仮想の近代: 西洋的理性とポストモダン

  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130100717

作品紹介・あらすじ

普遍性から偶発性へ。「近代」と「近代の終焉」を超えて、歴史の重層性の基層に在るものを剔抉、現代の意味を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 近代西洋思想の問題と、いわゆるポスト・モダン的思想やロマン主義、ハーバーマス、あるいはルーマンといった人々の思想や理論を関係させて縦横無尽な議論を展開している。著者の著名なドイツ法制史研究もまた、この著書を貫く問題意識の中では、いわゆる近代的な法体系や法概念もまた、歴史的に様々な意味内容を持ってきた観念にその内実を負っていたことを示すものに他ならない、と位置づけられる。その点で、人文主義的伝統の中で形成されてきた、「原則理性」の観念とは異なる「機会理性」という観念の重要性を指摘する研究を紹介する「ヨーロッパの近代とポストモダン」は、西洋合理主義を一面的に断罪しようとする議論に対して寄与するところが大きいだろう。

  • 1992.10刊。雑誌「UP」1992.1号に掲載されたエッセイ「居場所はない、どこにも」所収。このタイトルは胸にズキンとくる。一度読んだら忘れられないタイトルだ。また日本語の「憲法パトリオティズム」という語彙を初めて使用したと思われる雑誌「思想」1990.10号掲載論文「社会主義体制の崩壊と非共産党左翼の課題 ハーバーマスの展望」も所収。名著。

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著者プロフィール

村上淳一(むらかみ・じゅんいち):1933-2017年。東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授。

「2023年 『テクノコードの誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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