芸術を創る脳: 美・言語・人間性をめぐる対話

制作 : 酒井 邦嘉 
  • 東京大学出版会
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本棚登録 : 196
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130033718

作品紹介・あらすじ

芸術には人びとの心を打つ,何か根源的な力が存在する――「音楽」「将棋」「マジック」「絵画」で作品や技術が生み出される過程や,そうした創造的能力に必要な脳の条件とはどういうものか.人間の言語能力を手がかりにして,美的感覚というものを背景とした「芸術の力」の核心に迫る.各分野の第一人者と,気鋭の言語脳科学者による知的対談.

感想・レビュー・書評

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  • 前田智洋さんのパートだけ読んだ

  • これはきっかけにすぎない。
    そんな気持ちで本を閉じた。

    私の見えていない世界、持っていなかった知識、
    そして興味を持ってすらいなかったことを
    別の視点から見る。
    そのきっかけをもらった。
    そんな気持ちだった。

    結論としてはっきりしたものを得る感覚を求める人には
    向かないかもしれない。

    昨今の、答えをきちんと求められるニーズのもとに
    書かれた本とはまた違う、面白さがあって私はこちらも
    好きだと思う。

    特にマジックについて取り上げられていた章では
    見識がなさすぎて、語られることの色々なことを新鮮に感じた。

    千住博さんの章で語られる話は彼自身の著書を
    数冊読んでいたせいか、なぞるようにしっくりと来た。

    もう少し具体的に書きたいけれど、まだまとまりきらない。

  • 【配置場所】工大選書フェア【請求記号】704||S【資料ID】91141641

  • 登壇者の人選は素晴らしいのに、なんだかいまいち面白みに欠けるような、茫洋とした印象のまま、終わった。
    何がそうなんだか、判然としない。

    前田さんの本、読んでみようかな。

  • テーマ、対談相手の選定ともに良く、会話も教養ある落ち着いたものだが、タイトルから期待する内容には程遠い、良くも悪くも単なる対談。
    漠然とした仮説を確かめるための引水、なまじ相手についての勉強をしているがために上っ面をなでてしまっている。お互いの知がぶつかり合って新物質が生まれる、とはいかなかった。

  • 絵が好きなので、絵画に関する感想が主。

    千住さんの
    「美術とは見えないものを見えるようにする」という言葉に「そうなのか!!」と、目からうろこが落ちた。
    でも言われてみれば、確かにそうだわ。
    絵を見て、これまでにどこかで感じた何らかの感動をその絵の中に見出した時に、無性にその絵に惹かれてるし。

    あと芸術とは対話だという言葉も、「ああ!そうかも」と感じた。
    絵を見ている時、心の中で絵に話しかけたりするし。
    あと、風景画ならその時代にその風景の中で生きてた人たちの営みを想像するし、動物画だとその動物の一生を想像する。これも絵との対話だと思う。

    逆に音楽は対話というより、自分の心を見つめなおすなぁ…。コンサートだと逆にもったいなく感じるんだけどね。

  • 東大の脳の言語機能について研究してる教授と、芸術に関わる各著名人との対談集。

    言語と芸術との共通項目とはなにかという、あまりテーマ的には惹かれるものではなかった。
    ただ、対談としてはお互いの仕事に理解があるため、なかなか具体的な例が多くあげられていておもしろく読めた。

    印象的だったのは以下。
    ・オーケストラのリハというのは全部行わない。20〜30%の余地を残してリハを終える
     →適度な緊張感や自由度をつくりライブを盛り上げる

    ・楽器のダイナミックレンジを細かく分割して表現することは芸術性を高める
     →楽器で表現できるオクターブは制約だが、その範囲の分割数を多くすることで、無理数のような無限の表現が可能。

  • 将棋の羽生さんも対談参加!

  • 羽生善治や千住博の頭の中って覗いてみたいです←覗いたからって、身に付く訳じゃないけど。。。

    東京大学出版会のPR
    「芸術には人々の心を打つ、何か普遍的な力が存在する――音楽、将棋、マジック、絵画における創造的能力に必要な脳の条件とは何か。人間がもつ言語能力を手がかりに、人間の美的感覚を背景とした「芸術の力」の核心に迫る。各分野の第一人者と、気鋭の言語脳科学者による知的興奮に満ちた対話。」

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著者プロフィール

桐朋学園大学、ウィーン音楽大学等で学び、1989年ルーマニア国立音楽院在学中にルーマニアでデビュー。ブザンソン、コンドラシンの二大指揮者コンクール優勝を始め、数多くのコンクールで上位入賞。以降日本はもとより、ヨーロッパ、南米を中心に世界各地のオーケストラに客演を重ね、2015年にベルリン響を指揮するなど活躍を続けている。ルーマニア国立放送響首席客演指揮者、大阪シンフォニカー響(大阪響)音楽監督、ブラジル・ロンドリーナ音楽祭首席指揮者などを歴任。東京ニューシティ管弦楽団(パシフィックフィルハーモニア東京)とは17年にわたり信頼関係を築き、楽団の発展に大きな足跡を残した。世界各地の音楽祭出演や講習会の講師、コンクールの審査員、また近年は作曲家としても活躍し、その作品は海外を含め広く演奏されている。

「2024年 『ベートーヴェン 交響曲第9番 終楽章 改訂新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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