白亜宮の陰影―デルフィニア戦記〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125002767

作品紹介・あらすじ

緒戦の大勝利にもかかわらずウォルの陣幕は沈んでいた。王冠を棄て軍を解散せよ、さもなくばフェルナン伯爵の命は保証しない-。大義のため養父を見捨てるかペールゼン侯爵の専横に屈するか。苦悩の選択を迫られたウォルは逆転を賭してリィに伯爵救出を託した。難攻不落のコーラル城リィはその最深部を見指すが…。

感想・レビュー・書評

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  • 緒戦の大勝利にもかかわらずウォルの陣幕は沈んでいた。王冠を棄て軍を解散せよ、さもなくばフェルナン伯爵の命は保証しないーー。大義のため養父を見捨てるかペールゼン侯爵の専横に屈するか。苦悩の選択を迫られたウォルは逆転を賭してリィに伯爵救出を託した。難攻不落のコーラル城リィはその最深部を見指すが……。
    (1994年)
    —- 目次 —-
    1〜11
    あとがき

  • 自分の子供に
    自分の後を継がせたいと思う
    自分の子供が
    奪われることを惜しんでしまう
    気立の良い娘と結婚して
    孫に囲まれて過ごしたいという
    なんでもない言葉
    なんでもない夢
    夢見てしまう
    何も望まないからこそ、
    今ここにいて欲しい
    このままずっとあって欲しかった
    当たり前の夢
    今いない人が
    今の自分を見ているような気分になる
    見てはいないのに、
    見ていてくれた。
    自分だけのわがままではなく、
    この国の貴族としての振る舞いが求められてしまう
    自分であること
    伯爵であることと
    両立していければ
    よかったのだろうが
    できなかった
    生きていられなかったのか

  • おお、そういう流れかー続きが気になる

  • [江東区図書館]

    デルフィニア戦記3巻。
    読んだのは遠い昔。デルフィニアで知った作者、続けてスカーレット・ウィザードも読んだはず。図書館でふと田中芳樹(銀英伝)のシリーズが並べられているのを見たらその手のライトノベルが懐かしくなって、当時好きだった菊池秀幸と茅田砂胡を探してしまった。

    好きと言いつつ記憶力のない自分に感謝。
    大分ストーリーやラストの記憶が欠けていたスカーレットと違って、流石に何回も読み返したこちらのシリーズは割と細かいところまで覚えている、というか読んでもそうそう、と思い出せた。

    ★デルフィニア戦記(王女グリンダ)⇒スカーレット・ウィザード⇒暁の天使たち⇒クラッシュ・ブレイズ⇒天使たちの課外活動⇒トゥルークの海賊⇒海賊と女王の航宙記

    ★桐原家~、もものき~

  • デルフィニア戦記シリーズ3冊目。
    コーラルの地下牢に捕らえられたままのフェルナン伯爵を救い出すため、リィとドラ将軍の娘であるシャーミアン、前作の作戦で捕らえたルカナン大隊長を連れていざコーラルへ。
    フェルナン伯爵とつかの間の再会と最後のひとときを過ごしたウォルですが、その裏ではウォルが前国王の息子ではないという話をウォルのいとこで次期国王候補のバルロから味方にもたらされ動揺が。
    信じるか信じないか。たとえ事実だとしても現国王ウォルについて行くべきか。
    その葛藤具合もウォル自身のカリスマ性をうなずけるものとして先がますます楽しみになりました。

  • フェルナン伯爵…

  • 王座になんて興味はなかった。
    ずっとフェルナン伯爵の息子でありたかった。
    そう思うウォルの気持ちを知りながら、頑なに臣下の礼を尽くすフェルナン伯爵。
    それは、息子を手放したくないという自分のわがままが、国の乱れを生んだという悔いがあったからだった。

    リィの活躍でようやく巡りあえた父子には、言葉も時間も多くは残されていなかった。

    ここからまっすぐ最終決戦に行ってもいいと思ったが、まだ政府軍は仕掛けてくる。
    最大の抵抗勢力を味方につけて、国王軍討伐に向かう。
    ウォルを国王として支えていたはずの重臣たちは、なぜ討伐軍の方へ寝返ったのか。

    一度読んだはずの本なのに、続きが気になって本を閉じることができない。
    多分最終的にウォルは王座を奪還するはずなんだ。
    だって敵はあまりにも下司で、あくどい事をやりすぎた。

    それはわかっていながら、リィの人間離れした能力を使った、意表を突いた行動が愉快で。
    リィを中心にした彼らの、軽口の応酬ももちろん楽しい。
    だからこそフェルナン伯爵のくだりがグッとくるんだよなあ。

  • デルフィニア戦記3。
    二人きりだった戦いも国王軍と呼ばれるほどの部隊に。
    勢いに乗る国王軍に対し、父の命を餌に降伏を迫る。
    ウォルの下した決断とは。


    一個人としての感情と、兵を率いる者としての判断。
    背負うものが大きければ大きいほど、その苦しみも大きい。
    やるせない。

  • いろんなことがぽんぽんとうまくいく話かと思ってたのに…フェルナン伯爵…。悲しい。ウォルって延王みたい。延王と六太の絡みも読みたくなる。

  • 戦いの攻防も面白いが何と言ってもフェルナン伯爵の救出とウォルとの別れが圧巻だった.

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著者プロフィール

茅田砂胡
5月3日生まれ。牡牛座。デルフィニア戦記シリーズで小説デビューをはたす。
著書に「デルフィニア戦記」「スカーレット・ウィザード」「桐原家の人々」「王女グリンダ」「暁の天使たち」「クラッシュ・ブレイズ」「祝もものき事務所」「天使たちの課外活動」「トゥルークの海賊」「海賊と女王の航宙記」シリーズ(以上、中央公論新社刊)、「レディ・ガンナー」シリーズ(角川文庫)がある。

「2023年 『天使たちの課外活動10』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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