くますけと一緒に 新装版 (中公文庫 あ58-9)

  • 中央公論新社 (2025年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784122075993

作品紹介・あらすじ

書店員さん発掘! 今読むべきホラー小説。

あたしは悪いことなどしていないのに、いつも嫌われていた。
同級生、そして両親にも。そんなあたしを気にかけてくれるのはママの親友・裕子さんと、くますけだけ。
悪い人は死んでしまえばいい――。
願うと同級生は事故にあい、両親も死ぬ。裕子さんに引き取られたあたしは、くますけが邪悪なぬいぐるみなんじゃないかと思いはじめ……。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

心の拠り所を求める少女と、その存在がもたらす影響が描かれた物語です。主人公の成美は、周囲からの愛情を欠いた中で、ぬいぐるみのくますけに依存するようになります。彼女の願望が現実に影響を与え、同級生や両親...

感想・レビュー・書評

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  • 「ENDING」がなければ、そういうことねと納得できていた。両親から愛されずに育った成美にとって、心の拠り所だったくますけ。
    人間ではなくぬいぐるみに依存してしまう。小学4年生ならまだまだありえることだ。
    この先、新しい居場所でゆっくりと心を癒していくといい。

    でも「ENDING」でまた戸惑った。
    えっ。怖い怖い。
    やっぱり、そうなの?

  • ジャケ買いしてしまった!
    くますけが、じっとこちらを見ているではないか…と。
    何か訴えてるのか?
    何か聞いてほしいのか?
    いや、読んでほしいんだなと思った。
    ぬいぐるみには興味もなく、家にもないのだが、どんなふうに怖いのか?気になって仕方なかったわけで…。

    いつも肩身離さず持ち歩いているくますけのせいで、成美はみんなから気持ち悪い子と思われていた。
    くますけをめちゃくちゃにした同級生の葉子ちゃんを恨んだら事故にあい、いつも成美のことで喧嘩している両親も交通事故で死んでしまった。
    願ったら、くますけが助けてくれるの⁇
    親戚でもないママの親友の裕子さんに引き取られた成美が考えた末に行動したことは…。

    最後はなぜか心が温まり、案外ぬいぐるみって心の拠り所になる可愛いい奴なのかもしれないと思った。

  • ぬいぐるみホラー。
    ホラーは苦手だけどこれなら読めるかも、なんて思って読んでみたけど、そこまでホラー感はなかったな。
    少女が心に抱えた闇。それを救ってくれたくますけの存在。
    幼いころ、私も「嫌い」という感情を持ってはいけないと思ってた。なんでも好き嫌いは良くないという教えだったから、人参が嫌いなんてことさえ言えなかったな。
    もちろん成美ちゃんの両親への感情と一緒にはできない。でも、だから、裕子さんの「思っていいんだよ」って言葉は、成美ちゃんにとって大きかっただろうなと思う。
    自分の気持ちを大切にしていいんだって。嫌な気持ちも含めて。それがどんなに大切なことか。子どもにこんな風に感じさせてしまわないように気をつけようっと。子どもは親を選べないからね。
    あとがき、文庫版あとがき、新装版あとがき、と三度のあとがきがぬいぐるみ愛に溢れていてよかった。
    そうか、ぬいぐるみが大好きな著者だからこそ描けた世界だったんだなぁ。

  • いつもクマのぬいぐるみ"くますけ"と一緒にいる
    10歳の成美。ぬいぐるみを片時も離さないから、成美の周りの人間は、彼女を変わっている"難しい子"扱いしている。居場所がない成美の周りで不幸が続いてく…。

    読んでいると成美が置かれていた状況が徐々に分かってくるんだけど、これが可哀想でしょうがない。この子大丈夫なのかな?と心配しちゃう。両親の成美に対する態度、学校では同級生に酷い扱いをされる。それは"くますけ"と一緒にいたくなるよね。ぬいぐるみと一緒にいるのはそんなに悪い事なのか?と思ってしまった。成美の幸せを祈らずにはいられない。

