THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 160
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124029314

作品紹介・あらすじ

世界に対する深い絶望感の中から、鉄の楔のように鋭く重く既成の文学シーンに打ち込まれた、粗削りだがオリジナルな処女短篇集。

感想・レビュー・書評

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  •  昔からですが、友達と出会うと、いつも言われます。「頼むから静かにしてくれ。」って。
     そういうこともあって、カーヴァ―はエライとずっと思っています。

  • おそらく暗喩も含め考えぬいて研磨された種類の作品ではない。この最初の短編集以降多少「狙った」作品も出てくる印象はあるが。かといって味わえないという事はない。自動書記的に手癖で綴っても、いやだからこそ作家の古い大脳皮質のようなもの、つまり本性がにじみ出てくるというものではなかろうか。淡く静かに病んでいる。そして全てに通底している祓いようのない死の影。
    巻末のウイリアム・キトリッジによる解説、ないしは追悼文が感動的、かつかなりの多くを理解できる手掛かりになっている。

  • チェーホフのよう。

  • この話の意味は?
    この表現は何を示すのか?
    と、考えると一気につまらなくなるでしょう。
    全体をざっと通して読んだあとに残る気持ちの揺れがすべて、なのかも。

    小説と、それに対する読者の心の動きが揃ってはじめて完成する、まさに読書の醍醐味が味わえます。

    アメリカン・ニューシネマ好きにはお勧めです。

    私の中では多田由美さんの作品と(同時期に出会ったせいか)相互補完状態ですw

  • 「頼むから静かにしてくれ」を読んだときは衝撃だった。

    言ってしまえば取るに足りない痴話げんかの顛末。
    けれども、矛盾しているのに押し流されてしまうような、
    他人に説明しようとすると、言葉にした瞬間から色褪せてしまうような、
    そんな心の微妙な動きをシンプルにデリケートにぴたりと表現している。

    カーヴァーをもっと読もうと思った思い出に残る作品。

  • 「でぶ」の揺らぎと戸惑い、「サマー・スティールヘッド」の水の匂いと体の凍え、「頼むから静かにしてくれ」の普遍さ。

  • 2011/02/17 読了

  • THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CAVER というシリーズの1冊目。カーヴァーの最初の短編集。

    2番目を読んで、3番目を読んで、それからこの1番目に戻ってしまったのは些か良くなかった。
    後味が悪いというか、読了後のすっきり感がない。

    文章はすばらしいと思うし、読みやすいんだけど、私には話がまるでわからない。こういうのは苦手。

    例えば、分からないから「これは何の話? 何を示しているの?」と聞くとする。
    するとこの本がわかる人はきっと「そのままのことだよ、読んだ通り」と言うんだろうと思う。
    でも、私には一体何の話なのかわからない。

    とくに、『サマー・スティールヘッド(夏にじます)』という作品の終わり方が何を意味しているのかわからない。
    自分の解釈が果たして当たっているのか自信がない。
    私の感じた感覚とはもしかしたら全然違うのかも知れない。

    読書家の人に読んでもらってどういうことなのか聞いてみたい。

  • おおお。面白かった!
    きっかけはタイトルに共感して。
    頼むから静かにしてくれ、と思うことしばしば…。

  • 揃えるなら和田誠装丁のこのシリーズがお勧めです!

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