窯変源氏物語 Tome1

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 61
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124030013

作品紹介・あらすじ

千年の時の窯で色を変え、光源氏のモノローグで始まる橋本源氏の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 現代口語版というか、光源氏が語り手で物語が進んでいくのでよりイメージしやすい。
    初めての源氏物語ならお勧めかも。

    一巻は「桐壺」「箒木」「空蝉」「夕顔」まで

  • 源氏物語より「桐壺」から「夕顔」まで。

    一人称が源氏という新語訳は初めてなのでとにかく新鮮です。
    のっけから「桐壺」にて父帝と母更衣をけちょんけちょんにけなすのが笑える。
    確かに桐壺帝は一人の更衣に惑溺し政を疎かにする女々しくて情けない帝だし、桐壺の更衣も後ろ盾も無くがんがんいじめられてたって帝の子を孕んだのならしかもそれが男皇子なら尚のことドーンと開き直って「こうなったら国母にでもなんでもなってやろうじゃない!」って気概を持ってやりゃーいいものをあっさり衰弱死しちゃうなんて弱弱しすぎるしやっぱり情けない。
    だがしかし、源氏よ お ま え が い う な !
    って何度もツッコミ入れたのは私だけじゃないと思うw

    私が読んだ新語訳ではこんなに源氏が荒々しく毒づいたり暴言を吐いたりは絶対しなかったのでそこんとこがとにかく新鮮です。
    初めて源氏に人間らしさが感じられたというか。
    私の中ではなよなよと優しく女々しく情けなくその場その場の言い逃れや言い訳ばかりの超ナルシストでしかなかった源氏が、それプラスもっと自己中心主義で我侭な王様気質のすげーヤな奴と属性を増やしましたw

    元々私は源氏だいっきらいなんですが「窯変」によってもっと嫌いになりましたw
    が、物語として新語訳としては目新しくて面白いです。
    色々読んでその果てに流れ着くとしたらお勧めできますw

  • 源氏物語ははじめてなんですがけっこう異色の訳っぽくてどきどき。まあいいや学校の図書館にはこれしか今そろってないし!
    光源氏がもうなんかもうすてきでおもしろかったです。けっこう欲望に忠実だな。
    空蝉が好きです。小君かわいい。小君をだきしめたかと思ったらなかば脅したりする光がいい。

  •  基本をほとんど知らないのに、これ読んだらまずいんじゃなかろうかって気が読んでるうちにだんだんしてきました。

     読むのに肺活量が要るような密度の高い文章。内面をひたすら追求する光る君の独白が面白い…
     けど、
    やっぱり光る君はおろおろしてくどくどしくて女々しくてめんどくさい人でした。そこはイメージどおり。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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