- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130130837
作品紹介・あらすじ
「わたし」はどこから来てどこへ行くのか。永遠の問いにユング、ウィルバー、シュタイナーはどう答えるのか。発達研究と輪廻思想をつなぐ知のいとなみ。
感想・レビュー・書評
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生涯発達心理学においては、ひとの誕生から死にいたるまでの心理的プロセス全体をえがき出すことがめざされています。ところが、ユング、ウィルバー、シュタイナーといった神秘主義的な思想家たちの生と死についての思索には、こうした生涯発達心理学の枠組みをまったく相対化してしまうような、きわめてスケールの大きな考え方が示されていました。本書は、これらの思想家たちの考えを紹介して、生と死の両者を含んで展開される魂のライフ・サイクルについてのどのような思想が語られていたのかということを論じています。
著者のスタンスは、ユングやウィルバー、シュタイナーといった、アカデミズムの研究においてはなかなか受け入れがたい思想家たちに過度に肩入れすることなく、エリクソンのライフ・サイクル論を下敷きにしつつ、三人の思想家たちの考えがそれとどの程度違っているのかを明確にすることを目標としています。こうした抑制的なスタンスは適切なものであるように思いますが、けっきょくのところユング、ウィルバー、シュタイナーらの思想を検討し、従来の生涯発達心理学の枠組みを相対化することで、どのような収穫がもたらされることになるのか、あまり明瞭に語られていないように感じてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東大京大教授が薦めるリスト100選抜
No.73 -
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169〜
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『意識のスペクトル』 -
分類=心理学。97年7月。