日本倫理思想史 増補改訂版

著者 :
  • 東京大学出版会
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 17
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130120609

作品紹介・あらすじ

古代から現代まで-『古事記』から吉本隆明まで展望する。いま人が生きるための知恵の在りかたを問う。叙述を全面的見直し、注を追加、さらに昭和期を中心に増補した。何を信じ、何を願ってきたか。日本人の心を描く決定版通史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 西村茂樹の言葉が1番しっくりきた。世外教は信に基づき、世教は有用な理知に基づいている。また、吉本隆明が井の中の蛙は井の外に虚像を持たなければ井の中にあること自体が井の外と繋がっているという方法を選びたいと思う、と説いたことから土俗に根ざして倫理思想を捉える重要性を感じた。

  • 佐藤正英『日本倫理思想史 増補』

    【内容紹介】
    ISBN 978-4-13-012060-9,
    発売日:2012年04月中旬,
    判型:A5, 252頁

    何を自らの拠りどころとし,私たちは今・ここにあるのか.その知恵の痕跡を古代神話にさかのぼり,仏法のうちに捉え(中世),天の思想に表現しつつ(近世),文明と直面して回折する近代・現代まで,日本人の心の歴史を鮮烈に描く.昭和期を中心に増補し,『古事記』から吉本隆明まで展望する決定版.
    http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-012060-9.html



    【目次】
    はしがき [i-iii]
    目次 [iv-ix]

    序論 対象と方法 003
    今・此処の現存/此処と彼処――事物や事象の情景/自己――有限性・一回性・非通約性/当事者――この拠りどころ/夢想者――もう一つの拠りどころ/傍観者――他者の了解/現存の意味をめぐる営為の対自化/倫理思想の痕跡の様態/時間・空間の表象/神・仏法・天・文明――他物の様態

    第一章 神をめぐる思想 029
    一 〈もの〉神の顕現――第一次神話 029
    天地初発以前の世界/〈神の女〉の物語/〈神の女〉〈神の子〉による〈もの〉神の祭祀
    二 〈たま〉神の発生――神代神話 040
    〈もの〉神を祀るひとの物語/イザナキ・イザナミによる世俗世界の整序/死の世界の定立――黄泉国/〈神の子〉スサノヲの流離/尊貴な〈たま〉神アマテラス
    三 天皇をめぐる物語と和歌 053
    勇猛さの物語/予祝の和歌

    第二章 仏法をめぐる思想 057
    一 仏法の伝来 057
    漢字の移入と仮名の成立/儒学の移入/仏像・祭具・経論の渡来.憲法十七条の述作――太子伝説I/勝鬘経の講説――太子伝説II/役小角――修験道の始祖/「僧尼令」と具足戒/行基――〈もの〉神から〈たま〉神へ/八幡大菩薩――皇祖神としての菩薩/『日本霊異記』――善・悪の因果
    二 仏法の土着 081
    菩薩僧の創出――最澄/密教の集大成――空海/菅原道真――天満宮天神/密教の展開と西方極楽浄土/西行――隠遁と和歌
    三 仏法の成熟 093
    法然――専修念仏/親鸞――自燃法爾/栄西――禅宗の移入/道元――修証一等/日蓮――法華経の行者/一遍――孤絶する自己
    四 原郷世界と栄華 108
    花鳥風月――原郷世界の徴表/『竹取物語』――作り物語の祖/『源氏物語』――作り物語の深化/『大鏡』――世俗世界における栄華/『愚管抄』――世俗世界の理路/『神皇正統記』――世俗世界の持続と道徳/お伽草子・『神道集』・説経節/夢幻能の世界――「井筒」

    第三章 天をめぐる思想 121
    一 武士の思想 121
    『今昔物語』――戦いを業とする者/『甲陽軍艦』――国持ち武将の生と死/『三河物語』――合戦の想起/『五輪書』――観と見・心と意/『葉隠』――「忍ぶ恋」
    二 儒学の思想 134
    藤原惺窩・林羅山――朱子学の移入I/山崎闇斎・貝原益軒――朱子学の移入II/中江藤樹――陽明学の系譜/山鹿素行――「士道」/伊藤仁斎――古義学/荻生徂徠――古文辞学/寛政異学の禁――松平定信
    三 国学の思想 152
    神道教説の発生――両部神道・伊勢神道・吉田神道/国学の成立――契沖・荷田春満・賀茂真淵/本居宣長――「もののあはれ」/平田篤胤――復古神道/新派神道――黒住教・天理教・金光教
    四 庶民の思想 162
    円空――鉈彫りの仏像/井原西鶴――『好色一代男』/近松門左衛門――世話浄瑠璃の確立/西川如見――町人による理/石田梅岩――石門心学/安藤昌益――「自然世」/二宮尊徳――「分度」と「推譲」/良寛――孤絶した自己
    五 幕末の思想 170
    蘭学の展開――『どちりいな・きりしたん』から『解体新書』まで/尊王攘夷論――藤田東湖・会沢正志斎/和魂洋才――佐久間象山・横井小楠/吉田松陰――倒幕論

    第四章 文明をめぐる思想 177
    一 文明開化 177
    外部としての文明――幕藩体制の崩壊/福沢諭吉――有用な理知・独立自尊/明六社の洋学者――中村正直・森有礼・西周・加藤弘之/中江兆民――民権
    二 国家の核としての天皇の創出 185
    神仏分離――仏法の排除/天皇にかかわる祭祀の変容/兵士の創出――軍人勅諭/国民道徳論――西村茂樹『日本道徳論』/教育勅語――道徳にかかわる現人神としての天皇
    三 キリスト教の解禁 194
    新島襄――同志社英学校/内村鑑三――不敬事件から無教会主義へ/キリスト教と武士道――植村正久・新渡戸稲造
    四 さまざまな潮流 200
    平民主義――徳富蘇峰/国粋主義――三宅雪嶺・志賀重昂・陸羯南/岡倉天心――日本美術の再発見と復興/社会主義――幸徳秋水・木下尚江
    五 回折する理知 205
    北村透谷――「想世界」の情念/浪漫主義者の群れ――島村藤村・与謝野晶子・国木田独歩・石川啄木/夏目漱石・森鷗外――「自己本位」と諦念
    六 『善の研究』の成立 212
    清澤満之・大西祝――『宗教哲学骸骨』・『良心起源論』/西田幾多郎――「純粋経験」
    七 大正デモクラシー 216
    民本主義・天皇機関説――吉野作造・美濃部達吉/人格主義・白樺派・耽美派――阿部次郎・武者小路実篤・有島武郎・谷崎潤一郎/大杉栄・平塚らいてう・西光万吉
    八 和辻倫理学――間柄の理法 219
    九 土俗への根ざし 222
    宮沢賢治――法華経行者への希求/柳田国男――常民と神をめぐる学/小林秀雄――孤絶した個と土俗
    十 敗戦 228
    北一輝――超国家主義の台頭/思想と学問の抑圧――満州事変から日中戦争へ/太平洋戦争――アメリカ・イギリスとの戦い
    十一 「倫理」の脱神話化 232
    坂口安吾・丸山真男・吉本隆明――ふたたび土俗へ

    参考文献 [235-238]

全3件中 1 - 3件を表示

佐藤正英の作品

日本倫理思想史 増補改訂版を本棚に登録しているひと

ツイートする
×