    チャッキー的なホラーなのか、ビリー・ミリガン的なホラーなのかを見極めるのに時間がかかりました。最後には分かるんだけど、何かモヤモヤが残ります。たぶん正体が私にはよく分からないからかな?
    ホラーは好きだけどやっぱり人形系のホラーは苦手かな。映画とか観ててゾクっとして鳥肌たっちゃうもん。


  • 心の支えはくまのぬいぐるみのくますけ。
    そんなくますけには秘密があった・・・
    あなたには家族より大切なものはありますか・・・

    個人的にはかなり好きな物語でした。
    ホラー小説とのことですが、怖いホラーって感じではなく気兼ねなく読めます。

    物を大切にする人には、刺さる小説な気がしました。小さい時にはぬいぐるみと遊んだ気を記憶が蘇って懐かしく感じました。

    子供の権利、親子との関係を少し考える機会にもなるのではないでしょうか。

  • 本の帯の言葉が気になって選んだ本です。表紙の女の子にも、ひかれて手に取りました。

    その女の子は、10歳になってもぬいぐるみが手放せない成美でした。手放せない本当の理由が、とても悲しかったです。その理由を受け入れるまでの成美の気持ちを考えると、くますけがいてよかったと思いました。子どもは親を選べないからこそ、悩み苦しむことがありますね。成美をしっかりと受け入れてくれた裕子さんと晃一さんのもとで、くますけとなんなんが日向ぼっこをして微笑んでいる日が長く続きますように、そんな想いを持ちました。(続かないと···怖い。)

    ぬいぐるみと話をして遊んだ記憶を思いだし、子どもながらに心の安定を図っていたのかもしれない、との気づきも得た一冊でした。

  • 著者作品は『チグリスとユーフラテス(上・下巻)』のみ読んだことがあり、私の読書習慣が始まった辺りに読んだ本なので、あの独特の文体がそのままこの本でも読めて凄く懐かしい。

    幼稚園入園まではぬいぐるみのくますけを愛でていても家族仲は問題なく、むしろ父はくますけ用の椅子を、母は服を作ったりと、協力的で楽しい日々だった。
    しかし入園を機に、そろそろぬいぐるみは卒業しなきゃいけないと言われ、猛烈な拒否反応を示す成美。
    夫婦喧嘩の原因ともなっていたが、その両親が今回事故で死んだ。
    くますけを自分の知らぬ間に捨ててしまおうとする両親であったために、成美は悲しみよりも喜びの方が強かった。
    そして、くますけに関して唯一寛容だった母の友人・裕子さん(妊娠できない体だったが子供に憧れていたのもあり)に預けられることになりーーーという話。


    どうしてそこまでくますけにこだわるのか。
    それだけ信頼のおける存在であるということが逆に羨ましくも感じる。対人間ではなかなか、そのレベルの相手と出会えることも、関係を維持することも、恐ろしく難しい。
    それでもやはり虐めの対象にもなりやすい上に今後の生き方として弊害となることもあるだろうしで、ある程度自由が許される大人になればぬいぐるみと共に常に一緒というのは可能な気はするが、そこにたどり着くまでが想像するだけで大変そうだ。

    ↑途中まで読んだ感想

    ↓全部読んだ後の感想

    終盤はくますけに闇を感じる展開だったものの、結局は一番の慰めになっている存在なわけで、裕子も同じような経験をして今もなんなんを隠し持っていた。
    最後のくますけとなんなんのやりとりは一体どうゆうことなのか、実態か、比喩か、微妙なところだが、もし比喩だとしたら人格分裂として恐ろしいところだ。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」たくさんありがとうございます。

