教養としての認知科学

著者 :
  • 東京大学出版会
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本棚登録 : 275
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130121101

作品紹介・あらすじ

人間はどのように世界を認識しているか? 「情報」という共通言語のもとに研究を進める認知科学が明らかにしてきた,知性の意外なまでの脆さ・儚さと,それを補って余りある環境との相互作用を,記憶・思考を中心に身近なテーマからわかりやすく紹介.
【円城塔氏(作家)推薦の辞】
「この本を読むと,人間は自分で思っているよりも,いい加減なものだとわかる.いい加減な人が読むべきなのはもちろんだが,自分はしっかりしていると思っている人こそ,読むべきである.」

感想・レビュー・書評

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  • 四章くらいまではだいたい知っている内容
    五章あたりからドライブし始めて、人間の進化の行く末にドキドキしてきます

  • 『認知科学を学ぶならまずはこの本』
    認知科学を非常にわかりやすく、また面白く書いてくれている本。といってもエンタメ方向に走っているのではなく、本当に知的好奇心を刺激してくれる本です。
    他人に認知科学の基本を伝えたいという場合にも使いやすい本。この中からトピックを選択して話してもいいし、直接本をワタシても良い。
    ■ 認知科学について知りたい!
    ■ 認知科学について教えたい!
    ■ ちょっと学問に触れてみたい!
    そんな人はまずこの本を開きましょう!

  • ワクワクする内容がわかりやすい言葉で書かれている.何度も読む価値のある本だと思う.

  • この分野の始めの1冊をどうしようか悩んでいました。
    平易な言葉、豊富な例えで書かれていてとても読みやすいです。
    とっかかりで食わず嫌いにならずに済みそうです。

  • -

  • 認知科学の入門書。門外漢の私でも読めるくらい平易に解説されてる。

    ロボット工学、教育学、心理学、哲学など、いろんな分野を横断している分野で、それゆえに分かりにくい部分もあるけど、学ぶという機能の広さを感じられて、興味がわいた。

    今後もこの分野をフォローしてみたいと思います。

  • 大学の心理学の啓蒙書?
    前半はなかなか頭に入ってこなかったが、後半は結構スムーズに読めた。
    暗示を繰り返すと新たな記憶が作り出せるという実験から、この国の23日間拘留して取り調べることで「自白」が作り出せるという流れはかなり腑に落ちた。

    その他、p. 208, 214, 258など

  • おもしろい。「知性」という曖昧な概念を科学的に位置づけることができる。この本を踏まえた上で昨今のAI=人工知能の議論に目を向けると、また違う視点で見ることができそう。内容としては『サブリミナルインパクト』を既読だったため、驚きは大きくなかった。

  • *認知記憶について
    馬の絵をなぜ人は描けないのか?理由の一つとして言語の発達が挙げられる。言語があることによって、馬についての認識はすぐに理解できるし相手に伝えられるため鮮明な描写の必要性がなくなる。

    *確証バイアスについて
    人は「こうだ。」と思う確証について都合のいい情報には目が行きがちだが、都合の悪いそれにはあまり目が行かなくなる。第一印象が人を決定づけるのもこれに関連する。

    *虚偽の記憶について
    人は外界からイメージやストーリーを植え付けられるとあたかも本当に自身がそれを経験したかのように記憶を作り出してしますことがある、しかも鮮明に。自白の強要などもこれに関連する。

    *神戸児童殺人事件について
    この残虐な犯罪が起こった時、世論は少年犯罪の増加を根拠に少年法の厳罰化を訴えた。しかし実際少年犯罪は激減していた。これが起こった原因はメディアの役割と人の記憶に関連がある。メディアにとって希少価値のあるニュースを取り上げることはひとつの役割であって、それによって一般人はこのニュースを頻繁に目にするようになる、結果記憶として引き出しやすくなり類似のニュースなどをめにすると「やっぱり少年犯罪やばい」というような確証バイアスのもと厳罰化を訴えるようになる。

  • 借りたもの。
    現在の科学で解明されている“認知”についてまとめたもの。
    それが導き出すのは人間の「知性」の姿だった。
    人間の知覚するもの、記憶しているものが、いかに儚く不確かであるかを、実験データの紹介と解説と共に、丁寧に解き明かしていく。
    ケース毎に章立てされ、章の末には補足や他参考文献も充実。

    認知にはバイアスがかかり不公平であること、人間の知覚するものがいかに限定的で、限界があることが分かってくる。
    (本田真美『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』/ http://booklog.jp/item/1/4334036899 も参考になる)

    個人を特定するにも関わる、記憶が実はあやふやで、外部情報などから記憶の書き換えなども起こりやすいという事も。
    (冤罪などが生まれる原因、日本の検察での長期拘留と閉鎖的な空間での尋問が疑似記憶などを生み出す危険性について、「ポール・イングラム事件」ローレンス・ライト『悪魔を思い出す娘たち―よみがえる性的虐待の「記憶」』/ http://booklog.jp/item/1/4760117288 など)
    また、「人間とは思考し、論理的な生き物である」と思っていたが、実は「人間の思考は論理的ではない」ものだった……

    使われている用語には、科学(一般的に理系と目される)だけでなく、哲学、心理学(文系)からの用語などもあり、人間が歴史の中でもいかにこの問題に疑問を持っていたかがわかる。
    そして、文系的な分野だったそれらが今、科学的な統計をもって解明が試みられている。

    これらの解明から、昨今の人工知能研究についても考えてしまう。人間の記憶(儚く、ネットワークの繋がり上で、その場で想起される)と機械の記憶(メモリ容量の問題)の根本的な違い、ネットワーク上で表象する概念を、機械で再現できるか、など。
    応用は広がる。

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著者プロフィール

鈴木 宏昭
鈴木宏昭:青山学院大学教育人間科学部教授

「2016年 『教養としての認知科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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