煌夜祭 (C★NOVELSファンタジア)

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  • 中央公論新社 (2006年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784125009483

感想・レビュー・書評

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  • 純粋に“物語の世界”を楽しむ、という事を思い出させてくれるファンタジー。

    冬至の夜に“語り部”達が集い、夜通し話を披露しあう「煌夜祭」。
    廃墟となったとある島主の館にやってきた“語り部”は二人だけ。彼らが話す物語とは・・。

    まず、世界観が好みですね。死海に蒸気で浮かぶ十八諸島の島々は、王島:イズーを中心にまるで太陽系の惑星のように、三重に輪界しているという設定です。
    その移動手段は、“蒸気塔”から、蒸気を利用した気球を使うというのも、何だかロマンがあって惹かれます。(本書の口絵イラストでイメージが湧きました)
    語られる物語ですが、一つ一つが独立していると思いきや、すべてが繋がっているのもポイントです。
    物語に登場する“魔物”がキーとなってくるのですが、所謂“人を喰らう魔物”の恐ろしいイメージとはちょっと異なり、不本意にもそのような存在となってしまった哀しみだったり、切なさだったり、そもそもの存在意義だったりが、読み進むごとに解ってくる展開で、グングン惹き込まれました。
    内容的に“ダークファンタジー”な印象ですが、哀しい話ではあるものの、根底には“愛”があり、伏線がきれいに回収されるラストも、しみじみとした読後感を残してくれます。
    この著者さんは初読みだったのですが、他の作品も読んでみたいと思いました。

  • 子供達が大絶賛していて薦められた本
    おもしろかった!
    一つ一つのお話が繋がっていて
    おぉ!となるんだけど
    なんせ私の頭では名前が覚えられなくて
    たぶん感動は子供達の半分ぐらいしかなかったはず笑
    もっとしっかり理解して読んでいたら
    感動も大きかったのかもしれない。
    外伝が収録されている新しい煌夜祭もあるみたいなので
    それを読む時はもっとしっかり名前を頭に叩き込みながら読もうと思う。

  • 多崎礼デビュー作ということで、C★NOVELSバージョンを手に取りました。
    島の点在するような世界で、島主の家系に魔物が時折現れる。どんなに普段普通にしていても魔物は冬至の日には人を食べるモードとなる。しかし、不死の身体を持つ。魔物が冬至に正気を保つには、魔物が夢中になる話が必要。語り部はそんな魔物に昔話をする人。
    とても濃密な世界観!勢いで読むと、登場人物がわからなくなるので、メモや記憶をしっかりしていった方が楽しめます。なぜならバラバラだった語り部の話が繋がってゆくからです。その全体理解への難しさが★1減要因ですが、この頃からレーエンデ物語への実力がおありなのだな、と思わされるお話でした。やや残酷な描写あり、中学生から。

  • 国を変えようとする彼らの熱い心、侵してしまった罪の意識、想い人を守り抜こうとするリィナとクォルンの姿、語り部として生きる道を選んだ彼らの決意…物語のあらゆる場面に感動要素が散りばめられている
    レーエンデ国物語での恒川光太郎先生のお言葉をお借りするなら「読後、放心し、空を見上げ、クォルン、と呟く」。

  • 素晴らしい本に出会った。
    読み終わった時、まずそう思った。
    本を閉じて、ひとつ息をついて余韻が残る本は久しぶり。

    語り部達が夜通し火を灯して語り合う煌夜祭という場で、世界の歴史の物語が順番に語られていくので、淡々と静かな印象はあるものの、ひとつひとつのお話は実に濃い。
    世界の歴史がどんどんリンクしていくのがわかる瞬間がぞくっとした。

    魔物の扱いは多くのファンタジーで色々語られているけれど、多崎さんのように悲しい存在だという設定が私は好きだ。
    そして決して報われないだけで終わらないところも。
    基本的に悲劇が大好きだけれど、こういった悲劇を含みつつ幸せになるお話も素敵!
    魔物の存在理由にも個人的には非常に納得できた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「余韻が残る本は久しぶり」
      多崎礼は全然知らない作家さん。ちょっとウォッチしてみようっと。
      「煌夜祭」このタイトルも良いなぁ~
      「余韻が残る本は久しぶり」
      多崎礼は全然知らない作家さん。ちょっとウォッチしてみようっと。
      「煌夜祭」このタイトルも良いなぁ~
      2012/12/06
  • 面白かった!
    こういう「おはなし」の雰囲気好きだし、ベタなファンタジーの要素もとても好き。最後に全部つながる構成もすばらしい。
    ただ、…まあこれは自分の記憶力の問題だけど、島の名前や登場人物の名前がいまいちちゃんと記憶できていなかったせいで、最後のカタルシスを味わい損ねた感がある。いや、「つながる」こと自体は予想できていたんだけども、「じゃあ君の正体は…!え?あれ?違う?えーと、てことは…んん?やっぱ違う?あれ?」と脳内映像がこんがらがったまま読み終えてしまった…。カタカナは苦手…というかやはり記憶力の問題だな、うん。

