

  • うちにも母親からの小包が時々届きます。
    確かにダサい。
    でも、いろいろ送ってくれるのは嬉しい。

    この小説のように下着やストッキングなどは入っていないけど、隙間があると鰹節や自家製のきゅうりの佃煮などを詰めてきたり…

    どこの母親もみんな同じだなぁ〜と。

    一度好きだと言ったものは毎回入ってくる。
    「もういらないよ」と言わない限り永遠に。

    母親を思いながら読みました。

  • タイトルだけ見て「そりゃ悪かったわね」と母親をしている私は毒付き、でも手に取り読んでしまった。
    じーんと沁み入る短編なのだけど、どれも都合よくいい人ばかりのいい話で、ちょっと物足りなかったかな。岩井志麻子さんの解説がもうひとつの短編みたいで さいこーです。

  • 母親からの小包!貰っている時は、それほど思わなかったけど、今は亡き母、もう私に届く小包はない!届いた時の安心した思い!
    ネタバレになりますが、小包が届かない人のそれぞれの思いが悲しかったです!

  • 大学生の頃、実家から小包が届いた時、こっちでも買えるし送料が勿体無いから現金の方がいいんじゃないと言ったら、それから送られることはなく、二十年後に寂しそうにそのことを言われたことを思い出した。

  • 私も母とのことを思い出し涙が溢れました。上京した私を心配して何度も小包を送ってくれる母に「また送ってきた‥もういいよ」なんて冷たく言ってしまった事も。

    その当時の体験は 母の温かな愛情をもらっていた貴重な時間であり‥当たり前ではなかったんだなと。今は亡き母にありがとうと伝えたいです

  • 6話の短編集。小包から展開される話は最終的にはどれもあたたかい気持ちにさせられた。亡き母から送られてきていた小包を思い出した。まさしく、こっちでも買える品々を送ってきていたなぁ…と。もう送られてくることはない小包に感謝と寂しさを感じた。

  • 最近では届いて来なくなった母親の小包はそういえばこんなだったな〜と懐かしく思った。

    「小包」からこんな色んなお話が出来上がるんだな〜
    とても楽しめた。

  • タイトルの通り、母親から送られてくる小包をテーマにした6つのお話。
    本当の母親から送られる小包だけでなく、まるで田舎の母親から送られたような小包を送る農家の話や毎年送られてくる昆布の小包などどれもほんわかとするような暖かいお話だった。
    個人的には母親から送られてきた小包だと偽る話が印象的だったかなー。本当のことはなしちゃいなよ!と読みながら何度思ったことか。
    あとは最後の男性不審な主人公と再婚した母親とそのお相手の話も印象に残ってる。主人公の弓香の気持ちがよくわかってしまう。たぶん、同じ立場だったら私もそう思ったりそういう行動をとってしまうかもと思った。実の父の不倫により両親が離婚し、母親と二人暮らしをしていた弓香。社会人となったある日母から再婚したいと言われる。その相手『まさお』(漢字すら覚えたくないという弓香)にイライラしてしまう弓香。まさおが悪い人なわけでもない。再婚した母親とも疎遠になったある日、母親が亡くなってしまう。そんな母親から届いた最後の小包。母の子を思う気持ちにグッときてしまった。

  • 第五話 北の国から
    亡き父に、ずっと送られ続けられていた北海道からの昆布。

    第六話 最後の小包
    義父との確執。母親が亡くなった後、知らされる小包の中身。

    この2話が心に残った。


    元気でいるか 街には慣れたか…
    そんな歌が流れくるような読後感だ!

  • 読みやすかった!!!^^

    家族を大切にしよう、親孝行しようって思えました!

  • 小包をテーマに短編小説!
    原田ひ香さん7冊目!
    あっさり読めていいね!

  • 実家から届く母からの小包など小包にまつわる短篇集。

    大学で親元を離れ一人暮らしを始めた私の元に届く母からの小包を思い出して、うるうる。
    ありがたかったな。
    そして結婚して横浜に住んでいる今も、定期的に届く母からの小包。
    母からの小包には愛がいっぱいつまってるのはもちろん、母からでなくても、小包って相手を思って詰めるから、愛がつまってるんだなって思いました。

  • 読みやすくていい

    自分の家を恥ずかしいと感じるのは誰にでもあることだろうと思う。思春期なら当然そうだろうという気もするが、本作に出てくるのは家を出て社会人になっている人たち
    オムニバス形式で様々な家庭を描くことで、自分の家が恥ずかしいと感じるのはただの「ないものねだり」と気付かされる面もあるが、
    それ以上に小包を通じて、母の子に対する愛情がどの家庭でも同一のものであると感じさせる

  • 読みやすい。最後の話は泣けた。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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