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本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784122075504
作品紹介・あらすじ
多くの作家、芸術家を魅了し、作品の舞台、創作の淵源、そして彼らの交友の拠点となった「喫茶店」。第二集では、海外の旅行記(ブラジル、トルコ、イタリア、パリ)を新たに収録。さらに、永井荷風「おもかげ」、筒井康隆「二人でお茶を」など、読み応えのある快作を加え、「面白さ」においては第一集を超える充実した内容を目指した。小説・随筆を織り交ぜた全23篇。
◆収録作
「コーヒー・ブレイク」長尾みのる/「「贈物だよ」と八百屋のおじいさんは言った」澁澤幸子/「女ひとり」犬養道子/「旅のたより」辰野隆/「色気と食い気」岡本太郎/「バラック・カッフェエ」久米正雄/「カフェの開く途端に月が昇った(抄)」稲垣足穂/「あの頃」立野信之/「おもかげ」永井荷風/「ぼくのコーヒーハウス」田村隆一/「火曜日の午後」串田孫一/「会話のエスプリを鍛えるために」安西冬衛/「私の遍歴時代(抄)」三島由紀夫/「W・ベンヤミンに倣って」矢川澄子/「etude 調子はずれの木琴」岩城宏之/「私たちの夜の大学」五木寛之/「ぼくの早稲田時代(抄)」川崎彰彦/「植物祭(抄)」富岡多惠子/「吹雪のハドソン川」中上健次/「逗子(抄)」森山大道/「二人でお茶を」筒井康隆/「おちょくり喫茶」田辺聖子/「後記――原稿紛失の記――」森茉莉
感想・レビュー・書評
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アンソロジー。オビに「ページをめくれば、そこは純喫茶」と書いてある。冒頭におかれた長尾みのる「コーヒー・ブレイク」では1953年のブラジルのコーヒー・バーへ、次におさめられた澁澤幸子「『贈物だよ』と八百屋のおじいさんは言った」ではトルコのモーテルに連れていかれ、どこが純喫茶? と思いながらも楽しく読んでいると、久米正雄「バラック・カッフェエ」で関東大震災直後に今東光が日比谷公園内ではじめた怪しげな店へと迷い込むことになった。すべて読み終わってから「編者解説」を読むと、このような作品配列は意図的なものだったようで、編者の誘導に見事に酔わされたみたい。銀座の不二屋を舞台に武田麟太郎らとの交流を描いた立野信之「あの頃」と、フラッパーな感じの富岡多惠子「植物祭(抄)」が特に強い味わい。
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2024/9/16読了。
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永井荷風、岡本太郎、中上健次、筒井康隆、田辺聖子……。国内外の「喫茶店/カフェ」を舞台に、名手が紡ぐ味わい深い随筆・短篇二三作。文庫オリジナル。
著者プロフィール
林哲夫の作品





