グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

制作 : Francis Scott Fitzgerald  村上 春樹 
  • 中央公論新社
3.62
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  • 本棚登録 :6289
  • レビュー :591
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124035049

作品紹介・あらすじ

村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語-。読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹訳につられたわけではなく、上映中デカプリオ主演につられたわけでもなく読みました。

    実はどっちも購入意欲に火をつけたのですが。

    1920年代前半、アメリカがちょっと凄い意味での勢いのある時代の富豪、
    ギャツビーという男の謎の面鮮やかさ。わきを固める男女の人間臭さも語り手の友人ニックの好感度もすべてストーリーに素晴らしい色を加えてくれました。
    訳者あとがきがまた良くて、お得感とともにしみじみと本を閉じるのでした。

  • もうずいぶん前のことだけど、野崎訳を買って読み始めた。けれど、最初の2章ほどでストップしてしまった。そしてそのままになっていた。その本を買ったのも、もちろん村上春樹が最も影響を受けたと言っていたからだ。そして今回、村上訳が出るということで、すぐに書店で買い求めた。読み手(私)の姿勢が違うためか、最初の段落からぐっと心が引きつけられた。もっとも、2章、3章はやはりちょっと退屈気味ではあった。ところが、4章後半から、一気に読むテンポが速くなった。それからどうなるのか、ということが早く知りたくなった。えー、そんなことに・・・。小説の内容は具体的には書きません。ただ気になったことを2つ。1つめ、デイジーは結局どうなったのか。罪の意識を持ちながら生き続けるのか。それとも気が狂ってしまうのか、自殺するのか・・・。何もかも忘れて普通に生活をされたら、いくらなんでもと思ってしまう。2つめ。5章でデイジーとギャツビーが再会する場面。「あがっている」という言葉が二度使われている。どうも、この言葉に違和感を感じる。確かに以前は、受験のときとか、ピアノの発表会とか、あがってうまくいかなかった、などと言っていた。しかし最近はどうもこの言葉は使わない。緊張するとしか言わない。そして、あがる=緊張する、ならば、この場面ではふさわしくないような気がする。それで気になって野崎訳も見てみると、同じ訳語だった。さらに原著に当たってみると、“embarass”という単語が使われている。辞書を見ると困惑とかまごつくという訳が当てられている。それも違う。何と言えばいいのだろう? そのときのギャツビーの気持ち、すごく分かるんだけどなあ。

  • 高校生の頃に新潮文庫の方を読んでおり、内容もある程度記憶に残っていたので、ストーリーを楽しむというよりは訳者による表現違いを楽しもうと思って読みました。
    翻訳ものが訳によって全然違うというのは聞いていましたが、今回実際に読み比べて訳者が違うと全体の印象がこんなに変わるものか!と驚きました。
    以前の訳ではギャツビーの執着心が何かと目に付き、何て気持ち悪い人物と思っていましたが、今回はそこまで感じませんでした。
    むしろ今回は、デイジーの身勝手さと保身に走る姿に反感を覚えました…
    スコッティ・ジェラルドの作品は言葉の美しさが魅力と良く聞きますが、今回その美しさの意味が少しだけ感じ取ることが出来た気がします。

  • 大学の英文和訳の授業で読んでいたのを、村上春樹訳の日本語で読み直した。
    村上訳を選んだ理由は、彼の作品の中でしょっちゅうフィッツジェラルドが出てきたので、そんな村上春樹がこの作品をどう日本語におとしこむかに興味があったから。
    英語で読んだ時も勿論良かったが、私はすらすら完璧に読めるほど英語力が高くなかったので(笑)、訳書で読んで改めて理解を深めた。翻訳の出来としてもいい方だと思う。なかなか忠実に、そして読みやすいように仕上がっていると思う。
    そして内容の感想だが、やはりいい。しみじみとした深い感動が広がる。冒頭の文章は折に触れ思い出され、闇夜に浮かぶ緑の灯は度々目の裏にちらちらとともる。
    (ちなみに冒頭だけでも原文を読んでみることをおすすめする。本当に味わい深い名文だから)
    2013年公開のレオナルド・ディカプリオ主演の映画版も観たがそちらもなかなかよかった。でも映画好きなら1974年ロバート・レッドフォード主演の方も観てみるといいと思う。