      この本のタイトルにやられました。
      「いいね」たくさんありがとうございます。

      この本のタイトルにやられました。
      2025/03/25
  • 誰にでもくますけのような存在と一緒に過ごした時期があるだろう

  • カバーイラストがNaffyさん!ジャケ買いですね。
    新井素子さんの本は2作目。
    こちらの方が好きです。独特の書き方なのも少し慣れてきて世界観に浸れたのかも。
    ぬいぐるみ愛好家の方に、おすすめ本。
    あとがき多くて笑けたw

  • 『ホラー作品であることを忘れるほどあたたかく感じる家族の温もりがある一方、最後まで残る“ある違和感”』

    幼い頃、手放すのが寂しいほど気に入っていたぬいぐるみはあっただろうか?
    (今では、ぬいぐるみ活(通称:ぬい活)という言葉があるように)ぬいぐるみとは子供から大人まで、非常に特別な存在の一つと感じている人もいるのでは無いだろうか?

    本作は、一日中お気に入りのクマのぬいぐるみを手放すことができない小学四年生の成美の感じている“ある違和感”を紐解いていく物語。

    タイトルにもある“くますけ”とは、成美と常に一緒にいるクマのぬいぐるみの名前だ。
    くますけとは日常生活や学校でさえも手放すことが出来ず、成美は学校でいじめを受け、両親からも疎まれていた。
    そんな成美の唯一心を許せる人物が、近所に住む裕子さん。彼女は、成美とくますけの関係を悪く言うことなく見守り続けている。

    本作はホラー作品に分類されているが、ホラー作品特有の不気味さを含みながら、その中に家族の形なるものを上手く織り交ぜられている。
    成美のことを疎む両親や、裕子さんへの想いなどを成美の視点から、そしてその逆も描かれており、一冊を通じて、それぞれの人物の心情変化が見事に描かれている。

    その一方で、成美がくますけに対して持つ“違和感”を上手く調和して描き、心が胸騒ぎするような感覚を読者に持たせてくる。

    ただ、エンディングパートには個人的に「自分のこれまでの推測は正しかったのか?」と感じるようなものが待ち構えているので、ぜひ自分の推測を疑いながら読んでみて欲しい。

  • 両親に虐待された子供が、心を開くまでの話です。

    ⚫︎感想
    話の筋は単純、ありがちなのですが…

    ①虐待という重いテーマを、不穏なファンタジー仕立てにすることで、重くなりすぎずに描く手法が一目おける作品

    ②文体がかなり独特で、第三者視点での文が急に挿入されたり、不穏な空気感や少女らしい心の揺れ、視点の切り替えのテンポが、文そのもので表現されているのは面白い手法 

    私自身はこういう作品はふだん読まないですが、この2つの手法は新しい感じがしました。

    ⚫︎あらすじ(ネタバレ注意!)
    小学四年生の少女・成美は、ぬいぐるみ「くますけ」だけを心のよりどころにして生きている。

    しかし、同級生の事故や両親の死など不可解な出来事が続き、くますけに不思議な力があるのではと疑い始める。

    実はその同級生にいじめられ、両親には精神的に虐待されていて育っており、嫌いだったので死を願ったら、同級生は事故に遭い、両親は死んだからです。
    死んでも悲しくない。


    その後、母の友達、裕子に引き取られた成美は、少しずつ現実世界とのつながりを取り戻します。虐待してきていた両親を嫌いだというその気持ちを、引き取った裕子が全肯定して受け入れます。

    実は裕子も幼い頃ぬいぐるみを離せない子供で今も持っている。

    最後は裕子のぬいぐるみとくますけが会話している。

  • なるほどホラーな1冊。
    ちょっと合わなかったかなあ

  • 2012年に初版発行、2025年改版発行とは知らず、書店で表紙と題名に惹かれ購入。新装版を読んでみたら面白い!!ホラー感はあまりなく読みやすい。ぬいぐるみ好きな作者だと何個もある、あとがきから分かり共感!可愛がっているぬいぐるみに表情や感情が出てくるので案外くますけはいるのかも?!と考えたら怖いかも?!

