- Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
- / ISBN・EAN: 9784124029314
作品紹介・あらすじ
世界に対する深い絶望感の中から、鉄の楔のように鋭く重く既成の文学シーンに打ち込まれた、粗削りだがオリジナルな処女短篇集。
感想・レビュー・書評
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昔からですが、友達と出会うと、いつも言われます。「頼むから静かにしてくれ。」って。
そういうこともあって、カーヴァ―はエライとずっと思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おそらく暗喩も含め考えぬいて研磨された種類の作品ではない。この最初の短編集以降多少「狙った」作品も出てくる印象はあるが。かといって味わえないという事はない。自動書記的に手癖で綴っても、いやだからこそ作家の古い大脳皮質のようなもの、つまり本性がにじみ出てくるというものではなかろうか。淡く静かに病んでいる。そして全てに通底している祓いようのない死の影。
巻末のウイリアム・キトリッジによる解説、ないしは追悼文が感動的、かつかなりの多くを理解できる手掛かりになっている。 -
チェーホフのよう。
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この話の意味は?
この表現は何を示すのか?
と、考えると一気につまらなくなるでしょう。
全体をざっと通して読んだあとに残る気持ちの揺れがすべて、なのかも。
小説と、それに対する読者の心の動きが揃ってはじめて完成する、まさに読書の醍醐味が味わえます。
アメリカン・ニューシネマ好きにはお勧めです。
私の中では多田由美さんの作品と(同時期に出会ったせいか)相互補完状態ですw -
「頼むから静かにしてくれ」を読んだときは衝撃だった。
言ってしまえば取るに足りない痴話げんかの顛末。
けれども、矛盾しているのに押し流されてしまうような、
他人に説明しようとすると、言葉にした瞬間から色褪せてしまうような、
そんな心の微妙な動きをシンプルにデリケートにぴたりと表現している。
カーヴァーをもっと読もうと思った思い出に残る作品。 -
「でぶ」の揺らぎと戸惑い、「サマー・スティールヘッド」の水の匂いと体の凍え、「頼むから静かにしてくれ」の普遍さ。
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2011/02/17 読了
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おおお。面白かった!
きっかけはタイトルに共感して。
頼むから静かにしてくれ、と思うことしばしば…。 -
揃えるなら和田誠装丁のこのシリーズがお勧めです!