  • 自分がとにかく押してる構成の妙の一冊
    大人から子供まで楽しめるが、少しシリアス系

    とにかく構成!本当に素晴らしい
    あえて表紙絵があるイラスト版をおすすめします
    この作者の本は他に夢の上、慣れてきたら八百万の神に問うをおすすめします

  • 十八諸島では時おり魔物が生まれ、冬至の夜に人を喰らう。
    けれど物語を聞いている間は魔物も人を襲わない。
    だから冬至の夜には島主の館で煌夜祭が開かれ、
    語り部達が集い朝まで物語を語り合う。
    これは語り部の話を集めた短編集だと思って読み始めた。
    けれど散りばめられた伏線を回収し始めた辺りで気付く。
    あれ?この話に出てくる人って・・・あの人?と・・・
    疑問は確信になり、そして一つに収束され
    あの景色を目の前にした時、涙出そうになりました。
    悲しくて切なくて愛しい物語

  • ⚠️ネタバレ若干含みます。気になる人は読まないで✋

    キッカケ不明かつ図書館の返却期限の関係で最後まで読めていなかった『煌夜祭』(多崎礼)。

    「登場人物と18の島がどう繋がるのか」と考えながら読むのは楽しかったし、

    久々に泣いた。

    バスの中で読んでてポロポロ、どうしようかと思った。

    主人公級の人が、人を食べる類の話は『デビルズライン』(花田陵)や『東京喰種』(石田スイ)などのバトルがメインのお話のみ読んだ事があるけど……

    こんなに切ない話は初めてだわ。

    ただ、主人公が亡くなってから、あの世で戦友、家族に会ってエンドの話は、何かで読んだり見たりした感覚はあるのに忘れてるんだよね…

    『ファイナルファンタジーX』は、あれは元々人間じゃなかった話だし、一体何を読んだか見たんだったかなぁ。

    思い出せなくてメチャクチャ気持ち悪い…。

  • ここまで読ませるストーリーがあるなんて!

  • 二人の語り部が冬至の夜に出会って、島々の歴史と魔物の伝承呪いを物語る。たくさんの物語の真実が浮かび上がるとともに魔物への愛から始まった尊い思いが残る。
    ムジカが女だったことにも驚いたが、痛みだけは消えずに生き続ける魔物の悲惨さは気の毒すぎてもう少し配慮ある設定にして欲しかった。

  • 新人賞をとった作品らしい。
    連作としてきれいなつくり。個人的にラノベのファンタジーって割と好きかも。
    できれば最初の世界地図のところで、もう少し世界観の詳しい説明が欲しかった。

  • 語り部の話。
    視点がころころ変わるので忙しいが、面白かった。
    好きな人・執着している人ほど食欲の対象になるという、哀しい設定。
    大河ドラマのような一冊だった。

  • 十八諸島の世界を巡り、各地で話を集め他の土地へと伝え歩く―それが語り部の生業。
    そんな語り部達が、冬至の夜、島主の館に集い夜を通じて物語を語り合う。
    それが煌夜祭―年に一度の語り部の祭。
    廃墟となった島主の館で出会った2人―ナイティンゲイルとトーテンコフ。
    交互に語るのは、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語……

    ファンタジーで世界の歴史。そして愛の物語。
    友愛・家族愛・理想への努力と信念―叶わなくて切ない部分もあるけど美しいよね。

    戦争だから仕方ないにしても…人死にが多くて辛い…
    割とあっさり多数が犠牲になる策がとられててね-
    最期を託したのも信頼ともとれるし、最後に見た姿に怖じ気付いてしまったようにもとれるかな。

    人を喰らう=その人生を読む=物語を聞く?
    変容する前なら死ねるのかな-
    しかし人の世を繋ぐために生まれたなら、もう少し便利な生態でも良さそうなのに-昼間の行動力とか。

