都城(とじょう)の生態 (日本の古代 9)

  • 中央公論社 (1987年4月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784124025422

感想・レビュー・書評

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  • (*01)
    30年近く前に編集された成果とはいえ、対象とする都市が1300年ほど前ということもあってそれほど古びた感もなく読める。もちろん最新の研究成果もフォローしてみたいところではある。
    特に4章の八賀晋氏がまとめた「都城造営の技術」はランドスケープの観点からは必読だろう。平城京と平安京が地形にどう左右され立地し、特に谷地形をどのように水路化(*02)したかが描かれている。前章の中国から伝わった道教の神仙思想が山や墓をあてにして都市がその北に営まれたという話が眉唾としても読まれる可能性があるのに対し、現地形や既存の古墳をどう潰して均したかという話は、応用的であり工学的である。
    また別の章では、平城京の経済や土地所有において凡そ人工的であり、つまり、制度や土地に人々が強制(*03)されており、都市の経営は都市の周辺の農地ほかの経営に支えられていたという視点も盛り込まれている。
    住まわれた都市か、という設問に対しては、古代律令都市は住まされた都市である、と答えを本書から導くことができる。

    (*02)
    水路遺構からは木製の人形が出土している。本書では古代の呪いの人形としてその呪術性を重視しているが、他の用途は考えられないのだろうか。図像としては木簡のパロディにも見えるし、頭部の駒形などは、御幣や卒塔婆、また御柱との共通を感じる。

    (*03)
    強制の反面である逃亡と流浪についても述べられており、こうした移動人口が中世にどのような階層として編成されたか、考えてみてもよいだろう。宗教的な移動、暴力的な移動、商業的な移動、として組織されなかったのかどうか。

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