ファロットの誘惑 (C・NovelsFantasia か 1-12 デルフィニア戦記 12)
- 中央公論新社 (1997年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784125004631
作品紹介・あらすじ
コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。無関係に見えた少女の死。王宮の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。リィの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか。
感想・レビュー・書評
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リィの同種のような、レティシア登場。
昨日の敵は今日の友のごとく、酒食を共にするリィとレティシア。一般常識からは考えられないけれど、未だレティシアはリィを暗殺する依頼を担っているというのに、だ。
ポーラとウォルをくっつけるために、リィは暴走する。
「俺が離婚してやれば、ポーラはウォルの奥さんになってくれるんだろ?」
そう言って結婚誓約書を破棄しようと、大聖堂へ乗り込んだ。
彼女にとって(ウォルにとってもそうだがこの)結婚とは、本当にみせかけだけのもの。
夫婦というよりは同志という言葉の方がぴったりな二人の間ではなんら過不足ないものだったのだけれど、まぁ、一般常識を持っている周囲の人間には理解できないよね。
これが(この世界での)平民と呼ばれる男女の間のことならば、まだいくらでもやりようはあったし、リィがあそこまでダダをこねる必要もなかったろう。
ウォルが玉座に就いていること。
それがすべてをややこしくしてるんだ。
しかし、無事にくっついてくれてよかったなぁ。
ウォルってばやさしいよなぁ……(べた惚れ)
巻頭の地図に大華三国以外の国々も登場し、
ますますの広がりを見せるデルフィニア戦記。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。無関係に見えた少女の死。王宮の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。リィの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか!?
(1997年)
—- 目次 —-
1〜8
あとがき -
[江東区図書館]
デルフィニア戦記12巻。
読んだのは遠い昔。デルフィニアで知った作者、続けてスカーレット・ウィザードも読んだはず。図書館でふと田中芳樹(銀英伝)のシリーズが並べられているのを見たらその手のライトノベルが懐かしくなって、当時好きだった菊池秀幸と茅田砂胡を探してしまった。
好きと言いつつ記憶力のない自分に感謝。
大分ストーリーやラストの記憶が欠けていたスカーレットと違って、流石に何回も読み返したこちらのシリーズは割と細かいところまで覚えている、というか読んでもそうそう、と思い出せた。
★デルフィニア戦記(王女グリンダ)⇒スカーレット・ウィザード⇒暁の天使たち⇒クラッシュ・ブレイズ⇒天使たちの課外活動⇒トゥルークの海賊⇒海賊と女王の航宙記
★桐原家~、もものき~ -
リィを殺害するために、町娘が殺され、ウォルの愛妾の侍女が殺され、シャーミアンがさらわれる。
人間とは思えないほどの強さと速さを持つリィと互角に戦うファロットの刺客。
あろうことかリィとその刺客は意気投合する。
心を通わせともに飲み、互いに全力で殺しあうことを気持ちよく了承しあう二人。
この辺をうまく読者に納得させなければならないので、作者は大変だ。
最終的にはリィとウォルの絆を書いてこの巻を終えるわけで、それはつまり、リィは負けないという表明になるのだろう。(主人公は死なない法則どおりである)
個人的には、国際政治の話を読みたいのだけれど。 -
デルフィニア戦記12。
王妃と国王の離婚騒動。
前代未聞の出来事に振り回される人々に、やっと訪れた平穏に忍び寄るファロットの陰謀。
前巻が離婚宣言で終わったので、どうなることかと思いましたが、やはりリィはリィだなと。
常識が通じないのは今に始まったことではないですし、それがリィの良さでもあるんですけど。
わかりやすいタイトルのわりにファロットが出てこないなぁと思っていたら、後半で。
怒りよりも言葉では言い表せない恐怖と、少しの好奇心が残りました。 -
リィの人間を食べる発言、嫌だなあ。最初の頃はそんな設定なさそうだったのに。正直だいぶ引いてしまう。リィとㇾティがこんなに惹かれ合うなんて。最後は食べちゃうのかな。リィを遠くに感じて不安になるシェラがかわいい。
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ここに来て,アベルドルン大陸図が登場して,一気に世界観が広がった.なんだ,デルフィニアってそんなに大きな国でもないなぁ.しかしこの巻,ひとまずウォルとポーラの件とバルロの件がうまくいって,ひとまずほっ!ただ,リィに忍び寄る暗殺の影と戦いへの不穏な動きが続く.