  • 印象的だったのはギャツビーとデイジーが他の人(夫含む)が居るのを無視して二人の世界で語り合うシーン。あの瞬間が二人のピークだった。あのときはたしかに二人は愛し合ってたのに、人を好きになることと、そのことに必ずついて来る現実的な煩わしさとか、愚かさ、醜さとか。

  • ずーっと読みたかった村上春樹訳の『グレート・ギャッツビー』。こんなアメリカの田舎なのに、近くの図書館で見つけた!
    村上春樹が一番好きな本だけあって、彼が訳したこの本はとっても面白かった。

    「ギャッツビー」は原本は読んだことないけど、Robert Redford の映画と最近のLeoの映画は見たことあるので、頭の中でいろいろ比較しながら読んでみた。
    村上春樹の訳はレッドフォード「ギャッツビー」の情緒的で叙情的な映画の感じを、上手くレオ「ギャッツビー」の現代的な文体に訳されてて、すんなりと世界に入ってこれた。

    でも、このギャッツビーに出てくる人物たちはレッドフォード「ギャッツビー」のイメージなんだよな~。

    ギャッツビーの光と影、明と暗のギャップが上手く書かれてて、人の世の儚さがとても浮き彫りになってる。
    そこが映画では味えなかった貴重な部分だったので、読み終った後の寂しさはかなり重い。
    それでもニック・キャラウェイの素敵な文章(村上春樹の訳のすごさ)で、きれいに終わってるのが、海の引き潮をイメージさせる。

    これは、是非、本を購入してもう一度読みたい。

  • 名作といわれる作品には、ハードルが高いような気がして、あまり手を出して来なかったけど、ふと目に留まり挑戦してみた。
    デイジーのずるくて、軽薄で、いかにも「女」なところがリアル。そしてギャツビーは過去のデイジーや彼女との想い出を美化し過ぎてしまい、今のデイジーと対峙するにはあまりにも純粋過ぎたのかなあと。原作が素晴らしいのか、やはり村上春樹の訳が良いのか、読みながら情景や風景がカラフルに鮮やかに浮かんでくるのは、読んでいて面白かったし、そのお陰で思っていたよりもするすると読めた。
    翻訳って、原文の直訳では意味がなくて、そのエッセンスを伝えるためには、小説を自身でかける位の文章力と想像力がないとできないよなと常々思っていたので、実のところ村上春樹のあとがきが一番興味深かった。
    [2014.10.05読了]

  • 村上春樹はグレートギャツビーを今まで読んだ本の中でNo.1と言っていたが正直自分にはそこまでと思える作品には思えなかった。もちろん読み応えがあり面白い作品ではあるが
    映画版の翻訳は村上春樹訳を使っているのだろうか?台詞の訳がほとんど村上春樹訳の小説と同じだったと思う。

  • 「よくわからなかった。」というのが
    初めて呼んだ感想だった。

    それと同時に「また読みたい」とも思った。
    はじめは少し読みづらいと思って読み進めていたが、
    いつの間にか、のめり込むように読んでいた。

    最後は感動も悲しみもなく、
    終わってしまった。という感情だけが残った。
    「よくわからなかった」というのは、あとがきでも書いてある通り、
    理解できていないだけだと思った。

    また、沢山の本を読んだあと
    ゆっくり読み直したい。

  • この本を初めて目を通した後に得た感想としては残念ながらフィッツジェラルドの魅力を十分に感じることはできなかった、という一言に尽きた。優美な比喩表現に目に映るような背景描写。確かに偉大な小説であることは間違いないように感じるが、何か一つもの足りないような、読後に腑に落ちないような葛藤に襲われる。村上春樹が言うように、どうやら僕は他の人々と同じようにこの小説の魅力を知るに値する能力を持ち合わせてはいなかったようだ。読書というのは奥が深い。僕はまだ読書家としてはまだまだだから、もっと嵩を増やしていけばいつかこの小説の本当の魅力が分かるのかもしれない。そんな、小説全体の可能性について感じることができる作品だった。最後に敢えてこの小説の感想を述べるとしたら、デイジーには失望した、です。

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