疼くひと (中公文庫 ま57-1)

  • 中央公論新社 (2024年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784122075856

作品紹介・あらすじ

脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を実感していた。そんなある日、SNSで年下の男と出会い、生活が一変する。忘れかけていた自分の「女」の顔に戸惑いつつ、いつしか身も心も溺れていく燿子。人生後半から燃え上がる大人の恋の行方は……。センシュアルで真摯なラブストーリー。

70代女性の心と身体のリアルを描き話題を呼んだベストセラーが、ついに文庫化!
〈解説〉斎藤美奈子

みんなの感想まとめ

人生の後半に訪れる恋愛のリアルを描いたこの作品は、70代の女性が年下の男性と出会い、再び自分の感情に目覚めていく様子をセンシュアルに表現しています。古稀を迎えた脚本家・唐沢燿子が抱える「老い」の不安と...

感想・レビュー・書評

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  • 疼く人 松井久子
    古希を迎えた脚本家・唐沢燿子がSNSを通じて知り合った15歳年下の鳶職・沢渡蓮との性愛小説。老いとの不安の中、今後訪れることがあるかないかの人生だとすると、誰もがハマりうる官能小説並のリアルな描写だった。次作も楽しみ。

  • 70歳になった主人公が男女の性愛を諦めずに、不安を感じながらも「第三の人生」を歩もうとするラブストーリー。
    いわゆる高齢者の世代に性があるのかを問うことをタブー視されがちだが、意外とこのまま歳をとっていけば私も性が全くなくなるとは思えない。
    作中でも語られる、女性は閉経して生殖機能を失ってから晴れて性愛を謳歌できる、という言葉はなんとなく納得した。

    結婚して妻になり、母になり、祖母になり人生のステージごとに役割を与えられ、自分自身を解放しきることはなかなかできない。
    実の娘に家族として必要とされず、脚本家として賞味期限切れになった主人公の燿子だからこそ、「第三の人生」でなんの役割も持たず自分自身を解放でき、本当の自由を楽しむことが出来たのだろう。

    70歳になっても恋愛ができるのは素敵だと思うが、あくまで燿子の立場だからこその現実とは違ったファンタジー。
    性の描写が細かく描かれているが本当に感じられる人はそう多くはないと思う。

  • もしこれが20〜30代の同年代男女の話だったら、いつか流行ったケータイ小説にありがちなストーリーでややしらけたかもしれないが、これが70歳の女性の恋愛、情愛だと思うと話は変わってくる。
    多くの女性が、燿子のような70歳に憧れると思う。恋愛が若者にのみ許されたものとは思いたくない。そういう意味で、ラストは思わず胸が苦しくなったが、希望の物語だった。

  • 大人の女性が描く官能小説。文章は綺麗でした。展開が急すぎて少し違和感を感じました

  • 上野千鶴子さんに影響を受けて執筆されたとのこで
    、男女の恋仲は蛋白なのに性描写は強烈。
    ここまで愛し合いながらこうなるとは、という結末も含め、熟年層の恋愛を赤裸々に表現されている。一気に読んだほうが没入できます。

  • 生々しくて自分にはまだあんまだった

  • 主人公の燿子さんは、自立していて料理もできてさぞかしカッコいい女性なんだろうなぁと想像しながら読み進めてきた。蓮との出会いと恋愛、あまりにも唐突なエンディングの到来は悲しいが、きれいな状態で誰も傷つかずに締めくくられたのは救いだった。

  • 裏すじの「成熟した男女の性愛」という言葉に惹かれ、図書館で借りました。

    主人公・燿子は70歳の女性。彼女の肩書としては、一人の母、バツイチ、孫のいるおばあちゃん、ピークを過ぎた脚本家などがありますが、Facebookで55歳の自分のファンだという男性から突然メッセージをもらいます。
    燿子が70歳になるまでに感じてきた女性として生きていく上でのしがらみ。そのなかでも、恋と愛の違いに焦点が当てられていきます。肉体的な関係からしか得られないもの、精神的な繋がりからしか得られないもの。70歳になってなお、恋愛のときめきを求めるのは間違いなのか?ということをずっと考えさせられます。
    あとがきで作者である松井久子さん自身が映画の脚本家の方であること。この作品がデビュー作であるということを知り、裏すじに描かれたの「衝撃作」という言葉が更に際立ちました。70歳女性と55歳男性の性的な描写、思考が事細かに描かれるので、かなり読み手を選ぶ作品かなとは思いますが、脚本家の方であるということもあり心理描写やキャラ設定がしっかりと立っているように感じました。

  • 終わり方が好き。

  • この先自分が恋をすることがあるとしたら、それはどんな感じなのか、参考になるかと思って読んでみたんだけど、耀子が70代間近の女性としては、ハイスペック過ぎて、そのまま参考にするのは難そうだった。
    でも、読んでわかったのは、誰かを好きになることの本質は、年齢と関係ないんじゃないかな、とも思った。
    誰かに恋をしたときに、その理由は後付け(話が合った、共通の趣味があった、外見が好みなど)だけど、気づいたら好きだった、みたいなのが、いつの時代も、どの年代も当てはまるのかもしれない、と思い至った。
    なんか壮大な話になっちゃった。そして、意気揚々と書いてみたけど、文字にしたら、ありきたりな感じになっちゃった。

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著者プロフィール

松井久子
1946年東京出身。早稲田大学文学部演劇科卒。雑誌ライター、テレビドラマのプロデューサーを経て、98年映画『ユキエ』で監督デビュー。2002年『折り梅』公開、2年間で100万人の動員を果たす。10年日米合作映画『レオニー』を発表、13年春世界公開された。15年『何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』、16年『不思議なクニの憲法』と2作のドキュメンタリー映画を手がけ、自作の上映会や講演で全国を歩く。著書に『ソリストの思考術 松井久子の生きる力』ほか。

「2022年 『最後のひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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