  • 本屋さんでパッと目をひいた印象的なカバー。
    こちらをじっと見つめる二つの目、くまのぬいぐるみ。帯には「今読むべきホラー小説」とあり、めっちゃ怖い系よりも背筋がゾゾっとするようなうすら寒いくらいのホラーが読みたいな、とそそられた。

    結論。ホラーとしては優しいくらい。
    物語の語り口がトットットとリズミカルなので、これはもしやここから急転直下めちゃくちゃ怖いのか!?と身構えてしまう場面はあるもののそういう驚きは少なかった。

    それよりも主人公・成美が親に愛されていないがために、くまのぬいぐるみだけを心の拠り所に萎縮して生活する姿が心にくるものがあった。幼いころから愛されてこなかったことの呪縛、自分に落ち度があるのではないかと考えてしまう心理…10歳とは思えない冷静な思考力も相まって異常な子供として扱われる。

    何が自分の琴線に触れたのか…
    涙が止まらなくなって驚いた。
    以前、女友達とそんな話で盛り上がったことがあるのだが、幼い頃に言われた親の何気ない言葉で今だにトゲのように心に残ってることってあるよね〜、なんてやり取りを思い出した。
    だから、後半の裕子さんの言葉が成美の呪縛を解いてくれて嬉しかったし、思いがけず心洗われる作品に出会えて良かったと思う。

  • 話題のホラーとの事で手に取りましたが、かなり独特の言い回しや、句読点の多さ…

    この作品の中でのものだと思っていたら、あとがきでなるほど!
    元々こんな感じなんだと1番驚愕のホラー(笑)
    でもなんか素敵に思う

    この頃『ぬい活』なる物がブームになってるので、再燃した作品と言うことなのかな

    成美のひとり芝居だと思っていたけど、やっぱりくますけはしゃべってたのか…

    人は自分を認めてくれて、愛してくれる人といるのが1番幸せだし、精神衛生上良いよね

  • え、すごく素敵な小説だった!
    「ホラー小説」の帯と、表紙の不穏さからおそるおそる読み進めたけど、感動すらした。
    また再読したいとも思えた。

    もちろん、パパママは亡くなってしまったし、
    怖さはあったけど。

    愛情って大事だ。

    文体が独特で最初は読みにくいかなと思ったけど、
    子どもらしくて、頭の中を覗いているような、思考を辿っているような感じでスラスラ一気に読めた。

    そしてあとがきが3つもあって、
    作者さんの人柄やぬいぐるみへの愛を感じた。

  • 「子どもは親を嫌っていい」くますけと一緒に 新井素子 | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文](2017年10月27日)
    https://ameblo.jp/ridia/entry-12323271435.html

    新井素子とこすみ - ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。 - NHK(初回放送日:2025年1月12日)
    https://www.nhk.jp/p/ts/Z52R515WW1/episode/te/K6V4883Q7P/

    Web東京創元社マガジン : 新井素子『グリーン・レクイエム/緑幻想』あとがき[2007年11月]
    https://www.webmysteries.jp/sf/arai0711.html

    新井素子著作:小説: くますけと一緒に | 新井素子研究会 MOTOKEN
    http://motoken.na.coocan.jp/shoseki/novel/kuma.html

    Naffy(@naffy_illustration) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/naffy_illustration/

    Home | Naffy
    https://www.na-ffy.com/

    くますけと一緒に 新装版 -新井素子 著|中公文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2025/01/207599.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

    ****
    読みたいにしていますが、多分(絶対?)猫には読めませんᓚᘏᗢ、、、

  • 思っていたホラーと違い、意外な展開でした。
    あとがきで作者のぬいぐるみ愛を強く感じました。

  • 可愛い絵とタイトルだけどゾクッと来るところもあった。

  • くますけ!!
    やったんかー!!

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新井素子の作品

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