    秋の夜にぴったりな一冊でした。

  • 物語の構成は新鮮的で、世界観や雰囲気の醸成も魅力的で、強いて言えば、叙述トリックによった錯乱は少し抜けないな

  • 購入の決め手は、熱帯雨林での高評価レビュー群でした。
    そして私は、☆7つくらいつけたい。
    さすが老舗出版社、と言いたい。

    たった二人の語り部が火壇を囲んで物語る。
    それぞれの物語はやがて一つに収束する。

    決して結末は不幸ではないけれど、
    こんな結末は欲しくなかった。
    美しく、儚い物語でした。
    実は、蒸気で浮かんでる島々が舞台であるという、
    この世界自体儚いのだと思います。
    現実味の無いおとぎ話のような物語の、憂いや血生臭さ、痛ましい生き様は、
    まぎれもなくこの世の過去で。

  • 面白かった!
    世界観が読んでいるうちにわかってくるのも良いし、短編が最後に繋がっていくのも良い
    最後まで読んで、確認のためにもう一度さらっと読むと、あーなるほどと思う。

    文庫の方には、書き下ろしが追加されているらしいので、そっちも読んでみたい。

  • 「これからも―お側におります。私は―貴方の魂の中に―」


    内容紹介です。

    十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭――年に一度の語り部の祭。お話しよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を……廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった――!


    多崎礼のデビュー作。
    これがデビュー作…。
    連作短編で、ひとつひとつのお話は独立しつつも、すべてが繋がっており、一つの哀しくて切ない結末に集約されていくその様は見事の一言です。
    一章だけ読んで寝るつもりが、気が付けば一気に読了していました。

    複雑に絡まった人間関係。
    それぞれが抱える葛藤や迷いや想い。そして後悔。
    一冊の間に流れる空気はとても重苦しく、哀しく、そして切ないのに、なぜだか優しさも感じられます。
    読み終わった後、胸がぎゅっと締め付けられつつも、薄く本当にほんのりと微笑みも浮かぶ。
    そんな優しい物語です。

    ただ、複雑に入り組んでいるが故に、そして語り部が自らの名前を最後まで明かさぬが故に、私は幾度となく『この人誰だっけ?』『この人どこに出てきたっけ?』状態に陥りました。(私が頭悪いだけ?)
    なので、そうなりそうであれば、簡単な人物相関図を書くことをおススメします。
    私なんてすっかり性別なんかも騙されましたもん!

    この一冊は本当におススメです。
    まだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。
    ただし、読む際は一気読みしても平気なだけの時間確保を!
    これは少しずつ読むのではなく、一気に読んだ方がいいと思います。

    この本は私にとっての多崎礼デビュー作。
    次の作品も楽しみです。

  • 十八諸島を巡り集めた話を伝え歩く語り部。彼らは年に一度の冬至の夜に島主の館に集い、夜通し集めた話を語る。
    廃墟となった島主の館で2人の語り部による煌夜祭が開かれ……。

    第2回CNOVELS大賞受賞作。
    受賞時の評価が結構高かったので少し期待して読みすぎたかもしれない。

    色々な島での色んな年代の話が最終的には一つにまとまっていく。
    構成が凝っていて、最後まで色々な謎を引っ張ってあるのはとても良い。予想の範囲を出ないけど。
    島や人物などの固有名詞はオリジナリティがある分、頭に入ってこないので覚えにくい。
    文章自体は読みやすいのだけど、一文が全体的に短いかな?でも、安心して読めるのも良い点。
    キャラクターは没個性で、物語のためのキャラクターになってしまっている。
    といいつつも、この話にはそんな裏が!と驚くこともあるので、その点が先を読ませる力になってるのか、最後まで一気に読めた。
    世界観を文にさりげなく入れるのが上手。
    ただ、話を成り立たせるために繕っている感じがあるのが一番残念。

  • 2人の語り手により語られる形をとった短編集…なんだけど、読み終わるとすべてが繋がる。非常に面白かった。文章も読みやすい。

    独特な響きの名前や地名が多くて、人名地名がこんがらがってしまうところが苦労した。登場人物が特に多いわけでもないのに見分けづらいのは何故だろう。口調にあまり違いがなく、性格も文から読み取りにくいせいもあるかもしれない。かといって人名リストをつけてしまうとネタバレになって面白さは半減するだろう。

    個々の短編も面白いのだが、最後の最後にすべてが繋がったときは「おおお」となった。そしてもう一度読み返すと、「なぜこの話をこの語り手がしたのか?」「なるほど!」と新しい発見がある。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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